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小田原 城ものがたり

小田原のお城といえば小田原城。小田原駅東口からお堀端通りを直進し、城内に入ったら天守に登って、そのまま駅に戻る。そんな感じではなかろうか。それではもったいない。
小田原城を中心とした歴史を感じて歩き回ることで街の全体像を堪能して欲しいと思います。今回は小田原城の歴史ストーリーと街歩きスポットをご紹介します。

1.小田原城の歴史

現在の小田原城は江戸時代に作られた近世城郭の様式になっていますが、その前は後北条氏が整備した「土の城」でした。その範囲は広く小田原の街をすっぽり包み込むような大きさでした。
というより、総構といい空堀で住民と街を守っていたのが小田原城でした。総構の詳細とマップはこちらをご覧ください。

いわゆる「豊臣秀吉の小田原征伐」から守るために総構の全体像は完成したと言われています。その時の小田原評定という言葉ですっかりおなじみになり、後北条氏と言えば「情けない」「優柔不断」という印象が多いのではないでしょうか。実は、戦国時代にあって初代「北条早雲」から五代にわたりこの小田原城を中心として関東全域を支配するほど活躍した一族でした。

この後北条氏の歴史を知るには小説「北条五代」を読んでみましょう。
歴史小説「天地人」で有名な火坂雅志氏が執筆し、執筆中にお亡くなりになったためその遺志を受け継ぎ伊東潤氏が完成させた小説です。

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小田原征伐の後、大久保氏・稲葉氏が城主となり今の小田原城の発展につながりました。ちなみに、有名な春日局は稲葉氏出身です。そのため、小田原の街には春日局にまつわる史跡があります。

2.小田原の街を歩く

まずは定番通り、お堀端通りを進んで馬出門から入り、小田原城の中心である天守を目指しましょう。

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馬出門の次に見えるのがこの銅門(あかがねもん)です。立派で重厚な作り!近世城郭によくみられる枡形門です。さすが徳川の城、という豪華さを感じてください。

天守まで到着したら一休みして一度「銅門」の手前くらいまで戻ってください。そこから右側に抜けると南入口から城外に出られます。出口を出たらさらに水堀沿いに右側に進みJRの線路を超え、さらに競輪場の横を通って長い坂を登って行きます。すると城山公園に到着します。その一角に「小峯御鐘ノ台大堀切」があります。

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先ほど書いた「総構」の遺構です。街を守っていた巨大な空堀の跡地です。その深さに圧倒されます。こんな堀で街全域をぐるっと囲っていたと思うと、感無量です。

総構を堪能したら、今度は「八幡山古郭東曲輪」まで戻ります。ここは初代北条早雲が城主だったころの中心地のひとつだったようです。小高い丘から今の小田原城天守を眺めることができて時代の流れを感じることができるでしょう。

03-01小田原城

私はここで城見酒をするのが定番です(笑)

最後は小田原駅の西口に出て「北条早雲像」を拝んで終了です。もし時間があるようでしたら、バスで石垣山一夜城にも行ってみてください。ここは豊臣秀吉が小田原征伐の際に築いた城跡です。ここから小田原城も見ることができて、まさしく攻め側の気持ちになれます。

3.まとめ

よく城マニアたちは「天守だけが城じゃない!」と鼻息あらく語ると思います。かく言う私も以前はそんな調子でした。笑
では、天守だけではないお城を感じるにはどこに行けばよいの?といわれれば私は「小田原城がおススメ!」と答えるでしょう。

「小田原征伐」という有名な大事件。その歴史・ストーリーを感じ取ることができる痕跡が街のいたるところに存在します。そんな関東屈指の城下町「小田原」にみなさんも行ってみませんか?


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