不妊治療ガチャに大勝利した話
こんにちは。桐谷です。
コソコソ続けていた不妊治療が一段落したので、こんな稀有な体験はnoteにまとめな損…!(損?)と思い筆を取った次第です。
これから不妊治療をする方だけじゃなく、周りに治療中の方がいるかもしれない方へ。
そもそも不妊治療とは?
妊娠・出産を希望しているにも関わらず一定期間、妊娠の兆候がないカップルに対して行われる治療のこと。2022年4月から保険適用になったので、最近は特にニュース等で目にする機会があったかもしれません。
私は一般不妊治療と特定不妊治療の両方を受けました。
共通認識として、不妊治療は地獄。これだけ覚えて帰ってください。
私たち夫婦のこと
夫:
平日勤務、休日祝日がお休みのサラリーマン。残業はそこそこ。通勤往復1時間。
家事ができる。掃除が好き、というより部屋が汚いのが嫌い。
妻(筆者):
平日勤務、休日祝日がお休みのサラリーマン。残業はほぼないが、繁忙期は死ぬ。治療中の通勤時間は往復4時間。
家事ができる。料理が好き。
私たち:
2016年7月入籍。不妊治療は2022年1月から開始。子ども、ほしい!
大変だったこと(知ってほしいこと)
その1 仕事との両立
「不妊治療、無職じゃなきゃ無理では?」と何度思ったことか。
一般不妊治療で月2-3日、特定不妊治療になると毎週1日(+毎日通う週も)と、頻繁に通院する必要があります。
不妊治療は各々の周期にあわせてドクターが毎月スケジュールを立ててくれるのですが、身体の状態によっては直前で変更になることもしばしば。そのたびに休みを取らなくちゃいけない!!!人間、おもしれー生き物。
仕事は休みまくっていました。休む理由については、上司が男性だったので中々言い出しづらく、体外受精にステップアップしたタイミングで報告しました。
幸い、職場が超絶ホワイトで上司も理解のある方だったので、報告前でも有給休暇を利用することでほとんどスケジュール通りに休むことができました。また、報告後は不妊治療休暇(名前がクソ)を活用させてもらえたおかげで、治療を続けることができました。
その2 金銭面
前言撤回。不妊治療、無職じゃ無理。
そう思わざるを得ない額を支払いました。病院へ通うたびに。生命の神秘に足踏み入れてるんだもんなあ。等価交換ってやつですね。
助成金と保険適用のおかげで、かなり負担が軽減されました。菅元総理、本当にありがとう。
その3 メンタル面
なによりいちばんキツかったのがメンタル。成功者は報われるまで努力を続けた人みたいな言葉あるじゃないですか。知らんけど。
不妊治療の努力は報われないことのほうが多い。これのなんと虚しいことか。
毎日毎週通って、痛い注射を打って、薬を飲んで、嫌な診察もこなして、お金を払って、職場で頭を下げて、私生活では食事に気をつけて禁酒して。それでも毎月生理がくる。
そのたび絶望して。電車でマタニティマークをにらみつけて。子連れを視界に入れないようにして。「まだ若いから大丈夫」「自然とできるかもよ」って外野からの励ましの言葉に辟易して。
今だからこそ「限界すぎやろw」って草生やせるけど、治療中はほんとにメンタルぐらぐらでした。
ちなみにこの記事を書いているのは治療中の2022年5月。いつか公開できるよう祈りを込めて全部過去形で書いて……って、限界すぎる……。
恵まれていたこと
つらいことばかりの不妊治療でしたが、それでも私はかなり恵まれた環境で治療を進めることができていました。
親切な医療スタッフ
職場の理解
休暇制度とその活用
拡充された福祉制度
夫の理解と協力
これらがなければ早々に諦めていたと思います。生命の神秘ガチャにも勝ったけど、こういった面で私は不妊治療ガチャ大勝利だったなと強く思います。
さいごに
この記事をしたためてからほどなくして、本当に卒業することができました!
実のところを言うと、陽性反応が出たときも、妊娠中も、手放しには喜べていませんでした。
いつもどこか他人事で、現実味がなくて、常に流産や死産の恐怖に怯えている。この心境は、この不妊治療を経験した者ならではなのかなと思います。本当の意味で不妊治療が終わるのは、出産を無事に終えてからっていう思いがありました。
でもやっぱり、初めてエコー見せてもらったときは泣いちゃいました。つわりなどのマイナートラブルもつらいけど、つらさを感じられる幸せを噛み締めて。お腹を蹴られるたび、その日まで元気に過ごしてくれよと祈って。
そして2月末、予定日よりも少し早くに無事生まれてきてくれました!
出産の痛みも含めて、すべてのつらさが霧散して、愛おしいに変わった瞬間でした。
君が、まだ目に見えない受精卵のころから、君に会えるのをずっとずっと楽しみにしてたよ。
わたしたちのところへ来てくれて、本当にありがとう。
おまけ(夫からのありがたいお言葉)
出産後、母体の予後があまり良くなくて退院が延びました。
コロナ禍の病院は面会禁止だったから、早く会いたいねって話をしていたときに、夫からこんな話をしてもらいました。
私、病院のベッドで大号泣。ほんとに、ほんとに良かった。
おれはね、赤ちゃんもかわいいけど、君もかわいいんだ。
お母さんになれた君がなによりうれしい。
おれは君をお母さんにしてあげたかった。
朝ごはんを食べながら、ぐぐぐと声を殺して泣いている君を見て、期待してダメだったときの姿を見て、君をお母さんにしたいと思ったんだよ。
だからおれは、君がお母さんになれたことが、いちばんうれしい。
君が、赤ちゃんをかわいがっているところが見たいんだ。わかる?
最高のハッピーセットだよ。帰ってきたら、握手しようね。
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