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【美容医療と恋愛8】毛穴開いてちゃダメですか?毛穴気にしすぎ病問題!

女子全員毛穴妄執問題

さて、我々皮膚科専門医が毛穴を診る場合、表面よりも、もっと深い部分、具体的には皮膚付属器として、脂腺、アポクリン線、バルジ、毛母など毛包全体を考えています。でも、一般的には、表面に見える穴部分を毛穴と呼び、忌み嫌いますよね?

美容皮膚科クリニックを開設し18年、様々なメディアから取材を受けるようになって12年になります。この間に衝撃を受けたのは『毛穴特集』の多さです。これはひとえに、‟毛穴を気にする女子“の切なる思いを反映しているわけで、保険診療だけを行っていたら知りえなかったことかもしれません。

親の仇のように、毛穴をほじくったり押し出そうとしたりパックしたり・・・『女子全員毛穴妄執問題』と呼ぶしかない状況です。そのような女心につけこむように、毛穴関連の化粧品やサービスが続々上梓されていきます。

昨年の秋にNHK『あさイチ』の毛穴特集を監修・出演した際も、視聴率、NHKプラスでの再生回数が番組史上最高値だったようで、毛穴に悩む人たちがいかに多いかがうかがえました。

もちろん、番組内では毛穴が目立つ原因と対策をタイプ別にご紹介しましたが、慶田が皮膚科専門医として毛穴をテーマにしたTV出演で皆さんに一番伝えたかったこと

「拡大鏡で毛穴を見ないで!」
「毛穴はあるのが普通!」
「毛穴関連商品に踊らされないで!」

バービー人形やリタッチ済みのモデルさんの写真、アプリ加工後の肌や、赤ちゃんの肌など、理想とするゴール設定が間違っていませんか?!

あなたの毛穴は自分が思うほど目立っていませんよ。毛穴が気になる気持ちは分かりますが、毛穴に囚われ悩みすぎるのはナンセンスです。人間だもの、毛穴があるのが正常ですし、分泌物が角栓となって詰まるのも普通です。

番組終了後「非常にありがたかった」「信頼できる先生だと思った」
と視聴者の皆様から沢山の感想をいただきました。

とは言え、若い世代はテレビを観ないですよね。
それで、ブログに書いてみているのですが、読者層も40~50代。長い文章を読みたい、読んで内容を理解できる世代が中心です。10~20代は、インスタなどの短い文章や動画から情報を得ます。不確かな情報の海に溺れている場合も多く、私たちが正しい情報を啓発してもなかなか伝わりません。これは、‟自分の思い込みを裏付ける情報ばかり取得してしまいがち”だったり、‟広告関連の記事がインスタなどで上がりがち”だったりというインターネットの特性による影響もありそうです。

「ポアレス肌信仰」は恋を遠ざける

『ポアレス肌信仰』とは、慶田の作った造語です。生身の人間のあるべき様相を否定し、お人形のような肌を理想化している状態ですが、これは『ゴール設定の誤り』です。

例えるなら、東洋人が『美白信仰』のもと、『プラチナブロンドの白人の皮膚色』を目指して、美白剤やピコレーザーを照射しても、決して到達できないのと同じです。人形のような毛穴の見えない肌を目指して、次々化粧品を試しても、何回ダーマペンで傷つけようとも、決して満足することはないのです。

何をしても毛穴が消えない
➡「非充足感」
➡ 近くで見られたくないので「人を遠ざける」または「常時マスクを着用」➡ 周囲の人は「壁を感じる」
➡ 皮膚温の上昇で毛穴開大
➡「毛穴が開いているから魅力が無いと思い込む」
➡「自己肯定感の低下」
➡「愛されにくい」
➡「毛穴を消さねばならない」とさらに強く願い執着する
➡「不幸」だと感じてしまう
の悪循環です。

自分以外は「人様の毛穴」など見ていません。
遠くからは見えないからです。
20cm以内に近接すれば見えますが、その距離に近づくことを許すお相手の場合、毛穴などもはやどうでも良いのです。
少々の毛穴は昨今の高機能ファンデーションひと塗りで消せます。

ですから、幸せになるためにもモテ要素としても毛穴の目立ち具合は重要でないことを知り、毛穴をほじるより、自身の価値を高める学びに費やしていただきたいと思います。

ただし、「角栓放置は老化を加速する」「たるみ毛穴が目立つ=真皮コラーゲンが劣化」という観点から、正しいゴール設定で美容医療を行うのは大いに推奨します!

アメブロでは、毛穴が目立つ原因をタイプ別に紹介した上で、効果的なセルフケアや、間違いがちな毛穴ケア、クリニックでの専門治療などをご紹介しています。ご興味のある方は、そちらも是非ご一読くださいね。

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毛穴が目立つ原因をタイプ別に紹介
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たるみ毛穴に有効なレチノールとは
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