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Perfect days 感想

最近、母とこの映画を観た。きっかけはSHISHAMOのメンバーである宮崎朝子ちゃんがストーリーでお勧めしていたからだ。

この映画はヴィム・ヴェンダースというドイツ人の方が監督したもの。私は初めてこういう雰囲気の映画を観たので、とても新鮮で、「こういうのを探してた!」という自分の中にぴったりくるものがあった。

私は、役所広司が演じる主人公の平山が過ごす日常に惹かれた。

朝起き、布団をたたみ、顔を洗って、植物に水やりをし、家の近くの自販機の缶コーヒーを買って、好きな曲をカセットテープで流して車で行く。

淡々と日々を過ごしているだけだが、1人神社にあるベンチに座りながら木々を眺める、そんな穏やかで日常の小さな幸せのようなものを感じて生きているのに心地良さを覚えた。

でも幸せなことだけではなく、この人の過去にも辛いことがあったのだろうと思われる場面もあった。

詳しく描写されている訳では無かったので余り分からないが、大切な人と別れるという経験が、人が孤独であり、そしてそこから強くなる主人公を描いていると解釈した。

まだ高校生の私は「これが人生かあ、、」と心に沁みた。(知ったような気になっているだけなのだが、こういう体験が自分を成長させると思っているのでどうか許していただきたい所存である)

同じトイレ清掃員として働く、柄本時生演じる「タカシ」が金欠で、平山が持つカセットテープが高値で売れるから、と売ることを勧められるシーンがある。結局平山は断って現金を差し出すが、ここでは自分のカセットテープを大切にしているのが分かる。お金では変えられない値段以上の価値が彼の中でついているところが良いと思った。

自分の持ち物や周りにいる人のことを大切にできる人は素敵だと思うし、自分もそうでありたいと思う。
だからこそ、安くすぐに壊れてしまうものよりも、多少高値でも自分が気に入った1つの物をかけがえのないものとして扱いたいと思う。(たまに見つける、安い尚且つ自分が気に入ったデザインや性能をもつ物はもっと最高だ)

音楽が大好きな私はそのシーンのカセットテープが沢山売られているお店に惹かれた。どうやら下北沢にこのお店があるらしいので行ってみようと思った。好きな映画や本、音楽に出てくる場所を巡礼することに憧れていたので丁度良い。こういうのはちょっとした冒険みたいで好き!

世知辛い世の中でも生きていれば良いこともあるし、報われないときもあるがそんな時も前を向いて歩こう、そんなメッセージがこの映画には込められているのではないかと思った。


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