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小川さやか  『チョンキンマンションのボスは知っている  アングラ経済の人類学』 春秋社

香港のタンザニア人が集うチョンキンマンションにおける人びとの交流を通して、彼らの独特な人間関係が描きだされている。「独特」と書いたがそれは私の主観でしかなくて、彼らにとっては「普通」なのであるが。 著者は「そもそも彼らは他者の過去や現在の状況を詮索せず、人間はいつでも豹変しうることを前提にしながら、そのつどの状況・文脈に限定的な信頼を構築している。」ことを様々な具体的事例を上げながら何度も強調する。これは私には、日本人の人間関係とほとんど真逆のように思えた。日本人は、他者の

    • ゲーリー・ウィルソン 『インターネットポルノ中毒』 DU BOOKS

      ●は本からの書き抜き、★は気づいたこと。 ●欲求についての研究は、多様性は過剰消費と強く関連していることを示している。テーブルの主菜がミートローフだけの場合に比べ、ビュッフェでは食べ過ぎがちだ。(P29) ★選択肢が多い場合、人はできるだけ多くを消費しようとする ●性的な関心は条件づけられる(変えられる)。ー中略ー ちなみに性的関心は根本的な性的嗜好とは別物だ。 勃起に導かれてジャンルからジャンルへとさまよううちに、一部の若い利用者は、自分の性的アイデンティティに合致しな

      • 電車内におけるかばんの持ち方の考察から東京での生きづらさに至る

         沖縄にはモノレールという乗り物がある。簡単に電車だと考えてもらえればいい。僕はかつて東京に住んでいて、地下鉄やJRをよく利用していた。そして今は沖縄に住み、モノレールを利用している。この2つの乗り物について、ふとしたことに気がついた。かばんの持ち方だ。  山手線に乗るとき、人々はかばんを体の前に持っていく。これには様々な理由が考えられる。人の邪魔になる。似たようなことだけれど、かばんを背負っていると後ろの空間を占有することになり余分な空間を取ってしまう。何かを盗まれる可能

      小川さやか  『チョンキンマンションのボスは知っている  アングラ経済の人類学』 春秋社

      • ゲーリー・ウィルソン 『インターネットポルノ中毒』 DU BOOKS

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