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白馬岳(残雪期)

ゴールデンウィーク、何かしようと思い、ソロテント泊で白馬岳にいくことにしました。パーティで行くときは車を使うことがほとんどですが、ソロだったのでバスを利用しました。
天気予報は概ね晴れか曇りで、悪くない状況でした。

1日目

早朝のバスで出発し、白馬に着いたのが昼ごろ。そこからゴンドラとロープウェイを利用して、栂池高原に着いたのが14時ごろ。

ゴンドラ

白馬大池でテント泊予定だったので早速そこに向かうことにしました。
ロープウェイ降りると雪がちらついて風も強く少し不安を感じました。
少し歩くと栂池山荘が見えてきます。ロープウェイに乗っていた人は皆、栂池山荘で泊まる予定らしくそこからは1人でした。

アイゼンを装着し登り始めたのはいいものの、風と雪でトレースがあまり見えず、GPSを頼りに次のポイントとなる天狗原を目指すことになりました。

途中、斜度の強いところを無理に上ろうとしてしまい息が上がってしまいました。久しぶりの登山だったということと、標高も少し高かったからか一度上がった呼吸が中々落ち着かず、若干の吐き気がしてきました。
とりあえず水と行動食を食べると少し気分が落ち着いたので再び進むことにしました。
しかし、雪と風はますます強くなり、視界も悪く、トレースは完全に消えてしまいました。また、腐りかけた雪に膝上まで足が沈み、体力が奪われ、想定よりも遅い進みとなっていました。
このまま、白馬大池を目指すのは天候も悪いし体調も良くないし、遭難するのでは、と少しですが命の危険を感じました。
テント装備はあったのでビバークをしようかと考えましたが、安全第一で考えると情けなさや恥ずかしさはあるけれど山荘にお願いして泊めてもらうのが一番だと思い引き返すことにしました。

引き返すと一度決めると、さっきまでの不安はなくなり、天候も心なしか良くなってきたような気がしました。
そこからは、山荘の人にどのようにお願いしようか、もし泊まれなかったらどこにテント張ろうか、などを考えていました。

山荘に着いて、泊めてくださいとお願いすると快くOKしてくれました。
お代を払って部屋に行くと浴衣もあるし、暖かいしで、最高の環境でした。
外を見るとさっきよりも吹雪いてきており、引き返してよかったと改めて思いました。

山荘

荷物を整理して、風呂に入って、明日の行程を見直すことにしました。
白馬岳まで行くのはほぼ不可能だと思ったので、テント場として考えていた白馬大池まで行って、いい景色見れたらそれでいいかくらいの緩い行程にしました。

2日目

翌朝4時、朝食を食べてロビーに向かうと2組のパーティも出発の準備をしていました。昨日トレースのない場所を歩く不安を味わったので、できればパーティの後ろを歩いて行きたいと思ったのですが、ソロの私が一番準備が早く終わったので、しかたなく最初に出発することに。

山荘前

山荘を出るとまだ薄暗く、少し進むと雪はふかふかで一切トレースがない状態でした。
不安はありましたが、昨夜、地図を見ながら傾斜が緩いところを確認していたので、そこを目指して歩き始めました。
天気は好転しており、自分が歩いたところしか足跡がないという感覚が冒険心を満たしてくれて不安な気持ちは無くなっていました。

足跡

登り始めると朝焼けに照らされた山々が見え始めました。

朝焼け
朝日
朝焼けた山

雪道も朝日に照らされてきらきらとしていました。

雪面

雪はところどころ深くなっていましたが息の上がらないように一定のペースで歩き続けました。

休憩

無事に天狗原に到着し、白馬乗鞍を目指します。

一面真っ白で足跡ひとつない白馬乗鞍を前にすると、あーこれが雪山かーと改めて当たり前の純粋な感想を抱きました。

地図を見ながらルートを想定して登り始めました。
最初は足もほとんど埋まることはなかったのですが、途中何箇所か膝上まで埋まることもあり、ラッセルをしながら進むことになりました。
いつもトレースを何も考えずに歩いていた私にとってラッセルをしながら道を作っていくのはかなり大変な作業でした。
少し進んでは休憩してGPSを確認して、というのを何回か繰り返して、なんとか山頂に辿り着けました。

山頂に着くころには体力をかなり消耗しており、昨日考えたルートすら無理かもしれない。と思いました。ただ、昨日とは違って時間もあるし、無理せず下山しようという考えが念頭にあるので不安はありませんでした。

白馬乗鞍から白馬大池までのルートは降りですが足が埋まる箇所が多く、またこれを上がってくると思うとここら辺で引き返した方が良い気がしてきました。

引き返したところ

ただ、すぐに引き返すのは勿体無いと思ったので、積雪している時にしか行けないようなところに行っていろんな写真を撮ってから引き返しました。

雪縞
遠くの山

白馬乗鞍を下山しようとすると、私が作ったルートを他の登山者も使っており、踏み固められてはっきりとしたトレースになっていました。
自分が作った道をみんなが歩いているというなんとも言えない嬉しい気持ちを味わうことができました。

トレース(左側が降り、右側が登り)

天狗原を下る頃には、バックカントリーを楽しみに来ている人が大勢登ってきており、昨日、天候が悪くて引き返した場所がこんなに賑やかになるとはと、ギャップに驚きました。

バックカントリーの人

その後無事下山しました。

今回の登山は反省点がたくさんあります。
みなさんも登山は安全に楽しむようにしてください。



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