【本の感想】シンプルな情熱 アニー・エルノー

アニー・エルノーはこれで読むのは3冊目です。半年くらい前に図書館で予約してやっと順番が回ってきました!嬉しいね〜!図書館で予約してた本は予約してた期間が長ければ長いほど、順番が回ってきた時の喜びもひとしおです。

アニー・エルノーは、ノーベル文学賞を受賞しているフランスの女性作家です。(現在82才らしい)
ノーベル文学賞といえば、わたしの大好きな村上春樹が今年は取ると何度も言われてまだ取っていないとてもミステリアスな賞…
そんな村上春樹にも取れない賞を取った現代の女性作家、しかもフランス人ってめちゃくちゃ気になってすぐに本を読んでみました。
最初に読んだのが①ある女、2冊目は②嫉妬/情熱
わたしはある女はすごい好きで読んだ後泣くくらい好きでした。わたしもこんな風に文章が書けたら、と思わさせられるような素敵な、シンプルなんだけど、とても上手い文章で構成される自伝小説のようなものです。
今回読んだのはシンプルな情熱っていう本です。(リンクは文庫本ですが、私が図書館で借りたのは単行本のほうで、まだ図書カードみたいな借りた日をスタンプで刻印する時代のカードがついてるくらい古いやつでした。)

子供がいる主人公の、年下の既婚の男との恋についての物語です。好きすぎて狂うみたいな。ずっとその人のことを考えてしまって何も手につかないみたいな話です。
自分はめちゃくちゃ好みでした。好き嫌いは別れるかもしれません。まず恋愛至上主義じゃない人からしたら、あまり理解できない文章かもしれない。(お前恋愛至上主義やったんか?)あと男性はどうなんだろう。
私的にアニーエルノーって男性受けどうなんだろ?ってずっと思ってたんですけど、男性ファンも多いらしいですね。
旦那に読んでもらって感想聞いてみたい。

この本はあとがきが長くて本文は短めです。
通勤電車で2日くらいで読み終わりました。それでも、その気持ちわかるっていう女の気持ちがつらつらと綴られていて、ページをめくる手が止まりません。

わたしは最後の一文が好きでした。


ーネタバレー!!ー


「子供の頃の私にとって、贅沢といえば、毛皮のコート、ロングドレス、それに海辺の別荘だった。その後、贅沢といえるのは、知識人の生活を営むことだと信じた。今の私には、贅沢とはまた、ひとりの男、またはひとりの女への激しい恋を生きることができる、ということであるように思える。」


素敵ですね。お後がよろしいようで。

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