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VOL.34「費用対効果ってなんなん?」

「くりきんとんがゆく」は、毎月第一金曜日、FM川口が午後7時からお送りしているラジオ番組「メタリックフライデー」で、DJおやっさんが担当するコーナーです。ここには、そこでお話した内容を記録していきます。

2024年7月5日放送分より。。。

BGMは、Redemption Song(リデンプション・ソング)。映画の中では家族の前でボブマーリーが弾き語りするシーンが印象的でした。生前最後のアルバム『Uprising』のラストを飾る曲。ボブ・マーリーの遺言状ともいわれる名曲。カバーは、ボブマーリーのコーラスを務めたアイ・スリー。サウンドカフェでは山崎まさよしのバージョンをかけてもらいました。

費用対効果ってなんなん?

さて。今日のテーマは「費用対効果ってなんなん?」です。費用対効果って、まあ、わりと普通に聞く言葉かな?とも思います。もうちょっと平たく、コストパフォーマンス、コスパなんて言いますね。計算式で言うと効果を費用で割る。すなわち、支払う費用に対し得られる効果が高いほど、コストパフォーマンスが高いってことなんですよね。少ない費用でたくさん儲かる方が、そりゃあ、まあ、いいわけで。逆にいろいろとお金かけた割には元が取れてないなんてことになると、非難の的になるわけです。そんなに難しい話ではない。ただですね、具体的に費用対効果が得られないことって、多々あるんじゃないかと思うわけです。それを十把ひとからげに否定していたら、世の中に新しい何かなんて生まれてこないだろうって、思います。

例えば、川口まちこうば芸術祭

例えば、川口まちこうば芸術祭っていう催しがありました。市内の町工場5社が集まって、計画を始めたときに、採算のことは度外視すると決めました。バックには商工会議所さんがついてくれましたけど、担当者レベルでは、頭が下がるくらい協力的にやってくれましたけど、役職の上の方々を納得させるのが、本当にたいへんでした。持ち出されるのが、その費用対効果ってやつですよ。予算を使う以上、その催しを実施するとどのような利益があるのか、数字で示す必要があると。しかも、単年度で。それを前提にされてしまうと、一歩も前に進まなくなってしまって、押し問答ですわ。

結果としては、地域文化、産業の活性化の名のもとに、いってみれば強行開催して、たくさんの市民の皆さんの賛同を得ることができたわけで、使用した市の施設も開館以来の入場者数を記録して、そういう意味では大成功だったわけです。じゃあ、費用対効果も高かったのか?と言われたら、むしろ赤字であることは間違いないです。そもそも収益はほぼゼロですから。

静岡の浜松市に行ってきました

静岡の浜松市に行ってきました。浜松といえば、スズキ自動車やヤマハとか、大企業がひしめく一大産業地で、大都会です。もちろん、中小の製造業、町工場もたくさんあって、巨大なものづくりの街です。その浜松の信用金庫さんが運営するFUSEっていうコワーキング施設があって、そこで町工場プロダクツとの共催イベントをやってきました。平日の開催にもかかわらず、ほんとに大勢のかたに参加いただいて、有意義な交流会となりました。

二日目は、浜松からローカル線に乗って、天竜二俣地区っていう少し山間部に行って、その地域でも交流の場を設けました。同じ浜松市内でも、がらりと様子が変わって、のどかな田舎町。川が流れ、山があって自然豊かで、とても暮らしやすそうなところでした。ただ、こういった地方ならではの課題もたくさんあって、やはり、人口の減少というのがいちばん。商店街もシャッター通りとなってしまって活気が失われていると。そこでUターンで戻った若いひとたちが、古いお店をリノベしてカフェをオープンしたり、ひとが集う場をすこしずつ作って、活気ある街を取り戻そうと頑張っている話を聞きました。

今回、交流を持ったのは、我々みたいなものづくりをしている人、企業が、新たな街づくりに関わることで、なにか新しい風を吹き込むことができるんじゃないかと。課題解決の糸口が見つかるかもしれない。みんなが集まって意見交換する場を作れたことは、すごく大きな意味があったと思います。この動きは継続していくことが大事だし、短い期間で結果が出せるような話ではない。行政や公的な機関の協力を仰がなくちゃいけないはず。そのときに、費用対効果にばかり重点がいってしまうと、将来に目を向けた事業が空中分解しちゃう恐れもあると思うんですよね。立派な事業計画を立てて、大々的な事業を起こすことも必要かもしれないですけど、小さな成功(もしくは失敗も)を重ねて、少しずつ前進していくとこにも意味があるんじゃないかな?と。

たくさんたくさん、いろんなことを思って帰ってきて、まだ頭の中の整理ができていないのですが、自分がいままでやってきたこと、これからも続けていこうと思っている活動と、つながっていることは確かだなって思った二日間の旅でした。

まずは行動?

なにか新しいことをはじめる、チャレンジしようと決める、そのときに最初に考えることは、費用対効果ではないですよね?衝動?熱?湧き上がったエネルギーを何かのカタチへ昇華させたいと考えたとき、もちろん、無謀な計画はまずいかもしれないけど、まずは、動き出すことでしょ?で、ひと息、冷静な自分を呼び戻したときに、実現可能?継続できる活動になるのか?という問いを投げかけてみる、という順でよくないだろうか?

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