見出し画像

今日財布を拾いました

ランニング途中に自分を追い越して自転車で颯爽と走り抜けるおじさんのポッケから何かが落ちた。

何かなと疑問に思いつつ「俺ランニングの途中やしっ」と都会派気取って一度通り過ぎてみたものの、気になりすぎて戻って拾ってみたら"極薄の財布"やん!

「待って!おじさん!ちょっ待ってよ!」拾いあげて全力でおじさん追いかけたけど、おじさんは風になってどっかに行ってしまった。

カードも現金も入っていたので、気づいておじさんが戻って来るかもしれないと思い30分ぐらい周辺をぐるぐるランニング。

気力と体力とオマケに膝に限界が来たので足が止まった。

財布とこんな別れ方するなんて、おじさんも無念で仕方がないだろう。自然消滅するカップルってこんな気持ちかな?と思いつつ。

おじさんの財布を握りしめて小雨の中テクテク歩いていると、ふと自分が財布を落とした時に警察に届けてくれた紳士を思い出した。

その紳士は警察に届けた時に、お礼も名前も辞退し去っていったらしい。

その時の感謝の気持ちと世の中には良い人はいるって思えた嬉しい気持ちを俺もおじさんに返そう。そう決意して警察署へマキシマムザホルモン聴きながらテクテク。

オレも紳士と同じようにお礼と名前を辞退して、帰路につく。ランニングで。

財布とおじさんがヨリを戻せる事を祈りつつ、自宅でプロテインを飲み干した。

世の中捨てたもんじゃないよ。