若年社会人、修士留学の資金工面する
今回は主に「23-34歳ぐらいの社会人」を前提として、修士の海外留学における資金工面(主に給付奨学金獲得)のありうる戦略をまとめていきます。なぜこの年齢レンジかというと、新卒時の年齢が大体23歳、そしてJASSO給付奨学金(修士)の年齢上限が35歳未満だからです。
“社会人”という言葉はあまり好みではないですが、ここでは現在就業が主の人として、便宜的に使用します。
結論から書くと、個人的には「26-29歳」が修士留学 資金工面のゴールデンタイムなのではないかと踏んでいます。理由は後述します。
僕は新卒入社した企業を27歳で退職し、いまは授業料100%免除+奨学金という多大なご支援をいただくことで、フィンランドにあるアアルト大学の修士課程に在籍できています。改めてご支援者様に感謝申し上げます。
僕のいただいてる奨学金は以下の通りです。
①フィンランド政府奨学金 (授業料100%免除+インセンティブ)
②JASSO 大学院学位取得型 (奨学金のみ) *本来は授業料もカバーされます
③埼玉発世界行き奨学金 学位取得コース
※なお細かな支給金額などは諸条件によって異なる為、各募集要項などでご確認ください。
社会人留学とライフプラン
何歳だろうとなんでもできる。これは事実だと思います。とはいえ、僕は時に理想的なライフプランを追ってしまうことがあります。それが想像通りにならずとも、なにも絶望する必要はないですが、でもやっぱり理想を追ってしまう。少なくとも僕はそういうタイプの人間です。
これは僕が留学を開始できたからこそ言える雑なアドバイスですが、修士留学にかかるはお金は「後からついてくるもの」と一旦割り切りましょう。なのでまずは“何歳までに”留学を開始するのが自分の理想なのかを決め、直近のアプリケーション提出に向けて動きはじめましょう。
その理由は2つあります。
・そもそも合格しないことには留学できない
・お金どうしようと悩んでる間に歳を取る(時間を借りることはできない)
例えば…【現在24歳で、28歳までには修士留学開始が理想】の場合
●25歳:語学スコアが獲得できたが、大学院にも奨学金にも受からなかった
→そもそも進学できないのでお金のことを考える必要なし
●26歳:大学院には受かったが、奨学金には受からなかった
→大学院には資金が用意できず辞退すると伝え、留学はペンディング
※場合によってはここで何かお金が降ってくる可能性もあり得る
●27歳:大学院にも奨学金にも受かった
→理想の28歳よりも1年早く留学開始
このシナリオだと26歳のシーンは悔しいとは思いますが、理想の留学開始年齢が28歳だったことからいうと、まだ全然それを叶えられます(無論、別に何歳になったとて修士留学はできますが)。
また大学院側からすると、去年合格を出した候補者がまた出願してきたということを、マイナスに捉えることがあるでしょうか。去年受かったからまた受かるという確証はないですが、少なくともマイナスに働く可能性は極めて低いと僕は考えていますし、去年の辞退理由を鑑みて何かしらのオファーを加えてくれる可能性すらあるかもしれません。
なぜ26-29歳がゴールデンタイムか
断りとして、これはあくまで僕個人の意見です。
ただある程度レピュテーションの高い大学院に受かる、そして奨学金をいただくには実績(経験)があるに越したことはないです。特に公的機関からいただく奨学金は大前提として「ご支援者からの投資」です。ゆえに、奨学金の応募書類や面接は、その投資を受けるためのデューデリジェンス(価値・リスク調査)とも言えるかもしれません。
またJASSOの大学院学位取得型は35歳未満を年齢上限としていますが、他の奨学金では「29歳以下が望ましい」「30歳以下であること」などの文言があるところも少なくありません。年齢でその人物を推し量るのはナンセンスですが、特に日本国内にある大学院留学奨学金には一定の年齢上限があるのも現実です。(年功序列賃金が未だ根付く日本では、30歳超えてれば自己資金や勤務先資金でという空気もあるのかもしれません)
これを踏まえると、少々冷たく感じますが「年齢と実績(経験)」という二つの要素が奨学金を獲得するにあたっての重要なパラメーターです。海外の大学側や政府が提供するものは、おそらく後者の比重が重いかもしれません。
これを踏まえ「奨学金の応募条件をクリアしやすい年齢」を29歳以下と仮定し、「有用な実績(経験)が溜まってくる年齢」を新卒3年後の26-27歳頃と仮定します。すると結果として26-29歳が、特に奨学金による資金工面のゴールデンタイムなのではないかと僕個人は思っています。
ゴールデンタイムの注意書き
ただしこのゴールデンタイムには注意書きがあります。それは年齢ではなく実績(経験)です。年齢は時間が経過すれば重なりますが、実績(経験)はそうではありません。かく言う僕も特段誰かに誇れるような実績はありません。(あれば学部卒業後すぐに修士留学できていたと思います)
ただ例えば、グローバルな環境で実際に働いた経験や、実際にビジネスをする中で感じた具体的な課題感を、研究計画に落とし込むことで、奨学金審査の主な競合となるいわゆる“現役大学生”に対して優位性を作りやすかったのは事実だと思われます。言い換えれば、仕事での実績(経験)が留学意義や研究計画を"絵に描いた餅”にさせないというのが、この年齢レンジがゴールデンタイムたる所以です。
したがって「若手でも能動的に実績(経験)を蓄積できる」といった文化や仕組みのない職場では、年齢に比例して、作業者としての時間が増えるだけとなり、このゴールデンタイムをつかむことが難しくなります。そこで「どこで/どのように働くのか」という選択も重要になると思われます。
また修士留学を機に、専門領域として大きなキャリアチェンジを試みる場合でも、これまで積んだ実績(経験)とのつながりを示れば、このゴールデンタイムを最大化できるかもしれません。
今後もタイミングあれば、僕がいまご支援をいただいている奨学金について個別の記事を出せれば出していきます👋
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