マガジンのカバー画像

【完結】健康的で清潔で道徳的な秩序ある社会の不自由さについて

22
友人たちとのオンライン読書会記録です。各回5千文字程度。 テキストは『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』熊代亨 https://honto.jp/netst…
運営しているクリエイター

#子育て

リスクとしての子育て、少子化という帰結 #4

◆動物から現代人へと育てるコストを親が一手に担うしろくま P147では「動物としての子供を現代人へと育てるためには、長い時間と親による適切な養育が必要だ。適切な養育にはお金や手間がかかるし・・・」とありますが、そういう手間がかかることを嫌だと思う気持ちは何なのだろうと思います。価値観の問題かも知れませんが、仕事をしていても、メンタルヘルスのリスクとか、何年も費やしているプロジェクトが上手くいかない等のリスクはある。プロジェクトって子どもにも近いような気がするのですが、そこまで

リスクとしての子育て、少子化という帰結 #2

◆“動物”として生まれてくる子どもうえむら P132では「遺伝形質」とか「予測不能性に生殖テクノロジーが貢献するとしても完璧にはほど遠い」「優生学への反省を経た現在においては完璧でさえあれば良いとも考えられない」といった話題が提起されますが、クソゲーをできるだけモデレートしていこうと考えたときに、遺伝の段階でデザインしておこうという発想に進んでいく人も当然いる。 こにし クソゲーを回避しようとする。 うえむら テクノロジー上そっちに移っていく人は、「動物として生まれてくる

リスクとしての子育て、少子化という帰結 #1

課題図書 『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』 (熊代亨、2020年) ◆際限のないリスクを強いる「子育て」しろくま 著者のブログタイトルが「しろくま」となっていて、熊代さんだからしろくまなのですね。私もYouTubeチャンネルで「しろくま」を名乗っていますから、親近感を持ちました。 うえむら それでは、テキストもタイトルが長いので「しろくま本」とでも略しましょうか。あえて順番をバラバラに、第4章から入ります。 しろくま 分量的には、『ブルシット・