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ただのVtuberオタクがダメ元で”ご当地Vtuber”にコラボを依頼したらOKもらえた話

Vtuberの活躍が目覚ましい。

YouTubeのスーパーチャットランキングでは常に上位を独占するVtuberだが、ホロライブの星街すいせいが「THE FIRST TAKE」に出演、にじさんじの壱百満天原サロメが地上波番組やCMに出演、にじさんじを運営するANYCOLORが東証グロース上場など、Vtuber活躍のニュースは枚挙に暇がない。

業界の成長に比例するように、Vtuberのカテゴリも多様化してきた。
区議会議員やマンガ家などいわゆる”中の人”が分かった状態でVtuberを始めた人もいれば、元服役囚や元風俗嬢といった特殊な経歴を売りにしてチャンネル登録者を伸ばす人なども存在する。

私はそんなVtuberコンテンツを消費するオタクの一人であり、幅広いキャラクターたちのサムネイル画像が私のYouTube視聴履歴を埋め尽くしていた。


広がりを見せるVtuberカテゴリのひとつに「ご当地Vtuber」なる括りがある。
その名の通り、全国各地の自治体で限定的に活動するVtuberだ。
そのほとんどは個人で活動しており、自治体非公認のものも多くいるが、一方で埼玉県のように県公認のバーチャル観光大使を設けている自治体もある。

弊社が事務所を構える埼玉県所沢市にもご当地Vtuberがいないか調べてみたら、やはり存在していた。
名前を「沢ところ」さんという。
彼女は所沢市の魅力をPRするとともに、『ご当地Vtuber図鑑』という全国各地で活動するVtuberを紹介するサイト運営を軸としていた。

彼女のTwitterをざっと眺めてみたところ、どうやらすでにいくつもの企業コラボやメディア掲載などをこなしていた。

コラボ相手がみんな大手。いやすごいな。
弊社も何らかのかたちで接点を持たせてもらえたらありがたいなあ、などと考えていたが、こんな大手企業さんとお仕事をしている中で弊社みたいな零細企業を相手にしている暇はないんじゃないか、とも思った。

まあ、断られたらその時に諦めればいい。
ダメ元で沢ところさんにメンションを送った。

K'sPARK「機会があればぜひご協力させていただきたいです!」
沢ところさん「ぜひK'sPARKさんからもこれならできます!というものをいただけたら嬉しいです♡実現できたら良いなって思います♪

本当に?そういうの本気にしちゃうタイプですよ?

その後も、念押しの意味を込めて何度かリプライを交わしたがどうやら本当に企画提案して良い様子。
それならば、とすぐさま企画書の作成に取り掛かった。


基本的にVtuberの方とコラボする場合は、コラボ商品を作ってそれをPRしてもらうというのが一番メジャーな流れだ。
しかし、弊社はコインパーキング会社なので、コラボ商品を製作することはできない。
さて、どうしたものか。

企画を考えるにあたり、沢ところさんがどんなキャラなのかを確認するべく、どのような動画を投稿しているのか一通り視聴してみることにした。
そうすると一つ気づいたことがある。
Vtuberにしては、投稿動画の本数が”控えめ”なのだ。

実は、昨今のVtuber界隈において「投稿動画が少ない」ことは珍しくない。
なぜなら、Vtuber界隈では動画投稿よりもライブ配信がマジョリティとなっているからである。
配信を行うことで、リアルタイムで視聴者と交流しながら登録者を増やす、またはスーパーチャットと呼ばれる投げ銭を視聴者から受け取るというスタイルが主流となっており、編集の手間がない分だけ動画投稿よりも(比較的)労力をかけることなく活動することができるのだ。


ところが、沢ところさんは配信を通してVtuber活動をしているわけではなかった。
少し考えればわかることだが、企業とのコラボイベントが目白押しになっているということは、ほとんどの時間をイベントに向けての準備に割かなければいけないということ。
つまり、単純に動画作成の時間が取れていないのである。

それならば「こちらで動画編集まで完遂して納品できる」ような企画内容を提案すれば、先方の手間は取らせず投稿動画の本数も一つ増やせるため採用の可能性が高まるのではないか。
ひとり頭の中で企画内容を巡らせた結果、提案したのが「ラジオ形式の動画」だった。

企画提案する立場ではあったが、実は私には動画編集の経験がない。
そこで、動画のテロップやアニメーションのような動画編集スキルが必要ないラジオ形式にすることで、編集スキルが拙くても魅力のあるコンテンツとなる方向へ持っていくことにしたのだ。
企画概要、ねらい、収録や編集まで当方で行うことなどを盛り込み、企画書をDMでお送りしたところご快諾いただき、めでたく企画実現へ向けて動き出すこととなった。


リプライでやり取りしてから企画書を提出するまで、およそ2時間の出来事であった。


今回のYouTube収録において、必要な工程は以下の6つ。

  • 台本作成

  • 音声編集

  • サムネイル作成

  • 告知用の画像作成

  • 動画編集

  • YouTube概要欄テキスト作成

基本的には私が担当させていただいたが、進行上で必要なマシュマロ(匿名のお便りメッセージが送れるサービス。Vtuber御用達。)の募集や告知用画像作成、また概要欄のテキスト作成などを沢ところさんにお願いした。
お忙しい中、丁寧にお仕事を進めてくれた彼女には感謝しかない。

台本作成や音声編集に関してはいささか経験があったためそこまで苦労はしなかったが、サムネイル画像の作成には非常に骨が折れた。
自分がよく見るVtuberのサムネイルを参考にしながらイメージを固め、それらしい画像を作成した。

サムネイルの背景には、OKUMONOさんから素材を拝借した。このサイトがなかったら、冗談抜きで一生サムネイルは完成していなかったと思う。
この場を借りて感謝申し上げたい。


テキストで打ち合わせを重ねながら、オンラインで音声収録を終え、出来上がったファイルをチェックしていただき、満を持して2023年1月31日に投稿された動画がこちら。

ただのVtuberオタクだった私が、Vtuberとお話ししている……。
他人事のように思える一方で、自分の喋りを聞いて恥ずかしい気持ちもあり、なんとも複雑な思いだ。

所沢市に事務所を構える企業アカウントとして、所沢市全体の盛り上がりを応援するとともに、沢ところさんの更なるご活躍を願ってやまない。

参考
沢ところさんTwitter / YouTube


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