あいちトリエンナーレを発端とする大村愛知県知事リコール活動についての私見

Twitterでもたびたびつぶやいていますが、愛知県知事リコール活動について。

私は、元愛知県民で一連のリコール活動には直接関わっていません。
所謂ヤジウマってやつです。
ただ、ネット界隈でいろいろ見ていて思うことを、つらつらと書いてみます

今回書くのは、リコール活動の是非や取り巻く課題点について。
特にTwitter上では、文字制限もあり、課題や論点がいろいろずれて一部では誹謗中傷合戦になってる感もあり、今回私の思うところを整理してみたいと思います。

まず、論点を以下のように整理したいと思います

①愛知県知事リコール活動は行ってよいものか?
②リコール活動に対し、反対運動を行なってよいものか?
③一連のリコール活動、及び反対運動にて、暴力的行為は許されるか?
④各々の特定の参加する人の経歴、信条により、活動そのものを批判してよいか?
⑤リコール活動、ないし反対運動を隠れ蓑にして、異なる目的で署名収集及び利用をしてよいか?

他にも視点はありますが、一旦これぐらいで。

①愛知県知事リコール活動は行ってよいものか?

まずこれは、比較的容易な答えと思います。
私は、行って良いものと考えます。

地方自治法や、政治信条の自由の観点からも、理由如何に関わらず、リコール活動を発議する事は制限されないと考えます。

いまいち、まだ理解が深まっていないのは、回数や頻度の制限について。
多分これはないのでしょうから、だれでもいつでも発議できるのでしょう。

もしこれが、やたらめったら無駄に発生する事を問題視するようになったら、その時に選挙における供託金じゃないですが、なんらかの制限をかければよいかと。

②リコール活動に対し、反対運動を行なってよいものか?

これもまた、リコール運動と同様に行うのは自由と考えます。

③一連のリコール活動、及び反対運動にて、暴力的行為は許されるか?

これもまた、言うまでもなくですが、許されないと考えます。
直接的な暴力行為は当然ダメです。
また、リコール目的の趣旨に関わらない妨害もダメと思います、

ここで言う「目的の趣旨に関わらない妨害」とは、署名する、しないを考え行動する機会を奪う行為を意味して表現しました。
具体的には、例えばですが、
「署名した人の個人情報が悪用される」
など。

署名しようかしないかを、本来はその活動の主義主張により判断される所を、それ以前に署名する事で不利益が生じると思わせる行為は、公職選挙法の選挙妨害の事項に該当すると思います。
ただし、「思います」としたのは、明確な判例などは見つけられなかったからです。

一部Twitter界隈で、請求代表者の公表と、名簿縦覧制度を取って「署名した人は公表される」「縦覧制度を言っただけ」と表現された方がいました。
私はこれは上に記載した「妨害」事項に該当するんじゃないかな、と思います。
また、「事実を言っただけだ」と自己正当化するのも、自身のフォロワー数や立場を踏まえた時の影響にまでは頭が回らなかったのかな?という点では正直疑問です。

ただ、これを現状の縦覧制度などの問題点として提起し、署名者の保護の観点から制度見直しに繋がればよいのにな、とも思います。
どなたか意識ある議員さん動いてくれないかな?

④各々の特定の参加する人の経歴、信条により、活動そのものを批判してよいか?

これはまた難しい問題ですが、私は批判手法としては卑怯な方法と思います。

あえて「卑怯」としたのは、それが印象操作、レッテル貼りによるもので、本来の議論ポイントから巧みにすり替えて批判する手法と思うからです。

この手の活動はいろんな信条の人が集まるものです。
みんな全く同じだと逆に気味が悪い。
ただ、共通の目的のために共闘しているのだと思います。

そんななか、ある人の悪い事項、印象を持って、集団全体にレッテル貼りのような批判は如何なものでしょうか?

具体的には、リコール活動の応援していた人が、殺人未遂で逮捕されたとか。
それを以って、リコール活動した人は反省しろ!という発言も見られました。

殺人未遂に関わる事案を活動参加者の大半が関わったならともかく、当人の問題を全体にそのまま投影するのは如何なものかと思います。

同じく、反対派を批判する人の中にも、過去の過激なパフォーマンスを指して批判する人も。
これもまた同様に、如何なものかと思います。

賛成、反対ともに、活動参加者の中に犯罪被疑者がいたら、その活動全体がけしからんものなのでしょうか?

ただ、日本の社会においてはよくある事で、例えば一会社員が重大な犯罪を犯した時、関係なくとも勤務先も叩かれる事が起こり得ます
だからこそ、会社は懲戒規定を設けていたりするわけと思いますね。

このように、批判をする、される際、課題のすり替えにはお互い気をつけるべきと思います。

⑤リコール活動、ないし反対運動を隠れ蓑にして、異なる目的で署名収集及び利用をしてよいか?

これもまた当然ダメだと思います。
その点では、横浜市長リコール活動が、2020/11/29時点で行われていますが、こちらは署名取り扱いについてプライバシーポリシーを記載されていました

一人から始めるリコール活動 プライバシーポリシー

現状、偽造署名問題も含めて、署名の取り扱いについて、個人情報保護の観点、偽造の事実検証の観点の両面からいろいろな議論が出ています。
たしかに今集めた署名をどうするか、も問題ですが、現状の署名の個人情報保護の観点での制度不備が明らかになったともとらえられると思います。

冒頭の方で、縦覧の課題も述べましたが、公的制度(今回はリコール)を標榜して別目的で情報収集するのは、詐欺行為に当たるのではないでしょうか?
今回、その点の課題が明らかになったと受け止めて、こちらも制度の修正や改善の議論が進むといいなと思います。

最後に

いろいろ思う事を書いてみましたが、今回の一連の活動で、住民の直接請求制度の課題が見えてきていると思います。
右だ左だ、親日だ反日だもよいですが、制度改善に動く方が出てくる事を期待します。
(最後は他力本願で恐縮ですf^_^;)

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