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手越祐也がゲーム業界にもたらしたもの

手越祐也緊急会見が128万人というYouTubeの視聴者数を記録し、WEBメディアからワイドショーから色々なところでジャニーズ退所にまつわる話がこすられていると思うので、この記事ではゲーム業界にとって彼がどんな存在になったのかという話を書く。

2020年2月、手越祐也がゲーム配信サービスのOPENRECの公式アンバサダーに就任するというニュースが流れた。ジャニーズ事務所所属タレントがゲーム番組を持つというのは異例で、しかも初回放送はライブ配信。荒野行動をプレイする動画で同時接続視聴者数は3万人を超えた

毎週日曜日の21時、世界の果てまでイッテQが終わった直後の配信で、「テレビに出ているスターが直後にファンの身近なところで」という演出も完璧。(番組が裏かぶりしないという業界ルールに沿いやすい時間帯だったのだろうけれど)

芸能人がゲームの番組のMCをつとめる、というのは2020年現在では珍しい話ではない。テレ東はアルコアンドピースの「勇者ああああ」と有吉弘行の「有吉ぃぃeeeee!そうだ!今からお前んチでゲームしない?」、日テレはDAIGO・武田 玲奈の「eGG」、テレ朝は山里亮太の「ReAL eSports News」といった具合だ。

OPENRECを運営するサイバーエージェントといえば、Abame TVでウルトラゲームスというチャンネルをつくり、芸能人を起用した番組を毎日放送していた。帯で常にゲーム番組を放送するという意欲的な取り組みだったが、わずか1年ほどで終了した。

芸能人がゲーム番組のMCをつとめることに新奇性がなくなり、eスポーツやゲームのコンテンツには世間が想像するほどには視聴者を稼ぐ魔法はかかっていないことが露呈し、ゲーム番組が流行るかどうかはプロデューサーやディレクターの腕次第という身もふたもない結論に至っているわけである。

「手越祐也のゲームしようぜ」はMC手越がさまざまなゲームに挑戦する、という内容で、テレビに出演するタレントやゲーム実況・配信者をゲストにキャスティングしている。本人がゲームが好きでゲームがうまいというのが番組最大の惹きである。そしてもちろん彼のアイドルとしての魅力も。

しかし個人的には第一回放送のような生放送が増えてほしいなと思っていた。ジャニーズという芸能界の花形タレントが、自分の極めてプライベートな部分であるゲームをプレイするということは、ゲーム業界にとっても、日本の芸能史においても大きな出来事だったからだ。

先日狩野英孝に関する記事でも書いたが、ゲーム配信はコミュニケーションだ。エンターテイメント世界におけるタレント活動、マーケティングの形態が波を打つように変化しているなかで、ゲーム配信はその媒体として大きな役割を果たそうとしている。例えば、次のアメリカ大統領選で候補者がゲーム配信をしても自分は驚かない。(なにせドナルド・トランプはTwitchにアカウントを持っているのだから!)

手越祐也が既存のゲーム番組のMCという敷かれた道だけではなく、ゲーム配信という、リスクとメリットが隣り合わせの領域で活躍してほしいと勝手に思っているのである。

噂はすでにあって、荒野行動のチームに所属したり、YouTubeの生配信に登場したなどとSNSで話題になっていた。直近ではチームαDの超無課金が発言をしており、追って発表があるというリプもついている。

OPENRECでは「手越ちゃんねる」が開設されて、最初は自撮りの配信だったが、これからチャンネルを利用してゲーム配信もするかもしれない。

芸能事務所のゲーム業界進出が喧しいなかで、手越祐也のOPENRECアンバサダー就任は大きな出来事だったし、事務所をやめたあともゲーム業界できっと活動してくれるはずなので、今後の動向が楽しみである。

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