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最後まで読んでもらえるようになる「本気のnote」を書く6つのステップ

こんにちは!のだかつきです。

前回の入社エントリ以来、5ヶ月ぶりのnoteへの投稿になります。今回は、〇〇を研究する。ような題材ではなくnoteというプラットフォームにおいて、どう読まれるnoteを書くのか?という話をします。

内容的にはnoteというプラットフォーム単体というよりは、以下の要素を満たす記事を書きたいときに参考になればと思います!

「ある程度長め」× 「トピックがある」×「学びを持ち帰ってほしい」記事

逆にいうと、エッセイのようなもの、日記的な記事とは異なるタイプの記事の書き方になります。

・〇〇を研究したnoteを出したい方
・日々の学びを発信したい方
・記事を書いてもなんだかありきたりになってしまう方
・なかなか最後まで記事を読んでもらえない方

こんな方々に届けば嬉しいです!

はじめに:noteを書く方法は意外と需要がある

嬉しいことに「Pixarの研究note」を書いて以来、『あの記事ってどうやって書いているの?教えてほしい』『記事を書く書き方がわからないから教えてほしい』と言ったように、「言語化」+「アウトプット方法」に関する質問・相談をもらうタイミングが増えました。

具体的に伺ってみると、膨大な情報をリサーチするのは得意なんだけど、まとめるのが苦手。だったり、どうしても本を薄めた情報になってしまう。だったり、、、

その相談に乗る中で改めて自分の記事の書き方を振り返ってみるとある程度法則があるように見えてきました。(以下が特に意識して書いた記事)

今回は自分なりにどんな意識・プロセスで記事を書いているのかを改めて体系化し、発信することにトライしてみようと思います!

では本題!!!

Step1:まず何より、書くテーマを決める

何かを発信するには「テーマ」が必要です。テーマとは、取り扱う題材に他なりません。テーマ(Theme)の語源を調べて見ると、、、

研究や論文あるいは芸術作品など人間の精神的作物の中心となる題目をいう。〈テーマ〉(ドイツ語Thema,英語theme,フランス語thème)の訳語でもあるが,これはギリシア語tithenaiに由来し,〈置かれたもの〉を意味している。人間が思想を展開するときには集めた素材を自分独自の観点から統一するが,その統一の中心に置かれるものこそ主題にほかならない。

とあります。世の中には発信できるネタ、アイデアは山程溢れていますが、結局は何を取り扱うか?それが記事におけるテーマです。

テーマを決める際は、僕はマーケティングのセグメンテーションとターゲティングに近い形で、テーマを決めています。つまり、取り扱う分野の分解×組み合わせとフォーカスを決めるというやり方です。

Pixarの記事の例:Pixarの研究であればやっている人はどこでもいるし、なんなら書籍がすでにある。だったらデザインマネージャーの経験がある自分が、クリエイター組織にフォーカスして書いてみよう→

「Pixar」 × 「組織文化」に決定!!

Clubhouseの記事の例:Clubhouse急に流行り始めたな。なぜこれが優れているのか、自分の専門分野でもあるUXの観点でリサーチしたら良さそうだな。なおかつあまり取り上げられないデータ構造(OOUI)の観点で書いてみたら新しい発見があるかも

「Clubhouse」×「UX」×「OOUI」に決定!

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退職エントリの例:退職エントリを書きたいけど、会社への感謝を綴るだけだと会社の中の人にだけSlackで届ければ良くなってしまうな。であれば、UXデザインに対する理解も促進するような内容にしよう!→

「退職エントリ」×「UXの定義」に決定!

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、重要なのは、なんで私がそれを書くの?どこが独自になるの?という点です。書籍などすでに体系化されたものがあったり、既存のnoteの記事もある中での執筆なので、トピック選びにおいては「Why me?」で切り口を見出すことがとっても重要です。

Step1.1:記事が解決する課題を決める

トピックが決まり、実際の執筆に入る前に一つ寄り道をします。その寄り道は。例えば、「Pixar」 × 「組織文化」で書きたい!となっても、それってそもそも誰かの課題を解決するんだっけ?というところに立ち返る。という寄り道です。

note(だけじゃなくTwitterとかにも言えますが)においては、何か困っていることがあるからこういった記事に目を通してくれるのです。逆に言うと課題を解決しない文章は自分語りでしかないという視点に立って、記事を書きます。(自分語り系記事が悪いわけではなく冒頭に記載した「ある程度長め」× 「トピックがある」×「学びを持ち帰ってほしい」記事においては、自分語りになってしまうとすぐ離脱されてしまうということが言いたいです)

PIXARの記事であれば、「ヒット作を出したい」を抽象化して、「良いプロダクトを生み出したい!(また、そんな組織を作りたい)」という課題を解決することにフォーカスすることにしました。これは私のSNSのフォロワーとの相性やnoteのプラットフォーム特性を考えてもそれがマッチしそう。という理由で決めました。

他にもアニメーション技術を切り出した記事や、PIXARのビジネス面の話など、”トピック”は他にもありましたが、これまでの自分の経験と照らし合わせると、やはり「良いプロダクトを生み出したい!(また、そんな組織を作りたい)」しかないな。という結論に至りました。

Clubhouse記事であれば、「流行ってるサービスが流行ってる理由を知りたい」になりますし、退職エントリであれば「UXデザインって結局なんなの?」になります。

どの記事にも解決したい課題(Jobs to be done)があり、その穴を埋めてあげる記事を意識するだけでぐっと読まれる記事になると思っています。

Step2:情報を収集する先を決定する(まだ収集しない) 

自分のこれまでの経験上、noteの記事であれば、インプット元の基本は、書籍(最低でも3冊はほしい)、Webの記事、実体験あたりに落ち着きます。(深さによっては論文とかもあるかもしれませんが、僕はあまり見ないです)

自分が意識していることとしては、情報を具体的に精読精査し始める前に、今回のトピックでは何を参考にするのか?を先に決めてしまうということをします。要は先にスコープを決めてしまいます。

調べ物をし始めるとどんどん深みにハマっていき、気づいたら調べるだけで時間が永遠と過ぎてしまう。という自体を避けるために、今回の記事では基本的には〇〇と〇〇と〇〇だけを参考にする。と決めます。

というのも、目的は「記事としてアウトプット」することなので、情報収集先を絞らないと調べることに満足してなかなか執筆に入れないという自分の癖があるからです。アウトプットが前提の場合は思い切って漏れを覚悟の上で、収集先を絞ってしまうのも一つの手として参考になればと思います。

Step3: 「視点」「切り口」を意識して情報を収集する

誰かの課題を解決する記事を書く上で重要なのは、先述の通り、なんで私がそれを書くの?どこが独自になるの?という点です。それがないならまとめサイトなり、書籍なりで完結してしまいます。

テーマや解決する課題の欄で述べた、Why me?の視点、切り口で情報を収集するのが後々良い記事を書くための種になります。

PIXARの記事であれば、自分の経験上どんな組織であればプロダクトなり、映画なりを生み出せる組織になるのか?という「視点」「切り口」は独自になりそうだと判断してテーマを決めているのでその視点で情報収集(精読精査)をしてみるわけです。

①書籍なり記事なりをまずは読む
②自分の切り口に合う点を抜き出し、事実をメモに書き出す
③書き出したメモに対して、自分の解釈を付け加える ※ここが重要。ここがないと独自な記事にならない

集めた文献に対してこの①〜③をひたすら行っていき、今回のトピックにおけるネタ帳としていきます。

この段階ではネタ集めなので、体系化しようとは思わず、ただひたすらメモ帳に雑にメモを取っていくことが多いです。

(自分がよく使うメモ及びWriting Toolはこちら↓)

Step4:収集した情報を体系立て、見出しを作る

Step3でまとめた情報はあくまで散り散りになった自分の切り口ごとの「事実」+「解釈」のリストになっているはずなので、情報をグルーピングするなり、時系列でまとめるなり、構造化する必要があります。構造化する軸はトピック次第で決まるので、例を元に説明します。

例:PIXAR記事のときは組織文化で主な論点になりそうな点を網羅する形で抽象化した。

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例えば、マッキンゼーの7Sというフレームワークなどを参考にグルーピングをしていきました。結果的に、Value、リーダーシップ、組織体制、採用、マインドセット といった言葉を用いてテーマをブレイクダウンし、見出しを作っていきました。

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そして最終的に出来上がった見出しが↑になります。なんとなく7Sのエッセンスを感じる?まとめ方になっているようにも見えませんか?笑

参考までに、Clubhouse記事の見出しは、PREP法に則って構造化しています。

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退職エントリ記事では、時系列(↓に行くにつれて過去→現在→未来)という軸で構造を作っています。

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ここまで来ると、ある程度テーマとテーマに呼応した見出しが出来上がっていると思います。ここまで来ると記事としては8割型できてると言っても過言ではないというのが持論です。(そして人にフィードバックをもらいやすくなるのもこのタイミングです)

Step5:見出しごとに、事実と解釈を文章化する(ストーリー化する)

Step3にて事実と解釈をメモしたものはあくまでメモなので、ここで初めて「記事のライティング」に入ります。コツをステップで書いてみます。

1. 見出し+段落の中で一番言いたい結論を決める。
2. 結論を見出し文言にする。コピーライティング
3. 結論を補足する文章をPREP的に書く ※以下でPIXAR記事を例示
  ・ Point:ストーリーという共有の価値観が強みの源泉(見出し)
  ・Reason:ある程度の基準を上回ってさえいれば、コアとなるストーリーやコンセプトが魅力が、細部の技術の不十分さをカバーするに足る
  ・Example:「アンドレとウォーリーB. の冒険」と自分の実体験である大学時代の話
  ・Point:PIXARで大事にされているのは映像技術やイラストレーションの美しさはもちろんのことなんですが、チームや組織の作り方 そして、ストーリーという根幹が存在する
4. 1-3を各見出しごとに作成の繰り返し

どの文章を書くにしてもこの1〜3を意識して書いています。(このnoteもそうです笑)

Step6:仕上げに記事の冒頭と、記事のまとめを書く

ここまで来ると、記事の中身は9割型決まってきたので、ここからは締めの作業に入ります。まずは、続きを読んでもらうための導入文を書きます。

・自己紹介
・なぜこの記事を書きたいと思ったのか?
・どんな人に読んでほしいか?

といった前提情報を書くことが多いです。プレゼンや提案でいうところの、「与件の整理」をします。選んだテーマという土俵に読者の方を入れてあげるための文章とするのが重要です。逆に言うと、この記事で課題を解決出来ない人は離脱すると思いますが、それで良いんだという気持ちで書いています。

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↑この記事もかなり丁寧に土俵を引きました。

記事の冒頭が出来上がったら、最後に記事のまとめを書きます。

これまで作ってきた見出しごとに「結論」が存在するはずで、それがなおかつ「テーマ」とリンクしているはずです。Pixarの記事であれば「良いプロダクトを生み出す組織にしたい!」という課題を解決することを念頭に書いているので、

「良いプロダクトを生み出す組織にしたい!」そのためには〜(〜内は見出しを引用)必要があるということを述べてきました。日々の仕事でも〜を意識したいです。

といった形で、まとめてきた情報を「総ざらい」「次へつながる言葉」を紡いでいくのがまとめのコツです。

最後に:タイトルをコピーライティング

【30分で理解できる】ヒット作を生み出し続けるPIXAR流の企業文化の作り方

ClubhouseをUXデザイナーが分析してみる

Goodpatchを卒業します。UXと組織にひたすら向き合った4年間を振り返ります。

例に出した記事のタイトルは↑でした。意識することとしては

・課題(インサイト)に訴える言葉を入れる
・テーマが一発で理解出来るようにする
・内容が想像出来る言葉にする

くらいです。PIXAR記事はかなり長い記事になったのでその期待値を調整するためにも「30分で理解出来る」を入れました。

今振り返るとClubhouseの記事はちょっと弱いですね。

ClubhouseをUXデザイナーが分析してみる

大流行のClubhouseをUXデザイナーが独自の目線で分析してみる

とかにしてもよかったかもしれないですね笑

逆にアンチパターンとしては「〇〇に関して私の感じたこと」のようなタイトルで、これは「私」が超有名な場合で「私」自体が記事を読むモチベーション、トリガーになっている場合のみ効果的です。他の方はそもそもnoteを書いている「私」のことを知らないので、どんな課題を解決してくれるのか?何が書いてあるのか?に訴求してあげるのがタイトルのコツです。1行で撃つのがキモです。

タイトルの付け方は編集者の竹村さんの記事がとっても参考になります↓

おまけ:画竜点睛のアイキャッチ

最後はアイキャッチをつくってあげるのと、参考文献をリストにして、公開するのみです!
アイキャッチは最近はCanvaとかで作るのが楽ちんですが、Pixar記事はかなりこだわった内容にしたので、アイキャッチもフリー素材を組み合わせてKeynoteで自作しました。

以上になります!若干余談にはなりますが、記事を出す前に人に見てもらうのもとても大事です。僕も殆どの場合出す前に何人かの人に構成の段階でフィードバックをもらって、修正をしてから出します。記事もプロダクトと同様に、「刺さるか?」を検証しながら書いていき、満足のいくクオリティになったらドカンと出す!というのが大事なのかなと思います。

私自身、ものを書くということのプロではないです。普段はUXデザイナー・プロダクトマネージャーとして仕事をしています。(ですのでプロの皆さん、記事に対して忌憚なくご意見ください、、、笑)でもどんな仕事をしていても「文章」は仕事にはつきものです。メールなりSlackなり、プレゼンテーションなり、常に文章が隣にいます。この記事を読んでくださった方が、記事を書くなり、SNSで言語化するなりで日々の皆さんがより良いライティングを身に着け、日々の仕事が充実することを祈っています!

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