レート差のある相手と戦うのもアリじゃない?
対戦ゲームのオンラインマッチと言えばレーティングが付き物だ。実力の近い相手と戦ってこそ白熱した試合になるから、普通はレート差がなるべく小さくなるようマッチングする。
でも、レートの使い道は本当にそれだけだろうか。プレイヤーの任意で、一時的に格下・格上の相手と出会ってみたら何が起きるか考えたい。
格闘ゲームなど、成熟したジャンルの対戦ゲームは初心者に厳しい。オンライン対戦も最初から強者だらけでまともに勝てないという話を聞く。
そこで例えば、先輩ゲーマーが初心者相手に手加減して勝たせてあげる構造を作れないか。先輩はぎりぎり勝ったり負けたりするシチュエーションを作って、初心者の成長を促す。何らかのコミュニケーション機能を設けて、直接手ほどきしてあげるのもいい。
オンライン環境では初心者がほったらかしにされがち。人から学べる環境があれば、CPUと延々やり合うよりモチベーションを保ちやすいはずだ。
教えてもらう側は、手加減の上手い相手に何らかの評価(いいね!とかありがとう!とか)を送れるようにする。教え方の上手さを数値化し、ポイント集めで先輩側にもやりがいをもたらす。
レートの近いぎりぎりの実力勝負ばかりだと疲れてしまう。普段と違うやりとりが上手なプレイヤーにとっても息抜きになると思う。
レートをもっと活用したい
ガチな対戦ゲームは勝ち負けに執着して殺伐としやすく、初心者お断りの空気が醸成されやすい。勝率を追求するうちに色々なものを見失う。
レート差のある相手とマッチングすることで、いつでも初心を思い出して遊べる。下の面倒を見ることで得られるものは多い。新参を大事にする雰囲気をプレイヤー全体で共有し、対戦ゲームをもっと和やかにする。
黙々と勝ち負けを追求するだけがオンラインの使い道ではない。対戦はコミュニケーションだ。
レーティングは実力で人を明確に振り分ける。真ん中ぐらいのレートで頭打ちになったプレイヤーがコンプレックスを抱えたり、やる気を失ってやめてしまう話をネットでたまに聞く。でも中級者止まりの人なんていくらでもいる訳で、そこにストレスを感じる構造はどこかもったいない。
例えば、中途半端だからこそ初心者に上手にゲームを教えられる人もいるだろう。上級者の高い入力精度や知識量を前提に指導したところで初心者にはついていけない。上手いからこそ見えなくなる視点がある。
レーティングを活用し、自分の実力よりちょっと上の人と遊べる仕組みがあれば、あらゆる人が「程よい指導者」に出会えることになる。
レーティングはトップクラスのプレイヤーを抽出するためにある訳ではない。全てのプレイヤーにそれぞれの価値があって、それらを上手に結びつけるのが役割だ。
そう考えたら、オンライン対戦の可能性がちょっと広がらないだろうか。
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