見出し画像

救命技能は自治体によって違うのか

救命技能認定証という資格がある。東京の消防庁が行う講習会に参加して技能講習を受ければもらえる。万が一のとき、人助けができればと思った。どうせならと、次の上級認定もとった。

以前のこと。先輩の技術顧問と夕方居酒屋で待ち合わせた。席について、いつもどおり生ビールを注文した。2杯目を頼まないうちに、彼が左胸を押さえて苦しいという。横に寝かせて119番、救急車を呼んだ。

狭心症、幸い一時的な入院で済んだ。救急車が来る間、残念なことに何もできない。ただ待つだけの時間を過ごすという、後悔を経験した。自分も年をとればトシヨリ連中との飲み会が増えるだろう。万が一の時に役立てばと救命認定を受けることにした。

その後、技能を発揮するチャンスがなく時が過ぎ、認定期限が切れて、再講習の時期かきた。東京の勤め先を辞したので、こんどは地元の消防で受けようと電話した。

「再講習受けたいのだけど」
「番号は」
「T20〇〇〇・・・」
「それって東京のですよね」
「上級ですが」
「ここではできません。最初から受け直してください」

消防の管轄が違うから、東京で上級であろうが認めない。郷に入れば郷に従えという。消防管轄によって救命の方法が違うとは思わないけど。
せっかく上級認定をとったのに、最初から受け直すと、時間も費用も二度手間だ。そんなセクショナリズムはやめてくれよ。

前の会社の総務に頼んで申込書の手続きをしてもらい、東京消防で再講習を受けた。そう、『東京』も、都内在住者か、勤めが東京か、の制約があったのだ。

救命技能に自治体の違いはないはず。全国共通の認定証にしてほしい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?