手紙

手紙を書くことが正解かどうか分からなくなってきた。
毎年同じことを書いて意味があるんだろうか。本当のことを書いているはずなのに嘘くさくも見えて、だとしたら言わない方がいいのかもしれないとか、「今年もたくさん遊ぼうね」に対して相手が同意してくれるかは分からなくて、もしかしたらその一言はただの独りよがりで迷惑かもしれなくて、結局そもそも手紙を渡すことが正解かどうかわからなくなった。
めっきり笑ってくれなくなった彼女に、「笑わなくなったね」と言うのは、笑うことを強要してしまうのかもしれない。「笑ってる顔が似合うよ」と少し遠回しに言った返答は「ありがとう、笑」だった。その読点には山ほどの意味が込められている気がした。嘘くさいこと言わなくていいよ、と思われてるのかもしれない。自分も実際人の励ましに対して「嘘くさ」と思うことがあるから山ほど気持ちは分かる。本心が本心として伝わらなくなってしまったらもう自分の気持ちの伝え方も分からなくなってしまったし、そもそも私の本心なんて伝える必要があるのかも分からない。あの子にとってはいらないかもしれない。
「今年もたくさん遊ぼうね」は、結局「よかったら、今年もたくさん遊ぼうね」になってしまう。いつからそんなことを考えるようになったんだろうね。

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