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新500円玉は、一体誰のために

今年、新 500円玉って出たじゃないですか。
真ん中が銀色で外側が金色のキラキラしている、あの新しい硬貨です。
おそらくもう一度は見たり触ったりしたことあると思うんですけれども、あの 新500円硬貨についてTwitterでこんなご意見を見たことがありました。

コインパで新500円玉使えない。現金支払いしかできないなら新500円使えるようにしてよ。

Twitterより

お気持ちはすごくわかります。
現金支払いしか受け付けてないのに、対応できないお金があるとは何事か、というお話ですよね。
大変申し訳ございません。まずはお詫び申し上げます。

その上で、今回は「なぜコインパーキングの精算機は新500円玉が使えないのか」という話をしていきましょう。


コインパーキングで新500円玉が使えない理由の1つ目は「変更に伴う支出がとんでもないため」です。

前提として、新しいコインパーキングでは比較的新500円玉に対応しているところが多いです。
それはなぜかと言うと、そもそも精算機自体が新しいので、中に入っているパーツもすべて新しいからからということなんですね。

では、古いコインパーキングの機械は何を変えなきゃいけないのか。何を対応させなければいけないのか。

コインパーキングの精算機の中には、それぞれコインを読み取るアクセプターと呼ばれるパーツと、お釣りを吐き出すための金庫的役割をしているコインメックというパーツがあります。
これらはだいたい2つで1つみたいに合体して機能しているパーツなんですが、このアクセプタを最新のものに交換しないと新500円玉を読み取ってくれず、そのままお金を吐き出してしまうということなんですね。

だったらそのアクセプター全部交換すればいいじゃん、という話になるんですが、このアクセプターがなかなかいいお値段なんです。
メーカーにもよりますが、1個あたり平均3万円ぐらい。
なので、例えば弊社K's PARKの場合、約200件の駐車場を運営しておりますので、単純に計算すれば200×3で600万円の支出になるわけです。

突然600万円の支出が発生するというのは、社員とアルバイト含めて合計8名の中小企業である我々にとって大打撃ですよ。
そのため、一気に全部変更せず、会社の負担にならない程度に毎月交換作業を行っています。

会社の規模にかかわらず他社さんもきっと同じような状況だと思うので、業界全体としては「少しずつ進めている最中」というのが正直なところです。


理由の2つ目として、やはりコロナの影響というところも大きいです。というのも、半導体の製造が追いついていません。

アクセプターも機械なので、もちろん半導体が使われています。
半導体の製造が遅れているため、アクセプター自体も製造できていない、そのため新500円対応も遅れてしまう、といった流れですね。


理由の3つ目。
これあの、言っていいのかどうか微妙なところなんですが、正直な話をしてしまうと、新500円玉に買えなかったところで売り上げがさほど変わらないというのがあります。

アクセプターの金額の話に戻るんですが、アクセプターが1台3万円するいうのは、言い換えればすでに3万円コストがかかっているわけですね。
では新500円玉対応することで、3万円分のコストがすぐにペイできるほど売上が上がるのかと言えば、決してそんなことはありません。
というか売上はほぼ変わりません。

そのため、企業さんによっては、また駐車場によっては新500円玉対応が後回しになっているところもきっとあるでしょう。


では新500円玉を対応させるのは、何のためか?

これは、シンプルにお客様の利便性向上のため。この1点に尽きます。
冒頭でご紹介した「現金が使えない」といったトラブルがないように、お客様のご利用に支障がないようにするために行っています。

手前味噌で恐縮ですが、K's PARKはお客様第一をモットーに考えているので、新500円玉対応については比較的早くから動いていました。
メーカーさんから「もうそんなこと考えてるんですか」と驚かれる程度には早かったです。
そんな弊社でも、現在新500円玉に対応している物件は約7割程度といったところですので、新硬貨対応が全物件完了しているコインパーキング会社さんはまだないんじゃないかと思います。
(もしあったらぜひ教えてください。お友達になりましょう。)


大変わがままな話ではありますが、新500円玉が使えるようになっている駐車場を見かけたら「お客さんのために頑張っている駐車場なんだな」と思ってもらえると、コインパーキング業界の人間からしたら非常にありがたいなあと思っています。

もしよかったら、K's PARKだけでなく新500円玉に対応されているコインパーキング会社さんをご贔屓にしていただけたら幸いです。

Twitterでは時々ネコの画像を投稿しています。お好きな方はぜひご一読を。