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会計クイズに潜入したら想定以上に面白かった

ファイナンスラボに入って2ヶ月弱経過してようやくオフラインイベントに参加することができました。初参加は会計クイズです。なお自分自身は財務、会計周りは完全に素人です。

楽天とAmazon

アイスブレイクとして出題されてました。まず最初にパっと思いついたのは以下でした。

・Amazonは倉庫型であり仕入れが発生する
・楽天はモール型であり倉庫などを持たない

何故か自分の中で流通業に絞ってしまっていましたが、楽天は金融もやっているというところがポイントだったと思います。また、モール型の弱点の解説もあり、これを聞くとなかなか楽天がAmazonに勝てる要素が全然ないように思えます。

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しかも、Amazonの年間1兆円の有形固定資産への投資は規模が違いすぎてわけがわかりません。こういった背景も解説もあり、こういうところが会計に対する面白さを付加しているところかと思います。

PL/BS、利益の説明についても各部分のポイントを必要最小限でわかるようになっていて、説明がめちゃくちゃわかりやすいと思います。

問1 マクアケ、SanSan、三菱食品の貸借対照表

この3社の共通点が貸借対照表の形が似ているというところからの出題です。さすがにヒント前だとさっぱりわかりませんが、流動負債の内容などのヒントがあるとなんとなく見えてきます。

なぜ最近のベンチャー企業はサービス提供よりも現金が先に入る仕組みができあがっていたり、CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)がマイナスになるということが、ペッキングオーダー理論との関係性から説明されていたり、とてもわかりやすかったです。

学びのポイント

・クラウドファンディングは支援者から事前に預り金という形で資金調達している(流通額が増えるほど現金が増えていく)
・前受収益はSaaSなどに多い1年間の利用料金を先に貰うことで資金調達をする仕組み(有料会員数が増えるほど現金が増える)
・卸売業はCCCをマイナスにすることで取引すればするほど現金が増える(結果的にBSよりもPLが大きくなる)

問2 警備業界の連結損益計算書 

2問目は警備業界です。機械警備と常駐警備という業務形態を元にどのような特徴が損益計算書に現れるのかが出題になっています。 各企業の得意分野が明確に異なっているというところがポイントだったと思います。しかし、綜合警備保障とセントラル警備保障がどっちがどっちなのかは最終的には全くわかりませんでした。

学びポイント

全然知らない業界でしたが、その構造がとても面白いことになっているなと思いました。セコムの今後が心配です...

・警備業界は基本的には正社員比率が高い(バイトテロ対策や信用が必要なため)
・セコムの機械警備は一度入れるとほぼそのまま使い続けられるので入れれば入れるほど利益率はよくなり、原価率も下がる
・綜合警備保障は人が大量に必要になる労働集約型なので利益率はよくならない
・企業同士のセグメントがはっきりしているため業界構造が堅牢になっている

問3 会計の法改正問題

リース取引に関する法改正により、その前後で貸借対照表がどう変わったのかを答える問題でした。諸々初めて聞く用語が多かったですが、途中説明もあったので助かりました。

従来のリース会計では、ファイナンスリースではリース資産・負債はBSに計上し、オペレーティング・リースでは賃借料をPLに計上していたところを、オペレーティング・リースに関してもリース資産・負債をBSに計上するということになりました。これは、オペレーティングリースを採用する企業が多く実態を正確に財務諸表に反映できていないという課題から法改正があったそうです。つまり販管費ではなく資産計上するという形になったということのようです。

というわけで問題は実物比で表したBSからの出題でした。これは完全にオリエンタルランドとユニーファミマの2択なんじゃないかと推測してて、個人的にはオリエンタルランドを推していましたが...

学びのポイント

・ユニーファミマが全店舗数の内の半数以上で不動産を借りて運営しているため資産や負債が大きく膨れ上がった(実際の四半期報告書に記載されている額も確認)
・法改正によって保有資産の金額が大きい企業(ソフトバンクや伊藤忠などの物流系など)は影響が出ると想定される

問4 Youtuber事務所のUUUM

Youtuberを多く抱えるUUUMの損益計算書からの出題でした。ヒントとしては売上構成はアドセンスと広告収入が大半であり、そのうち一部をクリエイターへの支払いとして扱っているようです。これも自分は完全に間違えていましたが、他の方の力を借りて正解しました(笑。

学びのポイント

・UUUMの売上原価のほとんどが外注費になっている(つまりクリエイターへの支払いを売上原価として計上しているためそこが大きくなる)
・日本KFCHDの売上構成は直営店売上とFC店舗に対する食材の販売対価になっていて、原価もほとんどが食材費用(国内産を利用しているため?)
・ZOZOは預り金の中から手数料をもらいそれが売上高になる(取引から原価が発生しないので原価が小さい)

問5 東武鉄道の稼ぎ頭

事業別営業履歴の内訳からどの事業が稼ぎ頭なのかを問う出題でした。これも難しい...グラフを見るとセグメント利益率が圧倒しています。選択肢としては運輸事業、レジャー事業、不動産事業、小売事業のどれかということでした。個人的な予想は不動産事業でしたが見事に外れてました。

過去を遡って解説がありましたが、リーマンショックや東日本大震災などの予想外のできごとを乗り越えて財務体質を強化したり、資金調達をしたりと、東京スカイツリーに対する期待が伺えます。結果的に想定を大幅に上回る来場者によって営業利益も大幅に予想を超えるものになりました。

流れとしては王道なパターンとのことですが、ここまでトレースして解説を聞いたのは初めてだったので、とても興味深い内容だったと思います。

学びのポイント

・鉄道事業以外への多角化(線路沿いを開発することで利用客を増やす狙い)
・運輸事業は単純に運ぶ人が増えれば増えるほど利益率があがる(原価はほぼ固定で変わらないため)
・レジャー事業については一過性になりやすく徐々に下がっていく傾向にある

感想

問題自体がおもしろいですが、とにかく解説がわかりやすくてとても面白いので興味が増々湧いてきました。2020年度は財務周りの強化を図りたいので、目標の一つに入れようかと考えています。期末テストも頑張ります(12/29やる予定)。

instagramもとても勉強になるので必読です。


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