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ピジョン株式会社 中期経営計画 その2

ピジョンの中期経営計画 を読み解く その2

にて、事業活動指針・サステイナブルな成長のために・ブランド戦略 について読み解きました。

第二段は、商品戦略・地域戦略・KGI/KPI についてです。

商品戦略

ものづくり強化


新型の哺乳瓶スチーム除菌 は 17,000円と良いお値段ではあるものの、哺乳瓶を使用している以上除菌は必須であり、その手間隙を改善するための一手としては自然と出てくる発想であると思います。

しかし、単品だけでは付加価値が弱いかなというのが感想です。
食洗機メーカーとコラボするとか、育児+α があると魅力が出るのかもしれませんが、単品でというニーズを汲み取るとこうなるのかもしれません。


ここで、ものづくり強化 と言っているのは、要は研究開発・設備投資を進めると言うことです。
22年比 1.5倍 = 20億円の追加投資をする予定とのこと。

平成の日本のものづくり市場を見ていても、研究開発・設備投資にお金を使わなかった(使えなかった)しわ寄せが来ているのがわかります。
そして、コロナ禍で一気に下落したところを、ここ数年は上昇機運となっている状況です。
経産省の資料 を参照してもその動向が伺えます。

哺乳器・乳首 基本方針

強みを持つ 哺乳瓶において、その強みを伸ばしていく戦略というのは順当です。

特にインドネシアにおけるシェア拡大とWTP (Willingness To Pay) の向上は必達目標であることが伺えます。

商品特徴

私の記事では、「哺乳瓶は細い方が使いやすい」と述べていましたが、太めのほうが良いという意見もあるとのこと。

スキンケア 基本方針

赤ちゃんのスキンケアはアレルギー予防であったり各方面から近年(?)ニーズが高いところであると思います。
赤ちゃん時期からの取り込みと、若年層までの対応を視野にいれると良いと思います。

新規領域の探索・育成

大きな要素でいくと「エイジアップ」と「女性ケア」が焦点になっています。

エイジアップ:新生児から中学生ぐらいまでを継続して対象とすることができると良いのでしょう。特に口腔発達は予防歯科の機運も高まっていることから、離乳食からその後(併せて サプリメントなど)をカバーできるようになると価値が高まります。

女性ケア:一概に哺乳瓶路線だけでは達成できない対象であるので、ハードとソフトの両方の面からアプローチすることになるでしょう。

いずれにせよ、新規領域の拡充を図るにあたり、消費者の支出に納得感を持ってもらうには 男性側の理解も必要になると思います。

それは、男性側の育児における知識の拡充や付加価値が自分の子どもや家庭に良いものであるとの納得を得ることができるかどうかです。

そのため、今後は商品のプロモーションを行っていく中で情報の発信先に男性を含めることが必須でしょう。
(ある意味安易な発想ですが、男性は知らない・興味を持っていない人の割合が女性に比べて多いでしょうから、正しい情報提供でなびく人は多いと考えます。)

地域戦略

地域戦略 = グローバル事業での各国(各地域)における焦点

各地域毎に表示されると全体感が分かりづらいので、まとめます。

中国市場における売上高の割合と額を上げていくことが目下の目標です。

全体では 18% 増の 18,448 百万円(184億円強)増 を目指すということです。

3年間の目標としては18%増は若干少ない感がありますが、年 6% 増 というところで、セオリーよりやや少なめ、年10% とは言わないまでも年7~8% は掲げても良かったと思います。

ブランドとしては ピジョンとランシノ の2つを統一すべきか別々とすべきかとなりますが、当面は認知度の高いブランド名で走り、次の中計ぐらいで統一する方向になるのではないかと推測されますが、ブランド戦略の根幹の部分なのでタイミングと費用対効果は要検討です。

KGI と KPI

投資額120億円は現業の稼ぎからすると頑張っていると感じます。
配当金はジワジワと上がっていますが、どこかで無理が来そうだなと思っています。

重要課題と個別課題

再掲になりますが、20の個別課題について具体的な戦略と施策、その途中成果を発信できるかどうかは投資家目線でも消費者目線でも企業選びの重要なファクタになると感じています。

Pigeon Green Action Plan

やや、取って付けた感が否めないかとは思います。
消費者目線でいうと、
◆ 過剰な梱包はなくても良い
◆ 長期的に使える耐久性

という点を取り入れてくれるとポイントアップです。

2024/06/04 現在の株価

1,511円 というのは5年前に比べて非常に下がっています。

5,000円を超えていた時期があったことも考えると、コロナ明けのこの数年で日本における出生数実績も予想も下がったことが非常に株価下落に効いています。

そのため、海外市場への戦略を打ち出し、この三カ年計画で海外市場での成果を出せるかどうかが株価上昇への最重要項目になるはずです。

2023年に策定された計画に対して、2024年時点での途中成果を見てみると面白いかもしれません。


#男性育休
#家事・家計

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