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「東京2020に関わる」という夢路をSMARTに振り返る


皆さん、お久しぶりです。

Kahoです。


いまさらながら一ヶ月以上前に閉幕した
東京2020オリンピック・パラリンピックの振り返りをします。


このnote、ドイツにいた頃に書いていたので
結局オリパラとの関わりはどうなったのか
文字で残したほうがいいと思って。


いまさらながらと言いながらも、パラ閉幕後、
時差で体調を崩し1週間本気で寝込み&
中学生くらいから見たことなかった体重を叩き出して、
そのまま本業がピークを迎えてしまい、あっという間に
気がついたら10月も後半に入ってしまい28歳の一年も大詰め。


と、いってもすでにパラ振り返り記事を知り合いの記者さんに
書いていただいたのでどう振り返ろう。。。
(と、無理やり記事の宣伝をいれる)


今回は、パラのことではなくて
自分自身のキャリアと交えて考えることにしてみよう。



2013年9月に東京大会の招致が決まったときの私は、

・スポーツでキャリア構築は目指していたもののいまいち何が専門にできるか明確ではなかった。
・とりあえずスポーツで仕事したいなら英語を勉強したほうがいいと言われたので留学や海外ひとり旅をしまくっていた。
・とりあえずアメリカのスポーツビジネスを追いまくっていた。

時期で、目標が明確でなかったので一番人間としては余裕のなかった頃。笑


そんな中招致が決まり、
「7年後か〜、27歳。関われるかな?」と、
とりあえずここにひとまずキャリア最初のゴールを置くことを決意。


この分析に使うSMARTゴールとは何か。
Specific・・・具体的である
Measurable・・・計測可能である
Achievable・・・達成可能である
Relevant・・・適切である
Time bound・・・期限付きである
日本語訳参考URLはこちら
※目標設定するツールなので評価の分析ツールではない(と思うけど使う)


では、SMARTな分析を7+1年間のいくつかのタイミングでやってみよう。



2013年時点ー大学3回生(関西なので)

何をどうできるかまだ明確ではなかった期。

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↑あれ、行ったことないと思っていたけど旧国立見学していたようだの図。


Specific・・・✗
うーん。どう関わりたいかは、東京から遠く離れた京都の学生の自分では明確ではなかったので✗。

Measurable・・・○
「関わる」というざっくりな目標だけど、関われればOKなわけだから○な気がする。

Achievable・・・✗
27歳のマックス社会人歴5年の若造がどうこの世界最大イベントに携われるのか、全く自信も繋がりもなかった。そもそも新卒でスポーツ業界で働くことすら難しいのにできるんかい。

Relevant・・・△
自分の掲げる「スポーツを通じて豊かな社会をつくる」軸としてみると大きなインパクトのあるイベントではあるが、実際「豊かな社会形成のため」のこのゴールの作用は明確ではなかった。

Time bound・・・◎
これだけは明確に2020年9月に終わるのでGreat(終わらなかったけど)。


2016年時点ー大学院修士1年

チャンスがあることは明確になった期。

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↑リオ大会で訪問したジャパンハウスで記念撮影の図。


Specific・・・△
大学院の指導教員の先生との一番最初の面談に「就職どこにしたいの?」と言われ、とりあえず組織委員会が大会に関わるためには一番理想と思いつつ、英語を使った修士プログラムであるがゆえ何を思ったか「IOC(国際オリンピック委員会)とかいけたらいいですよね〜」と答える謎のビックマウス期。しかしその3ヶ月後、IPC(国際パラリンピック委員会)のボランティアとしてリオ大会に行くことに(なのでとりあえず目標を言葉にすることは大切だと思った笑)。ここからとりあえずフォーカスが「パラ」になった気がする。

Measurable・・・○
上記で書いたように組織委員会かな〜と思うようになる。

Achievable・・・△
東京に来て(実際つくばやけど)、確実にスポーツ界の知人は増えて、組織委員会の方と意見交換させていただく機会もあったので近づいて来た感はあった。

Relevant・・・○
リオでのパラリンピック参加を期に、パラの持つ力に魅了(別記事参照)され、パラは自分の軸に対するツールになると認識するようになった。

Time bound・・・◎
これだけは明確に2020年9月に終わるのでGreat(終わらなかったけど)。


2018年時点ー新卒 in ドイツ

現実が見えてきて夢が少し遠ざかった期。

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↑今はなき旧アギトスオフィスへのお引越し日でのマルチタスキングの図(上司写真とってんと電話でるか抑えるかデスク上の雪崩をとめてほしかったけど写真は今回採用)。


Specific・・・△
「パラリンピック×教育×国際団体という立場」ってところまでゴールが絞り込めたので△。大学院進学時に掲げた「専門性」としても、リオでのボランティア→インターンを経てIPCに唯一の日本人フルタイム職員として乗り込めたのは大きな一歩だった。でもそもそもこのゴールの重大なミスに気づく(以下参照)。

Measurable・・・✗
就活期は割愛しましたが、IPCでのボランティアとインターンを経て、「せっかく機会があるのだから」と高みを目指すようになり(なんならリオの閉会式が大会を締めくくるものとしてかなり感動的だったものから気になってた)、IPCに来たけど、「大会に関わる」の定義についてここで大きなミスに気づく。

1.IPCって大会だけではない。
パラリンピックってめっちゃ大きい大会だけど、IPCにとって大会は「4年に1回くるもの」なのである。その4年サイクルの間は目まぐるしく進むスポーツカレンダー、さまざまなステークホルダーとの関わり、そして担当であった教育プログラムはそもそも競技に直接関係ない。そして「日本」も私が教育プログラムでメンタリングをする35カ国のうちの「一つ」に過ぎなかった。
つまりあくまでも大会はパラリンピック・ムーブメントを国際展開していくうちの1つのチャネルで、そのムーブメントを統括するIPCには大会以外にも山程やらなければならないことがあったのだ。

2.大会には関わっているけどいまのままなら大会にはいけない。
東京大会のレガシーの一つとして語り継がれるだろうパラリンピック教育。ここの推進には、日本ーIPC間の調整で携わり、組織委員会にもIPCの教育FAとしてメンタリングを続けた。めちゃくちゃ大会に関わっている。でも関わっているけど、気づいたのである。これって全くGames-timeのオペレーションには関わらないので、東京にそもそも行けないと。

ここで、自分は「東京大会に直接IPC職員として行きたい」と気づく。

Achievable・・・△
主催団体にはいるのに、近くて遠いパラリンピック。。。

Relevant・・・○
教育を通じて、パラファンだけではなくさらに広いグループ、子どもたちにアプローチできているなんて最高やん(けど本部業務だったので現場遠かったなぁ)。

Time bound・・・◎
これだけは明確に2020年9月に終わるのでGreat(終わらなかったけど)。


2020年時点ー延期決定前後から転職決定まで

すぐそこまで夢が近づいたのに自分のコントロールできない部分で結局遠ざかった期。

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↑後にも先にもメイティさんに会えた唯一の日。コロナ前オフィス最後の出勤日(つまり混み合ったオフィスはほんまに最後やったのだ)。


Specific・・・○
そう、大会延期が決定した数週間前、後にこのゴールの結果として担当したI'mPOSSIBLEアワードの専属スタッフとして昇進の契約書にサインしたのだ。このアワードは閉会式の一部なのでもちろん大会のオペレーションに関わるプロジェクトである(喜)。


Measurable・・・○
一段上にいけばもちろん欲もでるので、自分がドイツでしている仕事を日本の家族や友人にも実際に見てほしいと考えるようになる。


Achievable・・・△
大会さえあれば、ね。

Relevant・・・◎
担当の教育プログラムのアワードなんて超ソーシャル的魅力のあるもの、大会中にできるなんて最&高。


Time bound・・・△
大会は絶対にあると思っていたけど、あれおかしいぞ?延期?中止?


と、言う感じでゴール達成の目前まで来たのですが、


・大会の延期が決まったことにより、ドイツで孤独な生活を続けるにはコロナ+あと1年はハードルが高すぎた。
・現職の公募が出ていて、「あと1年東京に関わりたいから」と逃すのは惜しいくらいやりたい仕事だった。
・やりたい仕事が次できるなら、アワードの立ち上げ・選考も超一生懸命やったからもう良いかなと思えた。


ということで転職を決意。


とてもドタバタな退職になってしまったけど、
同僚たちは次のステップへいくことをとても応援してくれたし、東京での再会を楽しみにしてくれた。


まぁ、もちろん東京関わりたい気持ちはあるので、最後の最後まで
「アワード手伝えるなら手伝うからね!!!!」と伝え帰国。


そして結果的に帰国後1ヶ月もしない間に
アワードのコンサル契約の話が舞い込むことに、そうなのだ。

・そもそもIPCの仕事は「大会だけではない」ので皆めっちゃ忙しい、かつアワードのノウハウは立ち上げからの担当として誰よりも一番持っていた。
・何より開催地の東京に住んでいて日本語も話せる。
・そしてIPCでの時間ではずっと東京に関わりたいと公言していた。

と、自己分析的には関われる自信がどこかにあったけど、
世の中に絶対はないので最終的にはラッキーなことに
IPC側のアワード責任者として契約してくれることに。



結果、携わった東京大会は、
2013年に思い描いていた史上最大規模のものではなかったが
ニューノームの中で母国開催の現場に関われたことは
本当に自分の人生にとってかけがえのない体験となった。

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↑まさかの活動期間は毎日雨だったのでユニフォームフル装備の日々の図。


まとめ

この7+1年のジャーニーでSMARTゴール設定のキーポイントをまとめる。

Specific・・・ソーシャルインパクトの効果測定的にいうと全くのナンセンスな目標設定だった。「大会に関わる」、まるで目標を「イベントを実施する」と設定していて、その後の効果や社会とのつながり諸々「それをすることによって何の効果があるのか、価値を生み出すのか」が全く明らかではなかった。

Measurable・・・正直どんなオプションがあるか未知でスタートしたので、ここはほんとにアジャイルにいくしかないと結果的に思った。ほんでできたらできた分だけさらに上に行こうと思えた部分であった。

Achievable・・・規模が大きすぎるものなので自分ではコントロールできない部分が多い。何より周囲の方からのサポートや協力がかなりゴール達成には重要で、いくら「私の個人的キャリアゴール」であっても周囲の方なしでは達成不可能だった。

Relevant・・・自分の中にある揺るがない価値観・軸である「スポーツを通じて豊かな社会をつくる」。この価値を体現するためのツールとして、どうゴールが機能するか7年かけて明確にできた。でも多分SMARTゴールとしては、最低限「東京2020を通じて豊かな社会を形成する」くらい明確にして、大会に関わるというのは手段にする必要があった(大切なことなので2回言います)。

Time bound・・・「7年ある・しかない」が明確だったため、スタート時から逆算して「第一線で活躍するために専門性を追求する」目標に向かってマイルストーンを置くことができた。


(あれ、思ったよりきれいにまとまったかも。。)



そんなこんなで、キャリア第一のゴール「東京大会に関わる」は
たいへんSMARTゴールとしてはよくなかったですが、
紆余曲折しながら結果的には達成して、
また、そのプロセスの途中で
「アジアや日本の発展に自分の専門性や経験を生かして携わる」という
第2のゴールへ向かうスタートを切ることができました
(SMARTではまだない)。


こうやって人生を振り返る時間、前に進んでるとなかなか取れないけど
前に進むために必要な時間でもあるとこの記事を書きながら思いました。



残りの週末も有意義に過ごしてください〜!


また、いつかの機会に。


Kaho




いただきましたサポートは、次世代に残せるもの(国際キャリア形成自叙伝、メンターシップなど)の費用として活用させていただきます。