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【独断と偏見による本の要約】『「やりがいのある仕事」という幻想』森博嗣 〜最近の日本は私と似てる〜

日本は今「生きがい」を見失っている状態なのではないか?と思う。

これは現代史の話なんだけど。

戦時中は「国のために働く」ということが、多くの人の生きがいになっていた。
(もちろんそうでない人もいるかもしれないが)
国民が全体として、戦争に勝つために動いていた。(と仮定して話を続ける)

敗戦国となった日本の前には「仕事」が降ってきた。
死に物狂いで戦うつもりで育った人たちが、死に物狂いとまではいかなくとも、一生懸命になれるものが、目の前に現れた。それが仕事だった。

先進国(戦勝国)が仕向けてくれたことと、戦前教育に育まれた勤勉さを持ってして、日本は瞬く間に成長した。
やればやるほど成果になる。仕事をすることが豊かになることと直結し、生きることであり、生きがいだったのだろう。

ある程度成長しきった平成の日本は、どこに向かったら良いかわからなくなっていたんだろう。案の定「失われた30年」と言われてしまっている。

まるで私みたい。

大学に入学することを生きがいとして生きてきたから、受験に合格した瞬間に方向感覚を失ってしまって、どこに向かって歩めば良いかわからず迷走していた私にそっくりだ。

今までの日本人の生きがいは、国から、戦勝国から与えられてきたものだった。
日本人に受け身な人間が多いのは、その名残かもしれない。
生きる目的は誰かから与えられるものだという思想がこびりついている。

今は国や社会からの支配が徐々に少なくなってきて、個人の自由を尊重する世の中になってきた。
自分の幸せは自分で決めなければいけない。
しばらく決めてこずに済んだ日本人には、それはいささか苦手な作業なのかもしれない。

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