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好きになるシリーズ 立ち上げ話 3

講談社サイエンティフィクには医療系向けの入門書「好きになるシリーズ」があります。https://www.kspub.co.jp/book/series/S070.html

シリーズ誕生のきっかけは、担当編集者の「生物学」は面白い!という気持ちからでした。
https://note.com/kspub/n/nd71c90d04faf

引き続き、『好きになる生物学』に関連して、著者との打ち合わせの話などをしていきたいと思います。

著者との打ち合わせ場所

本づくりをするにあたって、著者との打ち合わせは欠かせません。今はZOOMなど、WEBでの打ち合わせを活用する機会も増えましたが、20年前は「お会いする」のが当たり前の時代でした。
では、どこで打ち合わせをするのか?
先生の研究室(大学の先生はこのケースが多い)
・先生のご自宅(滅多にないです……。が、大学の偉い先生だとご自宅に人を呼ぶのも慣れていらっしゃるように感じました)
弊社の会議室または応接室(講談社サイエンティフィクには会議室と応接室があります。)

現在の弊社の会議室。横長です。

喫茶店(いろいろありすぎて、選択が案外難しい。先生に指定していただくことも多いです。落ち着いた場所が基本ですが、ときには「マック」を指定してきた著者もいらっしゃいました)
ホテルのロビー/もしくはロビーの喫茶スペース(混んでいるときも多い)
お食事できるところ(打ち合わせのあとにお食事することが前提で、お店を決めます。予算も考えながら、そこそこ落ち着いたところ、著者のお好みなど、本当に悩ましい…。先生にご紹介していただくことも多かったです)

喫茶室 滝沢

『好きになる生物学』の編集をした当時、私はまだ30代で、20代のころは某教育関連企業に勤めていて、その後、一時期、雑誌のフリーライターなどをして生計を立てていただけで、専門書の書籍編集者とのしての経験はほとんどありませんでした。
 当然、先生との打ち合わせ場所も、どこにすればいいのか、見当がつかず、当時の上司に聞いたり、ご執筆の経験の豊富な先生にお伺いして決めていました。
『好きになる生物学』の著者の吉田邦久先生は当時、駿台予備校関連のお仕事も続けていらっしゃったので、打ち合わせはお茶の水で行うことが多かったように記憶しています。打ち合わせ場所も吉田先生に決めていただくことがほとんどでした。その中でカルチャーショックを覚えた喫茶店が、今はなくなくなってしまった「喫茶室 滝沢」(お茶の水店)です。
 正直なところ、あまり鮮明には覚えていません。少々薄暗い蛍光灯の和風な店内。コーヒー1杯1000円 ウエイトレスさんの丁寧な接客。昆布茶のサービス。そして会計時には、たしか200円の謝恩券がいただけた…。
 利用客は、同じような出版関係者も多かったように覚えています。あと予備校生もいたような…。
 滝沢で著者と打ち合わせをすることで、少し書籍編集者っぽくなった気がしていました。

『好きになる生物学 第2版』そして『好きになるヒトの生物学』

話は飛びますが、お陰様で、『好きになる生物学』は15刷まで増刷を重ね、改訂版の『好きになる生物学 第2版』を2012年に刊行しました。
https://www.kspub.co.jp/book/detail/1541788.html

姉妹編に、ルポライターを目指して森からやってきた熊と先生との授業で展開する『好きになる人間生物学』(2004年)(改訂して『好きになるヒトの生物学』(2014年)があります。
 熊も医者を目指したり、ルポライターになったり、大変なことです…。

こちらはは4色刷。テーマは古くなってしまいましたが、変わらずに身近にある問題もあります。

ポッゲンドルフ錯視

『好きになるヒトの生物学』の5章(5月)は「こころは脳がつくるのか」というタイトルで、脳の機能とこころの働きについて、多角的に解説しています。
「脳はだまされやすい」というテーマでは、錯視にふれました。下記の案内板の図をみて、現在地から続く道は、右を指しているか、左を指しているか、わかりますでしょうか?

微妙な案内板のイラスト。

興味をもたれた方はぜひ書籍で続きを楽しんでください。

次回は、「好きになるシリーズ」の立ち上げとして、『好きになる免疫学』について、お伝えしたいと思います。

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