見出し画像

英語の発音のコツは「口を大きく開けない」

英語の発音のコツは「口を大きく開けない」


英語の発音を上手くなりたい人は多いかと思います。
英語の発音と一言で言っても、大きく分けると、「アメリカ英語」と「イギリス英語」があります。
そして、それらの国の中でも、いろいろなアクセント(訛り)があります。
日本語に「標準語」は存在しますが、英語に「標準語」は存在しません。
僕たち、日本人は、学校教育でアメリカ英語を学びます。
ハリウッド映画の影響もあり、アメリカ英語に憧れ、アメリカ英語を学びたがる日本人は多いです。
しかし、世界では、英語の発祥はイギリスであるため、イギリス英語を学びたがる人も多いです。
また、イギリス英語の発音は日本語の発音に近いため、「日本人はイギリス英語を学ぶべきだ」と言う人もいたりします。

僕は、今まで、アメリカに1年、オーストラリアに2年住み、たくさんの外国人と出会ってきました。
もし、僕が次のような質問を受けたとします。
「アメリカ英語とイギリス英語、どっちを練習した方がいい?」

僕の答えはこうです。
「そんなのは、どっちでもいいから、伝わる英語を練習するべきだよ。」

世の中には、いろいろな英語が存在するのです。
スウェーデン人の英語、ドイツ人の英語、フランス人の英語、インド人の英語。
数え出したらキリがありません。
会話の目的は、「コミュニケーションを取ること」です。
伝われば、何でもいいのです。
しかし、この「伝われば」
ここが重要なんです。
なぜなら、日本人の英語は伝わらないからです。
日本人のアクセント(訛り)はクセがあり過ぎるからです。
極端な話、英語で喋っても、英語だと認識されない、なんてこともあるでしょう。
僕もアクセント(訛り)の強いフランス人の英語を聞き、英語ではないと思ったことがあります。
要するに僕が言いたいことは、アメリカ英語かイギリス英語かを迷うのではなく、
「日本語のアクセント(訛り)をなくすことに全力を尽くすべきだ」
ということです。

では、アクセント(訛り)をなくすには、具体的に、どうすれば良いのでしょうか?
上にも書いた通り、日本人の英語は、ネイティブからして、とても聞き取りづらいのです。
その理由は、

・シラブル(音節)が意識されていない
・単語にアクセント(強音)が置かれない

この2つがとても大きいです。

ヨーロッパ圏の人は初めから、母国語の発声により、上記の問題はクリアしています。
しかし、日本語には、シラブルもアクセント(強音)もないため、日本人は、まずは、ここをクリアしなければなりません。
日本人の英語は、平坦で、アクセント(強音)がないため、単語の区切りがわからず、とてもわかりづらいのです。
アメリカ英語の「R」の練習なんて、これらのことから比べれば、どうでもいいのです。
そのくらいシラブルとアクセントは重要です。

シラブルとは、単語内の音の1かたまりです。
例えば、Englishであれば、Eng・lishの2シラブルからできています。
そして、初めの「E」にアクセント(強音)が置かれます。

このようなことを全ての単語において、意識しなければなりません。

例えば、PianoのはPi・a・noの3シラブルで、アクセント「a」に置かれます。
シラブルの意識はもちろん、アクセントが「a」に置かれなかっただけで、ネイティブには伝わらないのです。
日本語では「ピアノ」ですが、「ア」にアクセントを置くことにより、「ピアーノウ」となります。
ピアノと言うくらいなら、ピアーノウと言ってしまった方が伝わるはずです。
もちろん、ピアーノウとカタカナで覚える必要はありません。
シラブルとアクセントの位置を覚え、きちんと発音すれば、自動的にそうなります。
そして、シラブルとアクセントには、パターンがあるので、思うほど難しくはないでしょう。
慣れてしまえば、感覚でわかります。
わからなければ、辞書に載っているので調べます。
初めのうちは、意識していないと、シラブルもアクセントもない、日本人の発音に戻ってしまうので、「知る」だけでなく、「使い慣れる」ことがより重要です。

シラブルとアクセントを意識して発声し始めると、ある時にこう思うはずです。
「なんか、発声しづらいなー。ほんとにネイティブは、こんなめんどくさい発声してるのかなー?」
これは、良い傾向です。
発声しづらいということは、ネイティブの発音に近づいてきた(日本人の発音と離れてきた)ということです。
しかし、「発声しづらい」、これは、別の問題も出て来ています。
それは、「日本語の発声方法で、英語を発声しようとしているからです」
日本語の発声方法と英語の発声方法は違います。

ここで、やっとタイトルに書いた話になりました。
英語を話す時は、

「口を大きく開けない」

のです。
これを意識してみて下さい。
なぜか、日本人の英語の先生は、「口を大きく開けて、ハッキリと発音しよう」みたいに教える人が多い気がします。
それは全く逆です。
日本語は口を大きく開けて(動かして)発音をしますが、英語は口はほとんど開けず(動かさず)発音します。

僕の感覚的なイメージになってしまうのですが、
日本語は口を大きく開けて(動かして)、言葉を口から前に出すようなイメージ。
英語は、口はほとんど開けずに発声して、口の中の上(前歯の付け根より奥)に声を当てる(同時にのどの奥にも響く)ようなイメージ(あくまでイメージ)です。
感覚的には、上下の奥歯はほとんど近づいたままです。

ヨーロッパ圏の言葉は、この発声方法なのです。
ヨーロッパは寒い地域が多いため、口を大きく開けずに自分の意志を伝えられる、この発声方法が広まったという話もあります。
僕は、発音トレーナーではないので、こうしろとか、具体的な説明をここでできたりはしませんが、僕がここで伝えたいのは、
「日本語の発声方法は捨て、英語の発声方法をゼロから身に付けよう」
ということです。

冒頭でアメリカ英語の「R」は学ぶ必要はないと書きましたが、自分の発音を調べるには使えます。
なぜなら、日本語の発声方法では、アメリカ英語の「R」の発音はできないからです。

いろいろ書きましたが、再度、重要なことを書きます。

・シラブルを意識する
・アクセント(強音)を置く

そして、
・口を大きく開けない

発音練習については、英文をただ声に出して読む「音読」がとても有効です。
僕は死ぬほど、音読をしてきました。

そして、断言します。

自分の発声がネイティブに近づけば近づくほど、ネイティブの発音がクリアに聞こえてきます。
日本人に英語の限界はありません。
ただ、スタート地点が遠かっただけです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?