記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

【遊戯王VRAINS怪文書】続・3期の鴻上了見/リボルバーの話【ネタバレ】

↓の記事で盛り込めなかった2期のネタや、その後見つけたネタなどの補足記事です。ハンドルネームに「SAN0(正気度0)」とつけている由縁が満載なので、眉に唾つけて読んで下さい。「3期の尺が大幅に短くなったせいで豪快に削られた描写は多分ある」という背景がなかったら私だってこんなこと言わない…許して…(ふるえ)

ライトニングをあのタイミングで告発したのは何故?

前回の記事は、「Aiが単体で生き残ると人類が滅びる」というシミュレーションを「リボルバーがいつ知ったか」については、「遅くとも3期開始までには」というスタンスで、詳細には触れずに書きました。
これは、そのシミュレーションが「リボルバーが解析したライトニングのシミュレーション、あるいは追加分析したイグニスの個別シミュレーションの中に既にあった=分析の完了したミラーリンクヴレインズ突入までには知っていたんじゃないか」という話です。

「TURN96 ライトニングの罪」で、リボルバーはファウストに指示して、「お前の秘密を知っている」というメールでライトニングを呼び出し、ライトニングが隠しているシミュレーションについて告発します。ソウルバーナーと不霊夢が撃破されてしまい、生き残ったイグニスがライトニングとAiだけになった、すなわち、シミュレーション上はイグニスを滅ぼさない限り人類は詰んでいると言えるタイミングで。

何故この時まで言わなかったのか。「Aiが単体で生き残った場合」の人類滅亡は、アクアや不霊夢がいれば問題ないはずです。問題がない以上、知らないでいられるならそれがいい、少なくともAiが今知る必要のない話と言えます。全員が全力を尽くす前提である以上、知っていればアクアや不霊夢を守れたかというと微妙だと思いますし。
しかし、アクアと不霊夢が倒れてしまった以上、ライトニングは「自分を倒せばお前の存在が人類を滅ぼす」とAiを脅迫できる。しかも、それが「ライトニングが人類と関わった時点でアウト」という自分に都合の悪い部分を伏せて。それを阻止するために、このタイミングで告発したのでは? と。

逆に言えば、知らないなら共闘路線が決まった段階で、「イグニスが人類を滅ぼすことになる元凶はライトニング」というシミュレーションについて話して、尊にストレートに謝罪してもいいはずだと思うんです。そのほうが共闘もスムーズにいきますし。それをしなかったのは、Aiがいる限り不安材料が消えないから、イグニスを野放しにできないせいではないか。

しかも、この96話でEDが3期ED「Are you ready?」に変わっています。
「夢の話(=シミュレーション?)」を「何度も繰り返し言われてた」のは誰なのか? 「僕の命は大切なんですか?」 3期のAiにはもちろん当てはまると思います。それと同じくらい、リボルバーにも当てはまるような気がするんです。「償う、償う、次なるセンチメンタル」「機械とは違う」。
96話は放送日が4月頭なので、「EDが変わったのは単に放送クールが変わったからで、深い意味は無い」という可能性も視野には入ります。しかし、下に図にしているのですが、正直「これだけ主題歌・シリーズの切り換えをずらしておいてそれはないでしょ!?」というのが私の正直な気持ちです。

なので、EDがこのタイミングで変わったのは、少なくとも、ここからVSボーマンでは完結できない、別の終末が始まったからじゃないかなと。

ただ、これについては「それを誰も知らなくても」変わっても不思議はないとも思います。けれど、少なくともライトニングは知っている、遊作達は知らない、となったときに、シミュレーションについて告発したリボルバーが知らない、というのも不自然な気もします。

これは知ってる知らないには直接関係ありませんが、この時点で知っていた場合の、リボルバーの最期。

Playmaker「しっかりしろリボルバー!」
リボルバー「まさか、光のイグニスに自滅するという考えがあったとはな。油断した」
Ai「リボルバー、お前よくやったぜ!」
リボルバー「小さい頃に、こんな風に、花畑に寝転び、空を見上げたことがあった。その時を思い出す。あの頃は何も背負わず、ただ目の前に広がる世界に、胸、躍らせていた。……私は、一足先にいく。後を頼むぞ、プレイメーカー、Ai……」
(満足そうな笑顔で光になって散る)
Ai「あいつ……俺の名前を……」
(TURN98 一線を越えたAI)

この「何も背負わなかった頃」は「絶望的なシミュレーションを知らなかった頃」でもあるはずで、そういうまっさらな心で了見が思い描いた世界には、人間とAIの垣根を越えて繋がるPlaymakerとAiがいたんじゃないか……などと考えて3期のつらさが増します。そりゃあ了見、Aiの行動に怒るよ。(知ってたとしたらですが)

ファウストとゲノムはAiの自爆特攻を見ている

リボルバーが散った後、引き続きカフェナギから干渉しているファウストとゲノムは、Aiがボーマンに自爆特攻している姿を見ています。

Ai「今なら、ニューロンリンクにとどめを刺せる!」
ファウスト「闇のイグニス、まさか自分ごと!」
ゲノム「AIが我々のために犠牲になるですと!?」

ボーマン「何故人間のために、そこまで!?」
(TURN101 迷いなき本能)

この後Aiはバックアップで生還こそしますが、ファウストやゲノムも、Ai自身に問題があるとは思えないような事実を知っているわけです。
そして、「イグニスを抹殺したら」ハノイは自首する(105話)という条件。了見はネットを監視する理由を「イグニスを信用したわけではない」「人間が最上位にあることで成り立つ平和な世界の実現のため」と言っていますが(103話)、ライトニングを倒しても警戒をゆるめない理由が「既にライトニングが人間と関わり、人間とイグニスの滅亡コースに入っているから」だとしたら、「Aiを倒せば終わり」というあたりも、「これ以降の未来で人類滅亡を引き起こすのはAiの存在」だと特定しているからなんじゃないのか?

さらにいえば、自爆特攻を目撃しているファウストやゲノム、AiがPlaymakerをかばった(42話)事実を知っていて、ライトニング=「シミュレーションを知ったイグニス」に自滅の選択肢があることを知ったリボルバーには、滅亡のシミュレーションを知ったAiが、自己犠牲の方向に走るという想像もつくと思います。もちろん、ヤケになって暴れる可能性も考えると思いますが、Aiがシミュレーションを知った場合については、警戒より同情が先に立っても不思議ではないくらいです。

パンドールについて

こう考えると、パンドールの「素直に人々の意識やコードキーを変換した場合の対処については制限されていない」仕様(109話)については、本心でAiを見逃すつもりだったというより、Aiの反応を試していたようにも思います。ここで情けをかけられたことを不審に思ったり、あるいはリボルバーからの信頼と受け取って、自分の行動を後悔して諦めるなら、Aiが暴れているのは純粋に復讐のため。そうでないなら、Aiの真意は復讐以外にある――シミュレーションを知って、未来を変えるために行動している。

また、名前の由来の「パンドラ」は財前に「人間に災いをもたらすために」贈られた女性と言われ、リボルバーはそれを否定していません(105話)。人間への敵意を自動的に消滅させるという制御についても、「今のところは」可能と条件をつけています。これについて、そもそも「パンドールがAiの側について人間の敵になる」展開を想定しているのか? と思ったりもします。想定されるAIの反乱を、自分の管理下から発生させることで、少しでも戦況を有利にしたかったのか? という。あるいは、パンドールをAi側に送り込むことで、AIの反乱を内から抑える役目をさせたかったか。
また、この名前からは「悪いのは人間の愚かさで、Aiが悪いわけじゃない」という自虐のようなものも読み取れそうな気もします。

そしてこれは(これまで以上に)飛躍しすしぎていると自分でも思っていることなんですが、「イグニスにも劣らない性能」を持つ「意思を持つAI」……本当にイグニスを狩るためだけに作ったのか? 「Aiが単体で生き残った」という状況をひっくり返すための「消えていったイグニスの代わり」もワンチャン期待してたりしないか……? デッキにサイバース族しか入ってないみたいだし……。

Aiはリボルバーをどう読んでいたか

飛躍ついでのさらなる空中戦です。これは前に書いたときにも既に考えていたことではあるのですが、話の収拾がつかなくなるので触れませんでした。半信半疑くらいで語ります。

私は前の記事で「リボルバーは普通に考えてそういうこと(シミュレーション)をやる」と書きました。今でもそう思います。その「普通に考えて知ってる」ことを、Aiが想定しないはずがあるだろうか?

ロボッピ「あれ、誰もいませんよアニキー」
Ai「だろうな。この程度は想定内だ」
ロボッピ「ログアウトしちゃったんですかねえ?」
Ai「いいや。ネットワークの中に必ずいる。現実世界にいるほうが危険なのは、奴らも承知のはずだからな」
(中略)
リボルバー「デンシティ上空一万二千メートルなら、誰も近づけない。機内にはソルティスも置いていない。ネットワークも、我々が開発した特殊アルゴリズムの回線以外、遮断してある」
プレイメーカー「侵入不可能というわけか」
リボルバー「そうだ。直接でも行かない限りはな」
(中略)
Ai「俺が財前を襲う一時間前に、SOLテクノロジー社所有の旅客機が行き先不明で離陸した。俺様に分からないことがあるとでも思ってるのか?
(TURN108 不撓不屈の精神)

このあたりは完全にAiとリボルバーが(主人公置いてけぼりで)読み合いをしています。そして、リボルバーはAiが旅客機に乗り込んでくることも想定済みで、アンドロイドタイプのパンドールを配置しています。

パンドール「私はリボルバー様が作ったパンドール」
Ai「へえ~、リボルバーがAIをねえ。なら、俺の心が変わったって、不思議じゃないね」
(TURN108 不撓不屈の精神)

AiはリボルバーがAIを作ったのは意外だったようです。ということは、Aiがシミュレーションの中でPlaymakerと戦ったことが無かった(120話)ように、シミュレーションの中でリボルバーがAIを作ったこともなかったと考えられます。何万回もシミュレーションしたのに。
しかも、意外なのにそこまで驚いていない上に、自分を引き合いに出して「リボルバーの心が変わるなら、自分の心が変わっても不思議じゃない」と言っている。単に変化の度合いで引き合いに出したのかもしれませんが、リボルバーの変化も自分の変化も、原因は同じシミュレーションだというセリフじゃないのか?
ライトニングの自滅は、シミュレーションを解析したリボルバーにも読み切れなかった。つまり、シミュレーションを知った者がどう行動するかまでは、シミュレーションでは掴みきれない可能性が高い。
これらを総合すると、リボルバーがシミュレーションを知っていて対策してくることは想定していたが、対策にAIを使うとは思わなかった、くらいのラインが自然なような気がするのです。

パンドール「残念ながら時間切れです。まもなく、この機体は空港に着陸します」
Ai「デュエルは着陸までの時間稼ぎで、最初から着陸して財前の身柄を守る作戦だったわけか」
パンドール「その両方が作戦です」
Ai「二重三重にいろいろやってくれるなあ。さすがリボルバー先生」
(着陸用の車輪が出る)
Ai「……だがまだ時間はある。ゆっくり楽しもーぜ」
パン「えっ!?」
(飛行機の高度が上がって車輪が収納される)
パンドール「何が起きているのです!」
Ai「おお、いいねえ! 初めて慌ててくれたなあ!」
(TURN109 イグニスを狩るもの)

この話で急にリボルバーを「先生」呼びしているのも、今までもシミュレーションをもとに行動していたリボルバーへのリスペクト的な感情を茶化していたんじゃないか。そのリボルバーが作ったパンドールを慌てさせて、一本取ったという雰囲気のAi。これでリボルバーがシミュレーションを知らないなんてことある?(発狂)

ソウルバーナー「ここにAiの手がかりが…」
リボルバー「そのメールはこちらに渡してもらおうか」
Ai「おやおや、また意外な奴が」
草薙「どうして、リボルバーが」
(TURN115 始まりの場所)

Aiがロボッピに仕込んだPlaymakerあての手紙をリボルバーが横取りに来たことについて、リボルバーとある程度共闘していると思っている草薙が「どうして」と言うのは分かります。しかし、つい先日「落とし前は必ずつける」と激怒された(111話)張本人のAiが「意外」ってどういうこと? 単に「メール横取り」なんてセコい手を使うと思わなかったのかもしれませんが、それにしてもリボルバーへの警戒を解きすぎじゃないか?

意識データとコードキーを返せば見逃す、というパンドールの仕様を「粋な真似」と言ったAi(109話)。Aiは、中断したデュエルと同じ展開でデュエルを始めたソウルバーナーにも「粋」という言葉を使っています(115話)。逆に、プレイメーカーとのデュエルをあらかじめシミュレーションするのは対義語である「野暮」(120話)。「問答無用で相手の行動を手玉に取る」のが「野暮」で「意志を行動で伝えて返事を待つ」のが「粋」な感じがするので、Aiはこの「見逃す」という仕様をストレートには受け取らず、別のメッセージとして受け取ったんじゃないのか? 例えば、「お前に人間への敵意がないのは知っている」とか。
葵に後悔と自責の念を抱いて生きろと言い、パンドールに「お元気で」という別れを告げたAi。それを見て激怒したリボルバーに、肩をすくめるだけだったAi(111話)。
Aiは自分の狙いがPlaymakerとのデュエルで、人類を滅ぼすつもりはないということをリボルバーは分かっているから、これ以上手出ししてこないと読んでいたんじゃないのか?

Ai「ヴァレルロード!? なんでお前がそんなカードを……。はっ……そうか……リボルバーからカードを託されたのか。それが新しい、仲間の力か」
(中略)
Ai「なるほど、フュリアスは裁きの矢(ジャッジメント・アローズ)の対策カードか。考えてみれば、裁きの矢を一番警戒していたのは、リボルバー。そこまでは読み切れなかったぜ」
(TURN119 壊れゆく自我)

3期のAiが驚いているのは、ほとんどがリボルバー関連です。「AIを作った」こと、「遊作にカードを託した」こと、「そのカードが裁きの矢対策だった」こと。AIを作ったのも遊作にカードを託したのも、「了見」が遊作とAiの絆に少なからず影響を受けていたからだと私には思えます。そして、それを読めなかったAiは、98話でリボルバーがどんな気持ちでAiの名前を呼んだのか、111話でどうしてあそこまで怒ったのか、ずっと分からなかったんじゃないかとも。

あと遊作は?

先に言いますが空中戦の極みです。あまり信じていません。
109話で、「パンドールが勝てば、Aiはどうなる」という問いに、感情を抑えた声で「私はイグニスに同情はしない」と答えたリボルバーを、思案顔で見つめていたPlaymaker。
115話で、ソウルバーナーに「プレイメーカーを信じらんねえのか」と聞かれたリボルバーが、「信じる信じないの話ではない」とはぐらかし(ストレートに信じられないとは言ってないので、はぐらかしてると思います)、「闇のイグニスを消す以外に、人間への脅威が消えることはもうない」と棒読みで語るのを聞いて(あれ棒読みだよね……?)、ただ「リボルバー」とだけ呟き、真意を探るかのようなPlaymaker。
116話で、リボルバーが自らSoulburnerの試練になろうとしていると見たPlaymaker。
117話で、現れた了見を「了見」と名前で呼び、無言で渡されたフュリアスのカードを、少し考えてデッキに入れた遊作。
119話で、Aiがこんな行動を取ったのはシミュレーションが原因だと聞かされ、ライトニングの策略だと反論する遊作。あらゆる説得を拒絶された遊作は、了見から託されたフュリアスを召喚します。

プレイメーカー「ネットワークに宿りし、寂然たる二つの憤怒、今、禍根を越え、一つとなる!」

二つの憤怒が一つになったフュリアス。遊作がここでフュリアスを召喚し、的確に裁きの矢破壊として使えるほどリボルバーを、了見を理解できたということは、これまでの了見の謎めいた行動がシミュレーションを知っていたからだと気づいたということじゃないのか……?

遊作は多分、もともとは裁きの矢をアクセスコード・トーカーで破壊しようと思ってたと思うんですよね。それだとカード破壊が一枚足りなくなるので、負けると思うんですけど(その場合、ただ負けるより多分マシなので融合を承諾していそうな気がする)。
裁きの矢はライトニングが作ったカードで、それ以外のAiのカードはAiが作った@イグニスター。フュリアスを裁きの矢破壊に使ったのは、そのカードがライトニングとその意志を継いだAiへの怒り→シミュレーションを知っていたから託されたカードと判断したからじゃないのか……?

さすがに↑の思いつきは自分でもどうかとは思っているんですが、あえて第1話のあらすじを引用しておこうと思います。

1話次回予告

最初に明言されてるんだ、遊作は「すぐれた観察眼を持った」高校生だって……。
1期・2期は主にAiを観察してたと思うけど、3期、了見も観察してたんじゃないのかな……。

というわけで

最終的に話が飛躍しすぎて自分で信憑性を落としてはいないかという気もしますが、考えれば考えるほど私には「リボルバーは知っていたし、Aiも分かってた」が自然な気しかしないので許してほしいと思います。遊作についてはもう何も分かりません。とにかく思い残すことのないように書きました、参考までに。
私にできるのはここまでです。私の仮説を信じるか信じないか、どこまで信じるかは、皆さんに委ねたいと思います。(公式さんがノベライズか何かで教えてくれたらそれに越したことないんだけどな!!!)
何かご意見あればお待ちしております。ここまでお読み頂き、ありがとうございました。