「低気圧のサボテン」 晴れきれない 漂白剤をまぶしたようなそら もう少し 雨風にあたれば ま…
「早朝出勤のスナップショット」 五月の温暖で 昨夜の雨は蒸発し 湿気を散らして のぼってい…
「降水確率60%を写生して」 湿った空気と 水蒸気と 午後から一時雨のせいで この辺りぜんた…
「瞬間くらい」 樹木の葉いちまいいちまい すっかり春の温度に 暖まった 葉っぱの日光が キラ…
「春を待ちわびて」 高気圧が 西から被されば 低気圧も 東からやり返す 春の指揮者が ぐにゃ…
「詩作」 詩を書きたくて 詩人になった夢を 見て 詩人になりたくて 詩を書いている現実を 知る
「春の見本」 春がもともともっている いろを下地に 四月の花粉と上昇気流と 土壌のにおいと水…
「春のお出かけ」 春の温度の 陽だまりに (睡眠薬の瓶に似たいろの午後) 暖められた生態系は…
ヨコシとはあっという間に 仲良くなった 席も近かったし 帰り道も一緒の方向だった 俺たち思春…
四月の昼寝の底に 背骨のちからも抜けて 落ちていく 今は季節を急かさないで カレンダーを…
誰もが親になれてしまう いいのだろうか 親にも向き不向きがあるだろう バカは親になっては…
座って じっと 胸中に 釣り糸をたらす人を見た ベンチだけが寄り添っていた 吹かれた落ち…
どうしたら きもちよく 居られるだろう あっちにも こっちにも なじめない ちゅうぶらり…
なにをやっても どっちへ行っても その道ならではの 壁にぶつかるだろう やる気を 深呼吸…
気にしなくていいよ 忘れることは きっと 人体のやさしい機能のひとつで 新しいことに向か…
人も景色も心も移ろう 流れのなかで 確かなものを 手に入れたいと思う 確かなものに掴まっ…