他人の言葉でショートショートを書く # 1
はじめに
外出自粛で暇すぎて、このままだとなんかどうにかなりそうだなって唐突に思い、友人から貰ったキーワードでショートショートを書いてみます。
そもそもショートショートを知らない知能レベル3のお猿さんと比べた時には幾分かサルの方が賢いのではないかと疑われているでろうあなたのために一応説明すると…
主に、短編小説より短い小説のことを指す。特に決まりがある訳ではないがアイディア重視ではっきりとオチをつけたものが多い。代表的作家は日本では星新一、海外ではフレドリック・ブラウンなど。(ニコニコ大百科より)
「・・・」
僕も実はショートショートの意味を初めて知りました。僕はショートショートというとイチゴケーキのいいところどりなのかと思っていましたが、どうやら違うようですね。
今回友人からもらったキーワードはこれらでした。
洗い物 / 散歩 / レモンシロップ / 乾燥機 / 太陽 / 昼寝
パスタ / ゴミ捨て
ショートショートを書くことを決めずに貰っているので、ありふれたワードばかりがならべられていて最高に平凡なストーリーしか頭をかすめませんね。それでは参ります。
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ショートショート「暑いってなに?」
「『暑い』という言葉は死語になったな…」
ふと思った。冷房がガンガンに効いたゴミ捨て場でお昼に食べた国産小麦100%のパスタの生ごみを手早く捨てる。外に出るために半袖を着てきたが、室内でこれは寒い。早々にマンションを出て、12月の年の瀬に合わせ新発売だというレモンシロップを買いに行く。
景色がどんなに変わっても、人がとる行動はあまり変わらないのだなとつくづく思った。公園では蝉が鳴きわめくのを気にも留めず昼寝をする人や、全身に日焼け防止の工夫をし散歩をするご婦人たちを見かけた。
少し歩いただけなのに汗で肌に吸い付くTシャツが気持ち悪い。家に帰ったら洗い物をしよう。10年以上前に型落ちで買ったお買い得品の洗濯乾燥機だが、まだ洗濯をする分には問題なく使える。
ただ乾燥機能はずいぶん使わないうちに壊れてしまった。太陽が顔を出し続け、地球全土が高温になった今の世界でわざわざ乾燥機能を使う人はもういない。
あとがき
顔がめちゃくちゃ怖い、クラスにいたら大体男子に掃除をしろと怒ってそうな小さな環境活動家の女の子が訴える「地球温暖化」。もしも数十年先で急激に温暖化が進んで、一年中夏以上の季節が続くようになったらという妄想で書きました。きっと日本では米ではなく小麦が、ミカンでなくレモンが栽培されるんでしょうね(どちらもの植物も高温に適している)。そして暑いのが当たり前なら、「暑い」という言葉は死語になると思いませんか?というか使い道がなくなる。「暑い」や「寒い」は季節に便乗して人間が愚痴を言う際のキーワードでしかないため、ずっと暑いならば必要ないのです。それではよい日常を。