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用件は先に言ってほしい

入社したころの大先輩から「話があるから会いたい」と、久しぶりにメールが来た。「伺います!」と返すと「いや、そちらに伺おう」と。

当時、「怖い」イメージのあった大先輩には、福岡から東京に転勤した際、個別に送別会をしていただいた。引継ぎなどで、出張先の佐賀県唐津市の夜しか空いていなかったところ、唐津まで来ていただき「東京行ってもがんばれよ!」と透明なイカをご馳走してくれた。

そんな大先輩が、どんな用件なんだろう。

そして当日、少し緊張して会議室にお迎えすると「急に社長なんてやらされて困っていないか?助けられることがあればと思ってな」と。

大先輩はいつの間にか中小企業診断士の資格を取得し、何社もの経営診断をされていた。「ネット専業メディアの診断はしたことがないから、そういう分野で実績のある診断士を紹介しようか」ともご提案いただいた。

実は「早期退職の報告かも」と思っていた。失礼な後輩で申し訳ありません、その場で土下座したくなった。

結局「とりあえず、中小企業診断士の経営診断がどんなものかを知り、必要であれば自社の事業領域をよく知る診断士に依頼すればいい」と、大先輩が休日を使って、無償で経営診断をしてくれることになった。もう一人、これまた中小企業診断士になっていた大先輩も加わり、2名体制で経営診断がなされることになった。

本来の経営診断であれば実施されるはずの社長以外へのヒアリングもないし、提供データも不十分ながら、数度の面談を経て「経営診断報告書」が完成し、1時間半ほど説明を受けた。

「やっぱりそこが課題だな」とか「一般的にはそこに注目するのか」とか、ありがたい「経営診断報告書」がそこにあった。特に同業他社の分析は、手が回っていないところがあったのでありがたかった。いろいろな意味で宝物。

大先輩の期待にこたえたい。

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