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6月のサンタクロース。7月の自分。

今年も気づけば7月中旬。
あっという間に半分以上が過ぎ去り、2022年も残り半分になりました。

夏になると気温と反比例して読書熱が下がるんですが、そんな中読んでいたのが、
『サンタクロースを殺した。そして、キスをした』(ガガガ文庫)
犬君 雀さん作の小説です。
ライトノベル大賞で優秀賞を受賞した作品とのこと。
読後の感想は「ライト?」でした。

主人公の前に突如現れた少女と望まない願いのみを叶えることができるノート。ノートの力でクリスマスを消すために、主人公との不思議な関係がスタートする。

「望まない願いのみ」をかなえるので、少女は「クリスマスがなくなる」ことを「望まない願い」にしないといけない。
ということは、少女にとって本来、クリスマスは「消えてもいいもの」ということになる。
という設定が頭にはまると、作品の展開がぐっと近しいものになってきます。

この作品が発売されたのが、2020年の6月。
半年も前にクリスマスの話題の小説が発売されるのに違和感がありましたが、最後まで読んだとき、6月でもいいんだ。と思いました。

終盤の展開がライトノベルになる所以かとも思いましたが、無理なく張られた伏線がきれいに回収されていくのが心地よいと自分は思いました。

やり直せない時をやり直せる。
よくあるお話の展開ですが、最近は、やり直せない時をやり直してもいい結果ばかりとは限らない、というような展開も増えてきたように感じます。

できれば主人公と少女の時間は、やり直した後、幸せになってほしい。と思わせる一冊です。

2年前の6月にサンタクロースが世の中に放ったメッセージを2年と1か月後に受け取った7月の自分。やり直せない時を握りしめて、残りの半年がんばっていこうかなと思います。



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