読んだ本・マンガのレビュー・感想 2021.9.21~9.30

評価の目安
★3.0 ふつう。心が動かされなかった。
★3.5 良い。読んでよかった。
★4.0 すごく良い。何度も読みたい。
★4.5 最高に良い。出会えてよかった。


『教育格差 ──階層・地域・学歴』
★3.8
流行の「親ガチャ」がらみで読んでみた。
教育格差は戦後からずっとあるし、親の学歴、裕福さ、そして生まれた地域に子どもは大きな影響を受けるよ、っていう話。
そりゃ言われてみれば当たり前だし、多くの人の実感と一致するところだとは思うんだけど、やっぱりあらためてエビデンスをもとに語ってもらえるのはありがたい。
ただ、そういった事実があるから諦めるしかない、というわけではなく、それらがもたらす何か、例えば意図的養育(子どもの教育への介入の度合いが大きい)は放任に比べてやはり学力は高くなる、といった事例は現実の教育にも活かせることなので役立つ知識でありがたい。習い事を多くさせたり、時間の使い方を管理(テレビやネットやゲームに時間を使わせすぎない)とか、親から「命令」するのではなく子どもに「交渉」させるとか、家にたくさん本を置くとか、親が積極的に学校行事に参加するとかね。


『最高の結果を出すKPIマネジメント』
★3.9
KPIとは何か、どう決めてどう運用すればいいのか、考え方と実例まで解説されている本。実例は営業部門の話が多めだけど勉強になりました。
とはいえ、組織化しておらずアウトプットの数があまりに少ない不動産のお仕事には現時点では馴染まないし、まして患者さんの健康をゴールにしている歯科医院経営だとKPIにできそうな指標が全然見つからないので、自分のお仕事には使えそうもないのだけど‥‥。


『無理ゲー社会』
★3.4
今の社会は無理ゲーだよねー、という見方で現代社会を分析し解説していく本。
橘玲先生の本でAmazonの評価も高かったので買ったんだけど、うーん特に社会を解説されてもピンとくるものはないかな。自分が何かを見て理解するときに使える知識がなかった。


『わかる!使える!歯科衛生士のためのマイクロスコープ』
★4.0
書名の通り、歯科衛生士がマイクロスコープを使うための入門書。
マイクロスコープという高額設備(200~1000万円くらい)を活用している衛生士さんというのは非常に少なくて、それもおそらく世界で最も進んでいるのが日本。そういう状況下でこういうテーマの本となると、マイクロスコープの華やかな部分ばかりにフォーカスした本になってしまいそうなものだけど、しっかりと基礎的な心構えや準備、トレーニングや器具の丁寧な取り扱いといった、地味で大切なことからきちんと書かれているところがとても好感が持てた。
一方で華やかな部分も決しておろそかにすることなく、マイクロスコープを使うことで、どんな処置でどれだけの成果が出せるのか、きちんと解説し結果まで示しているところもバッチリ。
ただマイクロを使いさえすればいいのではなく、マイクロを使わなくともきちんとした診療ができるようになった上で、ルーペやマイクロといった拡大視野の機材をどのように活用し、さらに診療の質を上げていくことができるのか、真摯に書かれていてとても素晴らしかった。
写真や動画も非常にキレイで豊富なのもマル。
衛生士にマイクロを使わせてみたい院長、マイクロを使ってみたい衛生士さんには必須の本だと思う。


『金タマ本がテレビに出た話』
★3.7
さくら研究室さんの、いつものフフッと笑える実話系マンガ。いつものノリで良い感じ。


(中略)

『愛が死んでも恋はまぶしい』
★3.7
ステータス見て今の旦那と結婚したけど、やっぱり昔付き合ってた彼氏が忘れられなくてフラフラしてる人の話。
あー、こういう意思弱い人よくいるよねー、って思いつつ、ついつい読んじゃう。
(単話形式なので、読んだ冊数としては1冊としてカウント)


『ブルーピリオド 11巻』(第1巻のAmazonリンク
★4.3
芸術に対する子どもの向き合い方、その親の向き合い方、教師としての向き合い方、個人としての向き合い方、それぞれがそれぞれにしっかり描かれていてとてもよかった。


『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見 21巻』(第1巻のAmazonリンク
★4.2
今回は患者さんの苦痛と医師としての戦い方、チーム医療の話。
特にチーム医療のテーマはグッとくるなー。
チーム医療って当たり前のようでいて、そう簡単じゃないよねー。もちろん個人的な関係性や確執の問題もあるけど、きちんと連携すべきところを連携させられるだけの能力を持つ医療人自体がごく少数。
それが機能している様は美しく楽しい。


『焼いてるふたり 4巻』(第1巻のAmazonリンク
★4.0
いやこんな過剰にLINEするやつおらんやろとは思うし、そんな簡単にすれ違い解決するか? とも思うけど、でもやっぱり千尋さんのキャラが好き。


『エヴリポジチブ~人生を変えてしまう1ページ漫画~』
★3.9
洋介犬先生の皮肉系4コマ集。本当にどれも皮肉が聞いてて面白い。満足。


『カバチ!!! -カバチタレ!3- 33巻 34巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.9
33巻のひととき融資の話はなー、男の人もさすがにちょっとかわいそうだよね。そりゃ法的な抜けがあったのは事実だけど、お互い納得の上で契約したのに、その契約を反故にされるどころか私財を奪われるなんてなー。
34巻は分かりやすすぎる悪者キャラだったからちょっとお話が一直線気味で緩急が弱かったけど、たまにはこういう箸休めがあってもまあ。


『宇宙兄弟 40巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.8
ついに宇宙兄弟ー。でも感慨よりもそろそろ完結するんだろうか?っていう思いの方が強い。


『はしっこアンサンブル 7巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.8
展開としてはスタンダードで熱い展開なんだけど、やっぱり合唱そのものの迫力の表現が難しいなー。伝わってこない。もちろん作者の技量の問題じゃなく、マンガというメディアでそれを表現するのは難しいよね。
今回は特に合唱ばっかりだったから、アニメで観たいお話だったな。


『GIANT KILLING 59巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.7
いいんだけど、同じマンツーマン戦術でもさすがに『アオアシ』と比べるとクオリティが大きく劣っちゃう感あるなー。


『研修医 なな子』
★3.7
全4巻。いかにも昔の少女マンガっぽい終始平坦で小咄をひたすら並び立てる感じの研修医のマンガ。
なので正直構成としては面白みが弱いんだけど、取材してきた研修医エピソードはわりと面白いのでまあまあ読める。


(中略)

『Artiste(アルティスト)』
★3.9
嗅覚と味覚はメチャクチャ鋭いけど料理以外はダメダメな天才料理人が苦労しながら生きていく話。
住んだところは芸術家だらけだし、同僚もADHDとかアクが強い人ばっかりだしで、ユニークなキャラが多い。主人公が天才性ぶりとダメダメぶり、ユニークなキャラ達とのかけあい、それらによるレストランや生活の日常が描かれる、魅力的なマンガだった。


『病める惑星より愛をこめて』
★3.6
国民のほとんどが心の病を患って、それを癒やすための地球外生命体(モフモフ)を利用しているマンガ。
といっても特別病んでる人間が出てくるわけではなく、普通に僕らが目にする現代人と変わらない人達のつらさや悲しみが描かれるだけなので、特別どうということはなかった。


『これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ 7巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.5
あー今更だけど、なんでこのマンガがパッとしないか分かったかも。
このマンガって要は少女のマンガなんだな。
恋愛パートと仕事パートがあって、恋愛で描かれる女はふわふわ男はスカスカ。仕事も「あー全然仕事ができない、分かってない人が書いてんな」って分かる。骨がないのが見え見え。未成熟でパワーのない人間が少女に向けて描いている感じがする。だからまだ弱い少女にしか響かない。
一見すると設定は面白い切り口のマンガなんだけどな。作者にその設定を骨太に描ききるだけのパワーがない。それも作家や漫画家としてのスキルの問題ではなく、恋愛における人間的な魅力や、仕事における仕事力の不足が原因だから、彼らが創作者として力をつけたからといってそれができるようになるわけでもなく。つまりこのマンガを長く描いたからといって改善されるものではない。難しいな。
まあ自分が作れるものを作るしかないから、ただ続ける以外に道はないか。


『上京生活録イチジョウ 2巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.9
つい高級ブランド買っちゃうときのカイジ的演出とか、成功してやるっていう話とか、いいよね。イチジョウのスピンオフならでは。


『ラララ 10巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.9
完結。育児の部分に作者の個人的な怨念がこもりすぎてる(笑)。
まあそろそろっていう感じだったのでこんな感じの終わり方で良かったんじゃないでしょうか。


『ハイスコアガール DASH 2巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.5
やっぱり本編に比べるとゲーム部分が弱くていまひとつ。


『綺麗にしてもらえますか。 7巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.5
入浴シーンは良い感じだった。


『いつでも助六の日常』
『ハムスター助六の日常』
『ハムスター助六の日常』
★4.0
マンガというか絵本というか微妙なところなんだけど、まあとにかくひたすらハムたんがかわいくて満足しました。


『ギャルとオタクはわかりあえない。』
★3.6
全5巻。アイドルオタクのギャルと、そのアイドルの正体のオタクの2人がメインのかけあいをしてる4コママンガ。
ありがちだけどギャルとオタクが仲良くなる感じを楽しむマンガでそこそこ。


『闇麻のマミヤ 3巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.5
うーん特に盛り上がるところなし。


(中略)

『ひとりでしにたい』
★3.9
伯母が孤独死したことをきっかけに30半ばの女性が危機感を持って将来を考える話。過剰に不安を煽るわけでなく、実際に確実にそこにあるリスクについて適度に毒のあるマンガで描いていて、読みやすく学びある。
自分の場合も、親が死んじゃったときに葬式に呼ぶ人の連絡先なんかは全然分からんから、真面目な話そういうリスクに備えとかなきゃあかんと思った。


(中略)

『毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で』
★3.6
計6冊。AS, AD, HD, LD(自閉症スペクトラム、注意欠如、多動症、学習障害)とフルコースの漫画家さんの実話マンガ。
同作者のヒットした『透明なゆりかご』でも本人がポンコツ看護師だって指摘されてた記憶あるけど、そりゃこんだけ障害が認定されるほど能力の欠落があったら使い物にならんわ。
これは僕だけなのかもしれないけど、マンガの作画を見てるだけでも怖い。脳がところどころ欠けている、普通の人間とは似て非なるナニカが、人間に擬態し潜んでいるような薄気味悪さ。丸い物体が一列に並んでいる中、唐突にデコボコの塊が平然と並んでいるかのような恐怖。
主人公の作画なんか一番わかりやすいけど、こんなに変わるのどう見てもおかしいでしょ?

しかし、人間は他人と支え合っていくものであることは確かだけど、そうはいってもこれだけ「普通の人ができることができない」ことがたくさんあると、もう徹底的に他人に頼っていけないと一瞬で破綻しそう。そこも怖い。
作者は実家が太い気配もするし、その辺もうまいこと恵まれてたんだろうなー。


『姫ヶ崎櫻子は今日も不憫可愛い 2巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.8
安定の残念さと新キャラの後輩キャラで満足。催眠かかるのもエロくていいと思います。


『なおりはしないが、ましになる』
★3.6
これも『ひとりでしにたい』と同じカレー沢薫先生のマンガ。予期せず発達障害のマンガだった。
発達障害のエピソードを描くというよりは、先生の毒のある切り口で発達障害そのものを描くという感じでまあまあ。


『きみにかわれるまえに』
★3.6
同じくカレー沢薫先生。犬を買うエピソードの読み切り形式。ペット好きなら読んでもいいかな、というくらい。


『Dr.コトー診療所 愛蔵版』
★3.6
全26巻。離島に赴任した天才外科医の話。
素人からみても「そうはならんやろ」っていう話がちょいちょいあるし、絵柄や島民の人柄の描き方、語り口からしても80年代終盤~90年代の青年誌マンガかなと思ったら、2000年代のマンガなのね。ちょっと意外。ドラマ化されてたのは知ってたけど。
マンガとしては‥‥まあその年代のマンガと思ってやや広めの心で読めば、こんなもんかなという感じ。これだけ冊数があって命に関わる緊迫したエピソードも頻繁に出てくるのに、いまひとつグッとくる話はなかった。
あと、自分の利益のために人を殺そうとする医師と看護師が一人ずつ出てくる上に、なんら罰せられない展開でスルーされていくのはやばすぎるなと思った。作者の倫理観が透けて見えて怖い。


『賭博堕天録 カイジ 24億脱出編 12巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.5
帝愛に見つかるための布石という意味もあるんだろうけど、終始のんべんだらりなのはちょっとテイスト違うかなという気もするし、今回はイマイチかなー。ダレてる。


『マンガで分かる心療内科 22巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.6
EBM出てきたのはちょっと親しみ持てたけどそのくらい。


『ポプテピピック SEASON FIVE』
★3.9
いつもの。いかにもポプテらしいギャグとLINEスタンプやTwitterのあおりに使えそうなマンガで大変よかったです。


『め組の大吾 救国のオレンジ 2巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.8
今回はレスキューが始まったところで終わりだから、ちょっと拍子抜けだけど、全体の雰囲気はさすが良い感じ。


『3月のライオン 16巻』(第1巻のAmazonリンク
★4.5
零くんが救われ生まれ変わった巻。
これは物語の終わりのようでもあるし、もう一つの始まりのようでもある。気持ちとしてはその行く末をどこまでも見ていたいけど、果たしてこれはどこまで行くんだろうか。


『先輩がうざい後輩の話 8巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.7
今回も夏美さんの登場が多くて好き。


『宙に参る』
★3.4
近未来で機械と人間の共存がより進んだ世界の話。
うーん、この作品が悪いとは思わないんだけど‥‥なんだろう、今ひとつ世界がハマらないというか噛み合ってこないというか、読んでいてなんともこの世界観が自分の中に入ってこない。
相性が悪いのかな。ごめん、楽しめなかった。


『会社員でぶどり 1巻』
★3.5
擬人化された鳥達という素材を通して社畜という世界に対する憎しみをひたすらぶつけた4コマTwitterマンガ。
4コマひとつひとつを取ればまあ決して悪い作品ではないんだけど、全体に漂ううらみつらみがなんとも居心地悪くくすぶっていてちょっと嫌だった。
今まさにサラリーマンとして嫌な思いをしている人なら、その溜飲を下げて気持ちよくなれるマンガかな。


『数学ゴールデン 3巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.7
才能もなければ積み上げがあるわけでもなく今の努力量がずば抜けているわけでもない小野田くんがそんなに活躍しちゃったらおかしくない? そんなことしたら数学オリピンックもたいしたことないんだなってなっちゃうし、普通に打ちのめされる展開でいいと思うけど。


『悪いのはあなたです』
★3.9
いかにも男に言いくるめられてフラッフラしてそうな女の人が主人公で、あっちもこっちも不倫・浮気のオンパレードっていう素晴らしくドロドロした話。ひどすぎて面白かったです。


『チ。―地球の運動について― 5巻』(第1巻のAmazonリンク
★3.7
第二章終わりかー。でも今度もまた同じような異端の話だとただの繰り返しになっちゃうし、かといって時代を進ませすぎると異端じゃなくなっちゃうし‥‥、そろそろ次で最後にしないとじゃないかな。


以上
ビジネス本類 4冊
マンガ 87冊

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9/24くらいから体調も持ち直してきたのでそこそこ読書。

ゲームの方はSteam版Cookie Clickerをプレイしたり、久々にFTL: Faster Than Lightをプレイしたり。

Cookie Clickerの方は、Cookieを焼く系の実績は基本的に取り終わって、残りは砂糖玉系とGardenの実績くらい。

FTL: Faster Than Lightはローグライクで宇宙船同士戦うゲーム。久しぶりにプレイしたら実績が実装されてた。
まだ機体もコンプしてなかったので、とりあえずクリスタル巡洋艦(入手条件:ラニアス巡洋艦を除く全ての機体クラスのタイプAB両方でゲームをクリア)以外を入手したところまで。
前にプレイしてたときも思ったけど、このゲーム、ラスボスがあまりに強すぎるせいで「ラスボスを型にはめて倒すための準備をしていくゲーム」になってる感があって、やや単調になりがちなのが欠点かな。

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