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将棋ウォーズ初段になるためのぶっちゃけ講座(第3回;序盤レパートリーの構築)

序盤の重要性

初段になるにあたって、終盤が重要であることは(初段に限らず)間違いないんですけれど、序盤がどれぐらい重要かというのは諸説あります。ただ、戦法を固定してしまってできるだけ自分の土俵に誘導することは効果があるんじゃないかと思います。

ネットの対局では同じ人と何回も当たることは少ないので、奇襲とまでは言わないにしてもあまり主流でない戦法を採用することも効果的かもしれません(僕は、7七飛戦法以外は割とオーソドックスなレパートリーですが)。

棋風とレパートリー

よく言われる一般論かもですが、結局は、自分の棋風に合った戦法を選択するのが一番でしょう。まあ自分の棋風をちゃんと認識しているとも限らないので、好きな戦法を指すのでも良いと思います。モチベーションが続くことも重要なので。

それに沿って序盤のレパートリーを構築していけば、序盤で考える時間を短縮でき、またすぐに劣勢になることはないと思います。時間のない社会人がオールラウンドにいくつもの戦法を指しこなすのはほぼ不可能。

僕の場合

僕の場合、戦法としてこのような条件を満たしたいと思いレパートリーを構築しました。上に行くほど優先度が高いです。

  1. できれば玉をしっかり囲いたい

  2. 中盤のじわじわしたねじり合いになるのは避けたい

  3. 主導権を持って攻め込んでいきたい

  4. なるべく先手でも後手でも同じような局面に誘導したい

以上の条件から、石田流三間飛車をメインウェポンに選んでみました。まず前提として、現代の相居飛車だとしっかり囲ってから攻める展開にならないんですよね。矢倉は終わったとかつて言われたように、相矢倉に組んで先手から攻め込むことは無くなりましたし、かといって雁木も結構受け身の戦法なので。右四間飛車は当てはまるかも知れませんが相手が4筋をついてくれないと難しい。

一時期、居飛車を指して角換わり棒銀や米長流急戦矢倉で果敢に攻めてたことはあるんですけれど、玉が薄いので逆転負けが多発(攻めが切れて負けも多発)。そんなわけで、振り飛車で美濃囲いに囲おうという発想に至りました。ただ、角道を止めるノーマル振り飛車は受け身になる展開が多くて、主導権を取って攻めるにはゴキゲン中飛車や石田流三間飛車の方が合ってました。そのぶん乱戦になる変化は多いんですけど、そこは仕方ない。

もし先手でも後手でも同じ形というのを重視するなら、中飛車がおすすめです。プロ間では超速が優秀でゴキ中は厳しいことになってますが、超速も玉が薄いので初段程度の棋力同士ならむしろ振り飛車が勝ちやすいでもおかしくないと思います。

具体的な序盤レパートリー

僕は序盤の定跡を勉強するのが好きで、弱い初段にしては序盤には精通している方だと思います。そこで、僕の場合の指し手のパターンを書いてみます。あくまで僕はこうしてるというだけでこれが全ての人間にとって初段への最短の近道とは思ってません。各自で構築してみましょう。とはいえ、私は好きで構築してるだけなので、こんなにガチガチにやらんで良いと思う(笑。

先手の場合


先手の場合、かなり自分の想定する局面に誘導しやすいです。初手は▲7六歩。初手▲7八飛もありなのかも知れませんが、苦手な相振り飛車になりやすそうなのでオーソドックスな▲7六歩にしてます。

相手が△3四歩なら▲7五歩として石田流を目指します。これが、4手目にたくさんバリエーションがあって対応するのは結構大変です。そこでどうすれば良いか、具体的には次回の記事に書きます。

相手の2手目が△8四歩だと普通石田流にはできないのですが、5手目に▲7七飛と浮いて無理やり早石田を目指します。こちらの記事も参照。


後手でも石田流を目指します。4→3戦法という、一度△4二飛と途中下車してから玉形を安定させて3筋に回る戦法もあるのですが、先手石田流に対して2手損は厳しいと思い、欲張って直接△3二飛と回ることを目指します。ただこの棋力帯だとマイナーな序盤に対して思いっきり突っ張って乱戦にする人はあまりいないので、ちゃっかり石田流にできることは多いです。

飛車先をポンポンと突かれた時だけは仕方ないのでノーマル三間飛車にしています。

相手が角道を止めてきたときは、サブウェポンとして右四間飛車で攻めていくようにしています。右四間飛車も、上にあげたようにしっかり囲って主導権を持って攻めるという条件に合致しているんですよね。振り飛車党は振り飛車が嫌がる手をよく知っているので、居飛車を持っても結構やれる。

長くなってきたので、細かい対応の話は、おすすめの棋書等の話は次回以降でしていきたいと思います。

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