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無痛分娩って最高!CAN MAKE TOKYO

やってきた。最高だった。以下備忘録。

後半部分(長い)は、出産後の興奮冷めやらぬ中、ガチ高熱に浮かされながら書いた記事です。誤字脱字支離滅裂、ほぼ実況中継をお楽しみください。

やろうと思ったきっかけ・決意編

出産ってめちゃくちゃ痛いらしい。
人生の先輩方が口を揃えて言うのが、「あれ以上の痛みはない」。

そんなの経験したくないが??????

そういうわけで、妊娠前から絶対に無痛分娩にする!と意気込んでいた私。
色々調べてみると、メリットもあればデメリットもある。分娩時間が大幅に延びるのはちょっと聞いてない。

ちょっと揺らいだ瞬間もあったけど、お腹が大きくなるにつれ、思うことは一つ。

股からこんなデカい頭が痛みを伴わずして出てこれるわけないだろ!!!!!!

そういうわけで、無痛分娩をしようと決意。
(陣痛が来てからでもキャンセルできるって言われたし…)

デメリットを勝る(と私が感じた)メリットは、産後の体力回復が早いと言われていること。体力勝負と言われるお産で、体力を温存できるならするに越したことない。

ちなみに初産だったので、ドクターおすすめの「自然に陣痛が来るのを待つ」タイプ・自然無痛分娩を選択。
「人為的に陣痛を誘発する」タイプ・計画無痛分娩は初産婦向けではないらしい。じゃあ、自然派で!がんばるぞ〜!


実際にやってみた!実戦編


無痛分娩をするにあたり、まあいろいろ注意点があり、それを守りつつ陣痛を待つ。

早朝の6:30、先に破水した。

出産、おもしれー女。陣痛かなこれ?って思う痛みはあったけど、陣痛だ!って確信を抱くより早く破水した。
電話して病院行って検査して即入院。スピード感おもろ。

8:00時点での痛みレベルは10段階で4。生理だったら、そろそろ薬飲まなヤバいな〜というレベル。

陣痛室ってこんな感じなんだ〜と余裕をかましていたのも束の間。時刻は8:40。そろそろ暇かも。陣痛を待……
痛い痛い痛い!!!すぐ痛くなるじゃん!!!バカなの????????

(出産後の今思うと、自宅でちゃんと先に陣痛が来てたのに、気が付いていなかったってわけ。うたた寝しつつキャンディクラッシュしてたから。バカは私)
(痛みを紛らわせるためにDLしてたMIU404を再生するも、志摩がネクタイに苦戦するシーンで断念)

このときの陣痛がやっと10分間隔になったくらいで、まだまだ序盤。それなのにこの痛みは他にたとえようがないくらい痛い。誕生日とクリスマスとお正月がいっぺんに来たレベル。

私「これからどんどん痛くなるんですよね?」
助産師さん「ですよ〜😉」
私「ヒエ…(なんでちょっと嬉しそうなん…?)」

10段階で7……って本当は8か9なのに無駄に虚勢を張っておきながら、この返答と現時点での痛みで近い将来約束された死を覚悟、即麻酔依頼。
(陣痛が来てからでもキャンセルできるって言われたし…)→ナメるな?

みっともなく痛みに喘ぎ叫びながら、麻酔を入れてもらうまで1時間弱。麻酔が効きはじめるまで、記録と記憶を照らし合わせると、なんとたったの30分。
体感永遠。先生、分娩室に永遠の悪魔がいます!!!

でもさ、医学すごい。麻酔って効くんですよ。

飛び飛びの意識がハッキリ手元に返ってきたのは、12:00すぎ。
麻酔が効くまでの2-3時間の記憶は定かではなく、やっと目を開けて明るい世界がオープンザワールド。もはや私のほうが生まれた感じがする。
助産師さんには「ちゃんと会話できるようになったね」って言われちゃった。恥。

そして手渡されたのが、待ってました、硬膜外分娩における最強のお守り。
「ボタンを押すと麻酔が入ります。お好きなタイミングで押してくださいね」ボタン。神アイテムすぎる。ノーベル賞はこの人のモンじゃ。

定期的に麻酔が入る+任意に麻酔を入れられる、この安心感たるや。
押しまくっても一定間隔をおかないと薬が入らないようにはなっている、とはいえ。まあ、押す。

12:30頃、それまでの痛みが8,9レベルだったのが、なんと、3,4レベルまで下がった。
陣痛が来ても声なんて出ないし、身体は強張らないし、ちゃんと一人で呼吸ができる。なんなら陣痛の合間に談笑もできちゃう。
陣痛が来ても痛くない!!!(痛い)

無痛分娩って最高〜〜〜!!!!!!!!(1回目)

そしていよいよ陣痛の間隔がどんどん短くなり、途中じんよわのため陣痛促進剤を入れてもらいつつ、痛くなりそうな感じがしたら神ボタンを押して。

17:00すぎ、いざ最後のフェーズ!いきむわよ!
8:00の陣痛開始から9時間経過していてめちゃくちゃ時間がかかっているように思えたけど、その実めちゃくちゃスムーズだったらしい。子宮口がそれなりに開く(たしか4cm)まで耐えたのが良かったみたいで、「麻酔を入れたタイミングも麻酔の効きもいいですね」とのこと。痛みに耐えてた時間、報われた〜〜。

そして、あのほら、よく見るあの体勢になって、陣痛に合わせていきむ、あのよく見るやつ。あれをやる。
ここでも無痛分娩の恩恵が。

先生「おしも、切開しますね〜」
私「お願いします!(切るのはさすがに…)」
……………痛くないッ!全ッッッ然!痛くないッッ!!!

無痛分娩って最高〜〜〜!!!!!!!!!(2回目)

先生、助産師さんに「桐谷さん上手!」「もしかしてイメトレしてきました!?してないの!?」「もう何も言うことないわ〜」等とめちゃくちゃ褒められながら……約30分後……

子、爆誕。

ニャ、ウニャ〜。なんとなく頼りなくも、ちゃんと泣いてくれた!よかった〜。
たくさんの「おめでとう」を浴びて、子は検査のために別室へ。
私は子を送り出したあとも例のポーズを取ったまま、胎盤が出てくるのを待つ。いきむとかない。ただ待つ。胎盤娩出までが出産とはいえ割と虚無。

およそ5分後、胎盤がヌルっと出る。ここでも「おめでとう〜」。なぜ?

助産師さんに「見る?」と尋ねられるも、最近グロ耐性に弱い私は全力で首を振る。
別の若い助産師さんが「胎盤かわい〜」って言ったのを「タイバン…カワイイ…?」とこわごわ復唱したら、みんな笑ってた。

これにて、出産、完。お疲れ様でした。


終えてみて・感想編

無痛分娩のデメリット、出産時間大幅長期化は今回運よく避けられて、陣痛開始から出産までおよそ9時間半でフィニッシュ。ググったら初産婦は平均14時間とか出てきたので、これはもう疑いの余地なく安産も安産の部類。助かった。

肝心の出産後の疲労度は、丸一日ディズニーで遊び倒したくらい。これに関しては妹に「あんたがタフなだけや」と評されてしまったので、諸説あり。
とはいえ体力温存できたのは間違いないはず。だって出産後にヒマしてこの記事書いてるくらいだし。

硬膜外分娩の決め手となった体力消耗以外にも、やってみて実感した大きなメリットがひとつ。それは「心の余裕」。

まずは出産に臨む気持ちを作る段階で、よく聞く痛みは7割減だから、初体験となる出産はもちろん怖いけど、痛みに対してはそこまで恐怖を感じなかった。これは大きいと思う。
自宅から病院へ向かうときに「今日が消費期限の豚肉を小分け冷凍しておいて」と夫にお願いできたし。他にも思いつく限りの心配事を並べたら「今それ!?」って言われた。それは本当にそう。心の余裕がなせるわざ、周りの人に恐怖を与えている。

とはいえさすがに出産も大詰めになるとちょっと(ちょっと!)痛くて、泣きながら笑っちゃってたところはある。「情緒がめちゃくちゃになっちゃってるね」と笑われもした。
でも、いざ振り返ってみると、なんて平和でハッピーなお産だろう。出産中に笑えるくらい心に余裕を持てたのは、ほかでもない、麻酔のおかげ。

もしも私が初期段階で「麻酔なくても頑張れます(大嘘)」なんて宣言していたらと思うと心底震えちゃう。

実を言うと。
ヤな人に「痛みを伴わない出産(笑)」って嘲笑されるかもしれない、そんなしょうもないことはちゃんと頭をよぎった。
髪を振り乱し泣き喚き怒りもがき苦しみながらの出産……「正しい出産」はこういったものというパブリックイメージに気圧されて、私はイヤだと首を横に振るほんの少しの勇気をもし持てなかったら。体力なんて残らなかっただろうし、笑う瞬間なんてなかっただろうと思う。

でも、それでも(あくまでも私には)、バカ痛い出産は経験しなくていいことだった。
痛いの怖いもの。そして何より、誰に何と言われようが、隣で眠る我が子、めちゃくちゃ愛おしいもの。

私にとっての「正しい出産」は、無痛分娩だった、てワケ。

無痛分娩って最高〜〜〜!!!!!!!!!!!(締め)


次回に向けて(無痛分娩を考えている人・決めた人へ)

ヤダ…この人もう次の話してる……。
次があるかわからないけれど、どこかの世界線にいる未来の私と、過去の私に向けて。

・自然分娩か無痛分娩で迷ったとき、想像を絶する痛みに耐えられる自信がなければ、無痛分娩にしたほうが身のため。心のため。

・お金がネック?麻酔が効いたあとは「倍払ってもいい」になる。
 ちなみに今回は、麻酔料金が14万、検査費が2万弱、計16万程が出産費に上乗せされた。いや高。

・陣痛バッグに飲み物や軽食を入れろって言われるけど、無痛分娩は陣発から絶飲食だから用意する量は自然分娩の半分でいい。
 具体的には、①500mlペットボトル1本(キャップはストロー付きのものに替えておく!)、②ゼリー飲料1本が最低ライン。今欲しいのはこれじゃない!ってなるのを防ぐために、ゼリーの味変要員がいてもいいかも。

・個室課金してもよかった…かも……。同室メンツガチャ次第なところはある。あとこれも別料金がかかる。こっちは余裕があればでOK。

・麻酔でアレルギー反応が出たことはなかったのに、出産後4日目から蕁麻疹が……。7日目には顔以外の全身に広がってしまった。麻酔が原因かは不明。


蛇足・お気持ち編

ここまでは私の話。
ここからは全母の話。

赤ちゃんの泣き声に耳をそばだてながら、キャワ〜〜〜って助産師さんと笑顔を交わす。
これは自然分娩だろうが無痛分娩だろうが帝王切開だろうが、どの出産方法を選んだ人でも同じ経験をしているはず。

出産直後は緑や紫のまだら色だった宇宙人がだんだん赤ちゃんになって、目元が夫にそっくりで、眉間にシワを寄せて寝ようとしてるところなんてそのまんまで、指や爪が私のそれで、すでに髪がわしゃわしゃ生えてるところなんて私とおんなじで、お腹から出てきた生き物をまじまじと見つめて、それぞれに似ているところを見つけて、名前を呼んだらウニャウニャ言う、その声がこの耳に届く事実を噛み締めて、目の前にいるのが我が子で、母になった実感がじわじわ湧いてきて。

家族がひとり増えるってことが、こんなにも嬉しいなんて。
気がつくと勝手に涙があふれていて、これもきっと全母が体験したんだろうなと、魔法がとけて時間差で痛みに襲われながら(切って縫ったとこちゃんと痛いじゃん…)、そんなことを思った。

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