見出し画像

ジュエリーや古美術の科学分析

マガジンご購読の皆様、こんばんは。いつもお世話になっております。ビジネスってなんだろうか? という問いに一言で答えるとすれば、それは顧客の(あるいは社会の)現在または近未来の重要課題を解決する総合的な活動ということでよいでしょうか。多くの方が気にされる採算がとれるかどうかという点は、「そのビジネスがサステイナブルであるかどうか」というモデルの問題であろうかと思います。まずは、現在または近未来の重要課題を解決する実力、ないし、マッチングが重要で、その次が持続性、採算性と思います。

私の問題意識に近いところでは、新たに開発された先端的な科学の知識、その技術を活用するという前提にたったとき、第1に、それは課題をどれくらい解決できるのか、第2に、仮に解決できる可能性に関して有望であるとして、それはサステイナブルなのかという点が問題になるのでしょう。優れた知識、技術であっても、直ちに走れるわけではなく、そこを勝手な思い込みで気分にまかせて動いたり、もしくは無責任な部外者の挑発的な勧誘に乗ったりすると失敗するでしょう。田所雅之さんの「入門 起業の科学」に書かれています。

少し前に、この本に登場するペルソナの描き方について、短い記事を書いてみました。

私の専門分野の1つであるX線分析の知識や技術は、製造業の品質管理分析や、環境アセスメントの分析や、科学研究の分野ではよく使われて、ある意味、定着していますが、もっと違った分野、業種での課題はどうなのだろうと思いました。その際、前提になるのは、単に現にあるものを、左から右に持ってくるみたいな単純な考え方はしないほうがよさそうです。

私はまだまだ勉強中ですので、このところは、ペルソナをいくつか描いています。例えば、こんな感じです。田所雅之さんの「入門 起業の科学」に出てくるキャサリン・ハムレット(25歳)をペルソナとして描くのを真似て、こんな感じ。

木村洋子(24歳)は、神奈川県在住のフリーの宝石商を始めて3年になる。毎月マレーシアやミャンマーまで出張して宝石原石を買い付けている。買った石は加工を外注し、それぞれにあった部品を購入して完成させたアクセサリーを銀座の有名ジュエリー「エトワール」に納品する。個人向けには、AmazonやYahooオークション、その他のネット店舗にも各種の宝石を販売している。仕事はとてもうまくいっていて充実している。ジュエリーの仕事はとても楽しくてやりがいがある。しかし、ある時、顧客から真贋クレームが来た。その時は何とかおさまったが、こうしたクレームが不安の種である。信用商売なので、特に「エトワール」には、鑑別書のついていないもの、疑わしいものは、決して持って行ったりしていない。他方、東南アジアでは、生き馬の目を抜くような、いかにもあやしい中国人、インド人、アラビア人のビジネスマンが徘徊しており、まったく油断ならない。ちょっと不安を感じるとき、日本の先端技術で、ぱっと手軽に疑念をはらすことができたらよいのになあと思うことがある。だが何100万円もするような高価な機器を買ったりすることは問題外である。何かよい方法はないものだろうか....

顧客のペインに寄り添うビジネスを念頭に、木村洋子さんのエンバシーマップを作ってゆきます。

Think フリーの宝石商の仕事はとても楽しくて充実している。これからもずっと頑張ってゆきたい。
See アジアにはいい宝石原石がいっぱいある。しっかり見てみよう。
Hear いかにもあやしい中国人、インド人、アラビア人のビジネスマンが徘徊していて、悪い噂もある。気をつけなくてはいけないので、現地のおともだちにもいろいろ聞いてみよう。
Say 私は銀座の有名ジュエリー「エトワール」でもしっかり取引できているので、きっとこれからもこの仕事で成功を続けられるわ。
Pain 仕事はうまくいっているが、贋物の原石をつかまされたりするリスクを何とかして回避したい。けれども高額な出費はできない。
Gain 確かな商品の売買をしっかり続けて、誰からも信用されるビジネスをしたい。

うふふ。なかなか難しそうです。


皆様へ

皆様には、よろしければ、マガジンのご購読を検討して頂けますよう、お願いいたします。毎日投稿しており、連続600日のマイルストーンに接近しております。ぜひお楽しみ頂きたいと思います。

#ビジネス

ここから先は

28字

本マガジンでは、桜井健次の記事をとりあえず、お試しで読んでみたい方を歓迎します。毎日ほぼ1記事以上を寄稿いたします。とりあえず、1カ月でもお試しになりませんか。

現代は科学が進歩した時代だとよく言われます。知識を獲得するほど新たな謎が深まり、広大な未知の世界が広がります。知は無知とセットになっていま…

いつもお読みくださり、ありがとうございます。もし私の記事にご興味をお持ちいただけるようでしたら、ぜひマガジンをご検討いただけないでしょうか。毎日書いております。見本は「群盲評象ショーケース(無料)」をご覧になってください。