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戸山高校ブラスバンド部のみなさんへ(お礼)

春のコンサートで久し振りに僕が編曲した楽譜を使っていただきました。

練習にお邪魔して部員の皆さんに直接お話をとも思いましたが貴重な皆さんの時間は他に使っていただければと思いました。

noteで公開するような事ではないかもしれません。一般の方にも参考になればと思いこちらに記しますことをお許しください。

まずは久し振りに楽譜使用のお問い合わせを頂いたこと、とても嬉しかったです。ありがとうございます。

そして、コンサート終了後すぐにご報告のメールを頂いたことにも感謝です。戸山ブラス以外でこういう基本的なやり取りがままならない事もあったので有難いです。老婆心ながら今後もこの姿勢を続けて頂けますと嬉しく思います。

さて、一番お伝えしたい事はここからです。

僕は吹奏楽曲やビックバンドの編曲を専門的に勉強したことがありません。吹奏楽やビックバンドの中で演奏した事は沢山ありますので、その記憶や色々な音楽を聴いてきた勘、そして近年は些少ながらプロの現場で管楽器の編曲と向き合ってきた経験も踏まえて楽譜を書いています。吹奏楽ではホルンを吹いていました。

合奏というのは物体と物体が共鳴しているので、ピアノで確認したりパソコンで楽譜をプレイバックしただけでは分からないことが沢山あります。

ここで管弦楽法のように過去のずば抜けた音楽家達により積み上げられ獲得して来た合奏曲の組み立て方の登場となります。

書法を学んでもそれで良いスコアが書けるとも限らないと思います。ビックバンドをやっている人なら絶対知っているサド・ジョーンズのスコアのレベルになるともう「アタマの中にあの音が鳴ってないと書けない」とエリック・ミヤシロさんがおっしゃっていました。確かに音楽とはそういうものだと思います。

有名なガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」の管弦楽のスコアは実はガーシュウィン本人ではなく、グローフェというアメリカの音楽家が書いています。確かガーシュウィンが書いたけどグローフェが直したという感じだったと思います。この話は恥ずかしながら数年前に知りました。オーケストレーションってそのくらい専門技術なのだなと思い知らされました。

ガーシュウィンは既にヒット曲を連発する大作曲家になっていました。それでもラヴェルナディア・ブーランジェに学ぼうとします。この願いは叶わずに39年の短い生涯を終えます。

僕をガーシュウィンと重ねるのは変な話になりまが、合奏曲を書くのは特別なスキルで、少なくとも単に音を楽器に割り振るだけの作業ではないということが分かります。

僕の編曲の話しに戻ります。いま皆さんの手元にある僕の楽譜は僕が戸山高校在学中から大学院(東京工業大学大学院建築学専攻修了です)を出て数年くらいの間に書いたものです。

当時は書いた楽譜が音になるだけでそれはもう楽しかったです。今もそうですね😊その後書き直したものもありますが、それでも楽譜としてはどうなんでしょう…

当時の編曲のアイデアや企画的な事は今でも胸を張って皆さんと向き合えるものもあります。ですがその響き、バンドの鳴りについては僕の今持っているスキルではどうしようもないものも残念ながらあります。

一流の楽譜に触れて頂きたいという願いもあって一時期もう僕の譜面は使わないで欲しいとお願いした事もありました。

それでも最近は僕の考え方や生き方も変わって来て、何が正しいかより何が楽しいかを優先するのもいいものだなと思うようになって来ました。

だから現役のみなさんも編曲したい人はどんどん書いてくださいね。誰でもはじめは初心者です。

僕の楽譜は大きく分けると完全に書き下ろした楽譜と、既存のビックバンドの楽譜に付け足したような楽譜があります。後者は被害(笑)も少ないのではと思っています。いや、逆かな…ちょっと分かりません。ユーフォニアムとかどうすればいいのかいまだに分かりません😊。

昭和音大の僕がレッスンしている部屋のはす向かいには後藤洋先生もいらっしゃるのに…勇気を出して質問すればいいのかな。。後藤先生とすれ違うといつもわくわくします。

みんなありがとう。

この「Inside the Score」は僕がプロのビックバンドの編曲を引き受けて困っていた時にエリックさんにすすめて頂いた参考書です。とてもいいです!


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