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ホンダ トランザルプ600Vが想定外に素晴らしかった話

1990年過ぎだったと思うが、久しぶりに北海道にツーリングに行くためにバイクを買い替えようとあれこれしらべていたとき、ヤマハオートセンター府中店でみつけたのが、トランザルプ600Vだった。

白の大柄の車体で、アップライトの姿勢のマシンで、走りはどうなのかな、と思って、試乗させてもらったところ、低速からぐっとトルクがあり、中域までロケットのように加速するではないか。確実に750CCクラスの4気筒のスポーツマシンより中低速のトルクと瞬発力があった。これは良いということで早速36万円で購入した。

それまでは、GPz900RとかNSR250とか、スポーツ系マシンがバイクだと思ってきたが、この機材からツーリングには、今でいうアドベンチャー系マシンが適しているな、とわかって色々乗り継いてきた。 さらに大柄でラリー風の旧アフリカツイン750のRD04も乗ってきた。正直にいうと、走りで突出していたのはトランザルプ600Vであったと言っておこう。アフリカツイン750は100CCのエンジン容量が増えたのだが重量はもっと重くなっており、トランザルプ600Vの軽快感はなくなっていて、峠での走りで鈍重であり、また、重量ゆえにダートも走りにくくなったと思う。

ただ、トランザルプ600Vは、ダートも走れることは走れるが、軽量なオフ車には全く敵わないし、速度もスーパースポーツの様な高速域には対応できないマシンであった。しかし、シート位置が少し高く、前傾にならない姿勢で乗れることで視界がよく、先を見渡せ、危険を予知し易いし、中低速トルクが潤沢で通常速度域で非常に使いやすい。最高速も160ぐらいまでは問題なくでるので追い越しでも不都合はない。荷物も十分につめ、タンデムも可能。オフ車ジャンルでもあるので、傷と汚れを気にしなくて済むのが良かった。そして、このジャンルのマシンに乗っている人が非常に少なく気持ちが良かった。

 一方、身長170cmぐらいでは、脚付きは悪く、片足付きでバレリーナの様であり、乗ったまま後退できず、軽いマシンではなく取り回しは悪かった。このように1000CCクラスのアドベンチャーマシン、アフリカツインやバラデロ100クラスは、日常的に使うには大き過ぎるのだ。 さらに数年前から使っているR1150GSはさらに重いのだが、筋力維持、耐力維持の修行用としては非常に良い。

 なので1000CC越えのアドベンチャーではなく、トランザルプ600Vクラス、600−700CCのビッグオフ=中型アドベンチャーがでてくる気配があるので期待している。

 欧州にいくとトランザルプ700が街でよく見かけるが、あれがとても欲しいと思っているのだ。


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