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ドコモ新料金プランahamoアハモ、公正な競争は促されるのか

 本日午後2時に、NTTドコモから新料金プランであるahamoが発表されました。驚くほど安いプランであり、すべてのスマホユーザがahamoに流れ込んでしまうのではないかと思うほどの魅力的な内容です。

 プランの詳細の説明は割愛いたしますが、現時点で日本においてはもはやahamo一択となってしまった印象です。au、ソフトバンク、格安SIM事業者はahamo対応を迫られます。※詳細は上記リンクからご覧ください。

▼昨日もドコモの料金値下げについて書いています。▼

 これまで総務省がキャリアへ圧力をかけ続けた結果、ドコモは大盤振る舞いとも言える新料金プランになりますが、先日発表されていた「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」は一体何だったのでしょうか。また、これまで市場の競争促進ということで、第4のキャリアとして楽天の市場参入もありましたが、結局はドコモに叩き潰されておしまいになってしまう気がしています。

 MVNO事業者は辛うじてエコノミープランということで、生き延びるための糸がたらされておりますが、どのような回線提供となるのかはまだまだこれからだそうです。双方メリットのある話となるのだろうか。いずれにしても、ドコモが血を流してでもシェアを取りに行く姿勢が見てわかります。

 一消費者として、料金が安くなることは喜ばしいことですが、果たしてこれは総務省が掲げる公正な競争と言えるのでしょうか。以下は先日資料が公開されていた総務省の「モバイル市場の公正な競争環境の整備に向けたアクション・プラン」です。 

 第一、第三の柱は取り組むべき内容だと思います。しかし第2の柱「事業者間の公正な競争の促進」については、今回ahamoが発表されたことにより成り立たなくなる話なのではないかと思います。

 と言うのも、昨日のnoteでも書きましたが

・3大キャリア → 料金高い、サービス手厚く → ケータイ弱者
・楽天+格安SIM → 料金安い、サービス手薄 → ケータイ強者

 という形で既に棲み分けられていたと私は感じていました。携帯料金、MVNOにすれば十分に安いから、これ以上の過度な値引きは要らない、というのが私の考え。しかしahamoが突然出現したせいで、このバランスが一気に瓦解していくのだと思います。ahamoも並べてみます。

・3大キャリア → 料金高い、サービス手厚く → ケータイ弱者
・楽天+格安SIM → 料金安い、サービス手薄 → ケータイ強者
・ahamo → 料金超安い、サービス手薄 → 弱者も強者も使う

 超安いし、docomo to ahamoであれば乗換も簡単だし、他社からの乗り換えも手数料かからないし、良く分からないけど5Gも使えて、海外でも使えるなら、ちょっと手間がかかるけど頑張ってahamoに乗り換えよう。というケータイ弱者も出てくるに違いないと思います。これだけニュースになっていますし。

 つまりドコモも本気を出してしまった、ということになります。果たして、楽天モバイルは割り込める余地は残っているのだろうか。こうなってくると、これまで総務省が掲げてきた「公正な競争」は現実不可能で、楽天も格安SIMもドコモに屈することになってしまい、元の3社にまた収れんされていくのではないでしょうか。

 また忘れてはならないのが、これまでドコモはじめとするキャリアは高収益を上げてきたことは事実としてあります。しかし、電気・ガス・水道の次に重要な社会インフラ(もはや最重要かも)とも言えるモバイルネットワーク事業者を締め付けて、何が生まれるのか。

 国が自治体の水道局に、もっと安くできるだろ!努力しろ!と圧力をかけているのと同じように思えて仕方がありません。競争を促すことは大切ですが、無駄に過剰な値引き圧力はサービスを低下させ、未来への投資を先細らせてしまいかねません。

 5Gすら普及していないのに、世界に先駆けての6G開発・実用化を国は声高にしています。高収益を上げている企業だからこそ、研究開発を潤沢資金で行うことができますが、締め付けをうけている企業が5Gの敷設すら終わってもいないのに6Gの研究開発を行えるでしょうか。

 短期的目線で見ると、支出が減るので国民は喜びますが、長期的に見ると、国力の低下を招く一因でしかないのかもしれません。こういうのが大衆迎合とでも言うのでしょうか。ただの人気取りに過ぎない気がします。

 いずれにしても今回のahamoですが、来年3月からの提供開始を予定しているようですが、どのぐらいのユーザが流れ込むのかが注目されます。

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