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向こうからやってくる ー受け身的な生き方ー

 近頃は、「向こうからやってくる」という見方というか感覚を大事にしています。

 自分という意識、自我があって、それによって自分が様々な決断をして、様々な行動を起こして、それの連続であるのが人生であると、これまで思ってきました。

 そういった生き方に大きな問題があるというわけではないですが、しかし、受け身的に生き、自分の体は与えられたものだと見て、また、自分の仕事ややるべきことを、「向こうからやってきたもの」として捉える生き方も面白いのではないか。

 自分が在家でありながら、出家し僧侶になったことはもちろんのこと、自分の家族や仲間を大事にすること、今自分が趣味として取り組んでいることなど、あらゆる物事を、「向こうからやってきたもの」として捉えるというものです。

 人の生き方に、1つの真実とか絶対的な価値を規定することはできませんし、多様性が叫ばれる中、それぞれの生き方を尊重することが求められる時代にもなってきています。

 向こうからやってくる、その向こうというのは仏教的にいえば、仏さまの計らいとか仏さまの力とか、自然の法の力であるといえます。

 その目でも測定器でも理論でも期待しがたい、向こう側(大宇宙、大自然という表現もある)からのはたらきによって、生かされているという感覚、そういった考え方も1つ大事であろうと思うところです。

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