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2023年のIT Serviceチーム実績について

この記事はcorp-engr 情シスSlack(コーポレートエンジニア x 情シス)#1 Advent Calendar 2023の9日目の記事です。

https://adventar.org/calendars/8868

更に今回は特別に…。

この記事はServiceNow Advent Calendar 2023の9日目の記事です。

https://qiita.com/advent-calendar/2023/servicenow

内容の骨子がある程度見えた時点で内容的にServiceNowの割合が多いなーとポストしたら誘われましたので、今回はクロスポストで失礼します。


閑話休題。

2023年もおしまいですね。今年も色々あったなぁ…。
ということで弊社メンバーが今年実施したことを一部ご紹介したいと思います。
なお私がやったことは都度書いたりしているので除外します。
もし気になるという奇特な方がいらっしゃったらこちらを参照ください。


IT Serviceチームとは

株式会社アカツキのサイトではコーポレートITと記載していますが、社内で呼称しているIT Serviceチームで記事内では統一しています。
IT Serviceチームはいわゆる情シス・コーポレートエンジニアと呼ばれるチームで、ヘルプデスクから全社システム、サービス、ネットワークなど様々な基盤の選定・設計・導入・運用を行っています。
対象範囲やチームのミッション、考え方など詳細はよくまとまっているページがあるのでそちらを参照ください。

IT Serviceチームの基本方針とは

IT Serviceチームの基本方針であるミッションは以下の通りです。

  • 安心して働ける環境を提供する

  • 業務に集中できる環境を提供する

  • 効率的な企業活動が可能になる環境を提供する

また、アカツキは企業価値を高める活動をITの力でサポートすることができている状態を維持するため、全体最適に取り組んでいます。

取り組みの一部としてServiceNowがあります。
2年前にServiceNowの導入を始めた時からの遷移は以下の通りです。

よくある部署単位でのスプレッドシートを使った管理から、ServiceNowを活用した情報の一元化に向けて取り組んでいます。
ただ目下の課題を解消するのではなく、中長期的に何を目指すのか、なぜその状態にするのかを明確にした後にどうやって実現するかを模索しています。
そのため、1年で成果が出ないのは当たり前。2年3年でようやく軌道に乗って全社への周知ができるかも、なスピード感で慎重に、さながら液体が浸透していくかのようにじわじわと進めています。

勿論フットワーク軽く進めるメリットもあるかと思いますが、一方で今のやり方は現場の理解度に並走する形になっているため、何か新しいことを押し付けたりお願いする事が少なくなり、皆さん自発的に改善に取り組もうとしたタイミングで既に準備完了な環境になっているのはアカツキの文化にマッチしているなと思います。

ゲームなどはリリースのタイミングを半年でも逃すと売上に大きな影響が出ますが、コーポレートに関しては当てはまらないと思っていて、Generative AIを始めとした多くの技術は未だ発展途上であり、アーリーアダプターとなるメリットはあるものの、極論それで会社の売上が上がるわけではないので寄り道せずに自社にマッチした構成を全体最適化させることにウェイトを置いています。

さきの図にもあるように、ServiceNowも徐々に起動に乗せていますので導入して2年経っても従業員からすれば問い合わせや申請関係がちょっと変わった程度にしか見えていないかもしれません。

今後会社規模が大きくなってもコーポレート側はしっかり並走できる体制を今から築いていくべき、と考えています。

それを踏まえて今年チームメンバーが実施したことの全体のうち、一部をピックアップしてご紹介します。

1.SaaSライセンスの自動付与・返却

ServiceNowのCatalog ItemとFlow Designerを用いてZoomなどのライセンスの付与・返却を自動化しました。

大まかな流れ

仕組み的にはiPaaSでも出来ると思いますが、Software Asset Management (SAM)も別軸で稼働しているので、ほぼリアルタイムで利用ライセンス数が把握できる環境となっています。
対応したライセンスの棚卸しは過去においてきました。

今までは申請をもらってからメンバーが手動でライセンスの付与や返却対応を行っていましたが、この仕組みを導入したことで対応したサービスについては人的リソースがほぼ0になっています。
今後も可能な部分からじわじわと全自動で動かせる仕組みを導入することで組織の急なスケール向上に対応することが出来ますし、メンバーがより生産的な作業に集中することが出来ます。

大体申請してから付与完了まで10秒以内で終わってます

これによりヘルプデスクチームの工数を減らしつつ、従業員の急な要求にも対応可能、かつ属人性も排除された仕組みが完了しています。

単純にライセンスの自動付与ならいくらでも方法はありますし、それ自体は目新しくないと思いますが、ServiceNowで実現していることで毎月どの程度ライセンスが使われていて(申請されていて)、使用されているライセンスがどの部署でどの程度使われているのか、などの分析にシュッと回せるのはServiceNowならではと言えるでしょう。

2.一定期間チェックインのない端末へのリマインド

会社貸与のPCが一定期間チェックインされていない場合、所有者に現物確認を促す通知を行う仕組みを作りました。

リマインド通知時
チェックイン確認後

こちらも仕組み的には目新しくなく、GASなどでも容易に構築可能ですね。
ただデバイス情報やユーザー情報はBigQueryで代替出来ても、チケット管理まで行くとちょっとまたがるシステムが多くなって複雑になってしまいますねー。

本人にスタンプを押してもらうことで自動化しつつも当事者意識を持ってもらう

ServiceNowで構築することでデバイス情報やユーザー情報などを1つのDBから取得することができ、何千台とある端末をスプレッドシートのように容易に編集可能なシステムではなく、CMDBというアクセス制限もアクティビティログも十分に取得できる環境で構築すると、より情報の信頼性が向上します。

これによりヘルプデスクはイレギュラー時のみ確認すればよく、チェックインされたかどうかも含めてシステム側で機械的に処理するため、工数や属人性も極力排除することが出来ています。
また、所有者は最低1回/月は現物を触る必要があるため、棚卸しも兼ねた現物確認と紛失防止にも役立っています。

3.Notionの管理機能強化+社内統制

Notionを各部署でバラバラに導入していたのを、管理機能強化に伴いIT Serviceチームで管理できるように整理しました。

Before
After

Notionは以前から各部署で活用が進んでいましたが、会社として管理するには機能が足りておらず、バラバラな状態でした。

今回チームスペース機能をはじめとした管理機能が強化されたことで整理がしやすくなり、コーポレート部門など既に導入されているConfluenceを余り活用できていなかった部署へも案内しやすくなりました。
どうしてもアクセス管理をお任せするのが難しいと安易に「これいいですよ」と言いづらいですが、SAMLもあるので安心してオススメできるようになりました。

4.ServiceNowの市民開発

市民開発というとどうしても導入事例として上がってくるのは「プログラミング出来ない非IT部門が」とか「誰でも簡単にノーコード・ローコードで開発」が表に出がちで、管理運用を二の次にいい部分だけクローズアップしているようで非常に違和感があったわけですが。

アカツキの市民開発はちょっと違います。というかやってて「そういやこれ市民開発か」と気づいた感じですねー。

実際にやっているのはIT Serviceチームのヘルプデスクや問い合わせ対応をメインで行っているオペレーションチームになります。
現場第一線で活躍しているメンバーながら、確かにプログラミングなどは苦手ですが、ServiceNowのプラットフォームを最大限活用するための一定のルール・仕組みを啓蒙しやすいため、非常にマッチしたメンバーになります。

更に、情シスでありがちな「最初はPCキッティングやヘルプデスクから始めるとして、その後のキャリアどうしよう」問題についても、会社として一定の提示が可能な状態になっています。
各種SaaSへの知見は通常業務で養いつつ、ServiceNowのCatalog Itemの修正など軽微な修正から順次ナレッジを吸収していくことで、全体最適についての知見を得ながら自身のキャリアの選択肢の幅を増やすことも可能です。

単純にZapierやGASを使って個別最適でいい感じにする(EUC)とは異なり、効率化をどんなに進めても属人化されにくく、どの部門も統一して一つのプラットフォームで作業を行える点がメリットになります。
更に現在ServiceNowの利活用を推進しているメンバーからのセキュリティやフロー周りのフォローアップもあるため、正解がわからないまま闇雲に取り組む不安感もなく、管理体制も明確でブラックボックスになりません。

チーム一丸となって取り組むことで人員不足にも一定の改善が見込めるため、来年はさらなる連携を目指していきます。

5.オペチームの実績状況

上記はIT Serviceチームの中でも運用や課題解決を主とするプランニングチームの実績が中心ですが、もちろんオペレーションチームも負けてはいません。

まずは定常業務である問い合わせ件数から。

毎月400以上の申請と100件程度の問い合わせを捌いています

更にPCキッティングや各種SaaSの契約更新・ライセンス追加から(総務機能もあるため)荷物の集荷対応など多岐にわたる活躍があり、アカツキの縁の下の力持ちですね。

チーム体制としては今年2名Joinし、チームに馴染むようにじっくりナレッジの共有や作業のルーティングを行っているため、現在1名長期休暇するも十分内部で対応できる体制となっています。
平時は80%くらいの稼働で回せるように体制を整えているので、残業もほとんどありません。(長くて1時間くらい)
出社率は業務内容上高めになっていますが、チーム内で調整してリモートワークも可能です。

その中で上記4にあるServiceNowの市民開発(申請書の修正)を進めることで、PCキッティングや問い合わせ対応だけではないキャリア形成にもチャレンジしています。

We are Hiring!!

そんなIT Serviceチームですがまだまだやることが溜まっているのでメンバーは常時募集しています。
これは入れ替わりが激しくて…とかではなく、単純にやること多くて人手がまだまだ足りていないからですね。
ヘッドカウントを設けていないので出しっぱなしになっているように見えますが、ある程度人が入ったらチームに馴染むまでしばらく募集控えたりと実は細かく調整していたりしています。
優秀な人材がこちらが欲しい時に都合よく転職活動しているとは限りませんしね。

カジュアル面談出来ますし、そこまでかしこまらずにラフに話聞きたいという方は、情シスSlackなりXなりで私にお声がけいただければラウンジ案内がてら紹介させていただきますのでお気軽にどうぞー。

プロフェッショナルな方は勿論、20代のフレッシュな方もお待ちしています!

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