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【読書ノート】宙ごはん/町田そのこ

宙ごはん/町田そのこ 小学館


タイトル:宙ごはん
著者:町田そのこ
読了日:2024.3.27
時間:約5時間
ページ数:403ページ


「ママ」と「お母さん」2人の母親をもつ宙は「さいこーに幸せ」だった。
育ての親であるママ、風海のもとを離れ、生みの親である「お母さん」花野と暮らすことになった宙の愛を探し成長していく物語。


母親、家族、愛すること、別れること、それぞれをテーマに章が進み宙の成長を描いている。
幼少期の宙は、大人のあるべき姿、母親のあるべき姿という理想に正義を掲げていた。
宙と暮らしたばかりの花野が宙を苦しめたのは想像に易い。
しかし花野が娘をどう愛せばいいのか、娘からどう母親として愛されたらいいのかわからず2人がすれ違う様子がもどかしい。


母になった私は、改めて母親であることに自信をなくした。
子どもってこんなに純粋に愛を求めていたんだと正直驚いた。
宙と花野は宙が成長し大人になったことで、
また、花野が歳をとり穏やかになったことでお互いが歩み寄り親子になったと感じた。


本を閉じた感想は、はぁ、とても苦しい。
何回読んでも毎回違うところで泣きそうになるんだろうと思う。
その時の環境とか心境で刺さるシーンが違う物語だ。
そして特別、佐伯のことを思うと心臓がずうんと重くなる。


作中ではいろいろな家族のが登場し、宙は出会っていく。
それぞれの家族は複雑である。
宙が関わっていくとことで環境が穏やかになる。
そしてタイトルにもある通り、食事が人を温めて繋いでいくのだ。



さて、私はどんな母親になれるのか。
愛に飢えたこともあるが、これまで出会った人にもらったたくさんの愛を返すように、娘にたくさんの愛を伝えたい。

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