夜に旅する

ソウルの南郊からムグンファ号に飛び乗る。きっぷ無しの無札乗車だが何とか座れて、通りがかった車掌からきっぷを買う。永登浦の発音が難しく何度か聞き返される。車掌は文在寅だった。新聞が欲しくなり頼むと中から一頁だけ抜き取って渡される。その頁は文氏お気に入りの記事でもあったのだろうか。

きっぷも買い新聞も手に入れて安心したら寝落ちし気付けばソウル駅に着いて車内は清掃中、慌てて降りて時計を確かめると8時10分、釜山ゆき夜行ムグンファ号の出発は8時15分、慌てて駅舎内のコンビニに走る。橋上駅舎は北朝鮮風で薄暗く、でも勝手は判っていて通路の影の店に駆け込む。夢だから息切れしない。北朝鮮風駅舎のコンビニは北の百貨店風でガラス戸棚の中には箱入りスナック菓子と瓶ビールだけでこれはアカンと駅舎外のコンビニでおにぎりを買い、戻ってビールだけ駅舎内コンビニで再度買ってホームに降りると釜山ゆきムグンファ号が入線してきた。よかった間に合った…。

釜山ゆきムグンファ号、車両は阪急2000系4両と2800系4両の併結。夢のようだな。夢だけに。しかしロングだと嫌だなと券面を確かめる。見づらい表記から5号車と確認、よかった転換クロスシートの2800系部分だけど席番は通路側。う〜むビール飲みづらいなと思いながら低床ホームから車内に上がり込み見渡すと、北朝鮮の労働者風味の乗客で車内は割と混雑、窓側の先客は既に寝ている。すまんな、ワシも夢の中なんじゃ今。寝ている労働者氏に気遣いながら阪急2800系の転換クロスシート通路側に身体をねじ込み、これで釜山まではキツいな到着は6時過ぎだぞ…と思いながらもそもそとおにぎりを食べる。味がしない。まあ夢だしね。ビール飲むかどうか…

というのが明け方までの経緯。二度寝したらまた阪急2800系ムグンファ号に乗れるだろうか。

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