微睡みの中で君を探している

少し冷たくなっていく空気が肌をすり減らす。

君が居なくなっても、

代わりはいくらでもいるんだよ。


(あの部屋もいつか、別の色で塗りつぶされて変わっていくの?最初から、私の居場所じゃなかったの?)

嗚呼、閻魔様!

このちっぽけな亡者の願いを聞き届け給う!

私のための地獄に、あの子を突き落としてくださいな!

終ぞ聞いたことのないあいことばに、

やれやれだか、首の骨が折れたようで、

頭がガクンと空を仰ぐ。

このまま雲みたいに流れて、

みんなが私を知らない場所に流れていきたい。

喉の奥からせり上げてくる叫びを殺す為、

つめたくなったミルクティーで蓋をした。

だけども急かされるうちに、

流し込む温度のない気休めほど、

哀しいものはないだろう。

焼ききれず残った骨の匂いを君が、

軽く服を払って落とすと、

それだけで消えてしまう、小さなお葬式が終わった秋、

私はなにも言わずに、ゆっくりとドアを閉める。

「エロイムエッサイム・エロイムエッサイム」

あの子はきっと天国気分、

藁人形に君の髪の毛を落とした。

20/09/27 01:39

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