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"INJEKTONE" No.1 (4/7)

INAGE discothèque

「俺の地元でイタロがこんなに流行ってるわけがない」

 垢抜けていて勝ち気な妹が隠し続けてきた「実は隠れイタロ・ディスコオタク」という秘密を知ってしまったことから、不仲だった妹に振り回されることになったお兄 ちゃん達の奮闘を描くコンピレーションアルバム。妹が愛好する「イタロ・ディスコ萌え」な男性向け懐古主義を物語の軸としながら、参加アーティストそれぞれ独自の 解釈で稲毛シーンのディスコティーク「イ ナゲ・ディスコ」を描いていくという作品集になっている。アルバムの題材の一部には 世間では受け入れられていない音楽(テクノなど)を愛好することで生じる家族や友人との対立や、数ある同様のコンテンツの中でもイタロ・ディスコばかりがダサイダサ イと槍玉に挙げられることについての皮肉とも受け取れる内容も扱われている。

妹が通う、イタリアからやって来た超大 型ディスコ「ターンベリーターン」の全面 プロデュース。稲毛産のイタロディスコを「INAGE DISCO( イナゲ・ディスコ )」と 名付けて舞わしたあの夜、聴いた曲のタイトルを僕達はまだ知らない。稲毛クラブシーンの全てが此処に詰まっています。

「INJEKTONE『俺の地元でイタロがこんなに流 行ってるわけがない』(INCD-0001)」好評頒布中


「INAGE DISCO」の系譜を追う!!

今回のINJEKTONEには、INAGE DISCOを牽引する INAGE陣( ksd6700、technoplanet、コバルト爆弾αΩ 、yoku-t)を 中心に 909state、テクノポップユニット三鷹らが参加した。この中で「INAGE DISCO」のオリジネーターは、誰かと言われれば真っ先に「yoku-t」の名前が挙がるだろう。yoku-tは、渋谷生まれ渋谷育ち。高校時代は吹奏楽とK-POPを嗜んでいたが、大学進学と同時に稲毛へ上京後は、千葉ニューウェーブの名門音楽サークル 「Sound Create」に入会、そこで 出会ったUCDと2005年にテクノ ポップユニット「technoplant」を結成。yoku-tの隠しきれないイナタいメロディーセンスが醸すダサ カッコ良さはUCDの戦略的なパッケージ化によって稲毛の老若何 女の心を鷲掴みしていた。INAGE のマネージャーksd6700は「、テクノにディズニー/ジブリ的ポップを求めたのがtechnoplant」だったと振り返る。「s.h」の加入と幾つかのプロジェクトを経て「technoplanet」と名前を変えて活躍していたが、2013年末に惜しまれつつも彼はtechnoplanetを離れた。 INJEKTORには、yoku-tとtechnoplanetの楽曲が収録されており共にyoku-t節の濃いメロディーとなっている。

 東京への憧れが稲毛のテクノシーンを育み、渋谷育ちという生粋 の都会っ子がINAGE DISCOの種を撒いたと考えられる。現在、 yoku-t脱退後のtechnoplanet には、新メンバー「Hdklab」が加入し更なる飛躍が期待されている。

また、technoplanetの影響を受けたユニットとしてksd6700とCO_CO_が2006年に結成した稲毛区黒砂を中心に活動するユニット「X-NA(クロスナ)」があげられる(。後にyoku-tも加わる)彼らの楽曲は、稲毛のヤマハ音楽教室育ちでもあるksd6700がX-NA 用に捻り出したメロディラインには、端々からINAGE DISCOからの影響が垣間見られる。

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