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ちゃんぽん「呑みはじめ」観劇感想

はじめに

  • 呑兵衛ユニットちゃんぽん、旗揚げ公演『呑みはじめ』の観劇感想です。

  • 各お話のネタバレしかないんですが、ちょっと、あの、大変申し訳ないのですが文章量による熱量の差みたいなものがちょっと見え隠れしているので、ほんと、平等にしっかり書けなくてすみません!その点ご了承ください。

つかれた

  • 女性2人による会話劇。方や元アイドルの歌手、ニイナ、方や現役アイドルのままに間違って死んでしまった幽霊(もとい地縛霊)のユウコ。ユウコのぶりっ子奔放さに振り回されながら、自身のデビューイベントに出るため、幽霊を成仏させるためにあれやこれやと手を尽くすニイナが、見て見ぬふりをしていた自身の内にある恐怖と向き合うお話。と、いう印象を受けました。

  • 前半はコメディ寄り。突然目の前に現れたユウコに怯えつつもなんとかライブに行きたいニイナがあれこれを手を尽くすパート。聞きたいよーーーーーーーーーーのくだりはズルすぎんか??って思いながら毎公演笑ってたし、ユウコの死因がまさかの窒息死なのも、笑っちゃいけないんだけど笑ってしまったり。

  • 自身のデビューイベントに対して「いっしょに歌うくらいいいじゃん!」というユウコの発言に、イラっとするのはわかるわ~~って気持ちで見てました。晴れの舞台っていうのは変わらないわけで、やっぱり思い入れはあるんだなぁって思ったり。だからこそ、それくらいいいじゃんって、軽んじられたらイラっとするよねわかる~って見てた。

  • ここからの若干のホラー要素というか、あらためてニイナがユウコのことを本物の幽霊なんだって認識して、自分の中のデビューイベントへの恐怖を自覚するくだりめっちゃ好きでした。ユウコの、ずっと見ていたからわかる。理解できる。っていう言い方が人間同士の共感っていうよりは、何もかもを見通している人間じゃないそれに聞こえた声色とか立ち回りは本当にshaoさんお見事過ぎるし、それを受けての佐河さんの怯え→恐怖への感情の変遷も素晴らしかった。役者さんとは言え、泣けなかったりすることもあるし、とはいえ泣いていることを表現する手法や方法はたくさんあるわけで、それが悪いとも思っていないんですけど、ほぼほぼ毎回本当に涙がこぼれてて、すげぇ!?って思ってました。一方その対比なのか、絶対に泣かない、ふざけ要素以外で強い感情を露わにしないっていう芝居はほんとshaoさん凄かった。すごいを通り越してえぐかった。人は二度死ぬ、二度目は人から忘れられたとき、っていうくだりで、みんな忘れていったのにどうしてここにいるのか、成仏できないのか。困惑と、本当に死んでしまうことへの恐怖と。泣きたいくらいの感情なのかもしれないけどそれでも泣かない。泣けない。っていうのはそのあとの下り込みでとてもぐっと来ました。

  • 2人してあややが憧れのアイドルっていう下りで意気投合した時、なるほどなーってなりましたよな、男女がっていうか、なにか共通項見つけると、よほどのことが無い限り、喧嘩してようがなにしようが、相手に対しての共感とか情が生まれるから、仲良くなれるんですよね……なお脳内では「1秒で笑顔つーくれるー武器があるーあーたしーたちーにはー」が流れていたとかなんとか。(どうでもいい)

  • 「もう忘れていいよ」は、ほんとだめだって……ユウコのそれを言う前の逡巡も、笑って言うところも、全部だめだって……あんなんずるいじゃん、言われて忘れられるかっていう話じゃん……その前に全員から忘れられたら二度目の死を迎えるって自分で言っててそれを言うってことは、死を覚悟してるってことじゃん……ここはほんとにすごく凄く胸を締め付けられました。

  • 最後の歌「足跡」、これ歌割は演出家ですか!!考えたの!!誰が考えたかわからないけど天才かよ!?って思いました。最初は不安そうなニイナと笑顔なユウコが、二人とも主旋律歌ってるんですよね。ニイナは表情もガチガチだし。でも、それを歌っている表情とか声の力強さみたいなもので、ユウコが導いていってるじゃないすか…大丈夫だって伝えているっていうか…それを受け取って、ニイナの表情がどんどん明るくなるし、声も力強くなるんですよ…それを受けて、ユウコがハモリになり、最終的に大さびはもう歌わなくなるんですよ……ニイナが一人でしっかりと、のびのびと歌えるようになったのを見届けて、そっとつないでいた手を離すんですよ……でも、この時でもやっぱりユウコは泣かないんですよ……毎回ここはほんと泣きそうになってました……これはダメだって…天才だって……死別とか離別っていうテーマは私弱いんでほんとありがとうございます……

モラトリアム四十路

  • 俳優を目指す20代と何者かになろうとした20代が出会い、苦楽を共にした20年後、ボロアパートの中で紡ぐ日常の話。なんか、テスト勉強なんてしないよなーって言ってて本当にしない人ととはいえなんだかんだちゃんとやってる人。みたいな印象を受けました。

  • 公式HPの概要見てたらこーたじゃなくてコン太だったけど果たしてどっちだ\(^o^)/。なんだったら当日のお芝居はエビス様もって帰宅したコン太とゲーム夜通しやってた志朗って逆ぅ!?ってなってたから色々と変わったのかなぁなんて想像しました。以降こーたとしろうで書いていきます。

  • でっどばいでいらいとやってるこーたさんお上手。てか飽き性だけど実は優秀でなんだかんだ経験してとれるものは一通りとってるあたりに如才の無さが見え隠れするのが恐ろしい人…!?ってなりますね。だけど愛嬌なのかなんなのか、おじさんかわいいなってなるからほんと何から何までずるい人なのでは?とか思いました。

  • 40代俳優志望、ギャランティ要らん、受かって喜んでいたのはまつざかとおりの兄貴が住むマンションの隣に住む夫婦の従妹の旦那役(役名あり)しかも要らなくなったと後から言われてしまう。……いやぁ…しろうさんがんばれ……がんばって現実を見つめてくれ……って気持ちになってしまった私がおります。とはいえ一方で、こーたさんからも冷たすぎる同居解消を言われてしまうあたり、かわいそうかわいいが詰まってましたね(観客としての傍観者だからそう思うんだろうと思いますが)

  • 40代でおじいちゃんになれるというお話と、グルコサミンが送られてくるくだりと、ぺやんぐソース焼きそばなCMと、ふぃーりんぐぅ~♪と、マイネームイズリチャードギアのくだりは刺さるポイントなのだろうかと思いつつ、おじいちゃんと「心配なんだよ~息子の関節が」には毎回じわじわ笑ってました。ふぃーりんぐとリチャードギアが分からず年の離れた友人に聞いたら動画URL諸々が送られてきたので後で見ようと思います\(^o^)/

  • ところで私とても気になっているんですが、エビス様とギガマックスはマジで毎公演ガチで飲み食いしてたんですか?ギガマックスはそうだと思うんですが、エビス様のどぼとけ動いてるときと動いてないときがあったような気がしてまして(見間違いならそれはそれで)

  • キレたしろうと逃げるこーたっていう図が生まれるわけなんですが、後半の公演はのってきたねぇ!って感じで、自由にのびのびアドリブが入ってました。最終的に二人して笑い転げてしまうっていう流れへ至るのが、なんか、後のほうの公演になるほど、より深まっていったなぁって思いました。

  • PMCのお二人はほぼ初見(井上さんははぶ談戯さんのにじゅう、横尾さんは同団体のやわらかい扉をDVDで拝見)でした。なんか…とても良かったです……いやぁいいすね………なんか、お二人ともがすごく楽しそうに芝居されてたなぁって思いましたし、そんなお二人はお二人とも、なんか、ずっと見ていたいって感じたというか…いやぁいい役者さんだなぁ…(語彙は無いです)

  • ツイートしたのに書きそびれてたものがあったのを思い出したので追記。井上さんのシロウ。わいわい盛り上がってたわけなんですけど、最後、せっかくの役がなくなった時の電話の時の芝居、特に目の芝居っていうのがめcっちゃよかったんですよ。よく、「目から光が消える」とかって表現あると思うんですけど、まさにそれで。アニメとか、小説特有の、でもわかりやすい表現なのかなって思ってたんですけど、芝居表現としてそれってできるんだ……!?!?すげえな!?!って思ったんですよね……。

  • 横尾さんのこーた。特筆してここが好き、みたいなのは実は無く、むしろ一挙手一投足全部いいというか、かわいいというか…かわいい…どうしてあの40代ゲームがっつりやってる陰キャ的なおじさんがかわいいんだ……?って自分で困惑するくらいにはかわいいんですよ……細かい動きなのかな、とか、声とか、表情なのかな、とかは思うんですけど、具体的に言語化ができない…悔しい……ってなってました。

午前8時、ちょうどに

  • 8時までに脚本を書きあげて金を手に入れ、それを闇金に振り込まないといけない落ちぶれた脚本家安藤と、それを見張る闇金側の人物である吉田による、ある一夜のお話。

  • 「ぱくりっすよね?」「オマージュだ」「オマ!?」「…オマージュ」のくだりすごい好きなんですよね。あんだけ売れっ子風な相貌や様相をしている安藤が、これ以降だんだんダメなおじさんというか、ええかっこしいな脚本家っていう視点になっていくわけなんですけど、そのトリガーがここなんですよ。いやー吉田に容赦なくツッコミいれられていく安藤が不憫かわいいのなんのだって。キレッキレでニコニコしながらツッコミしていく吉田のいい笑顔がまぶしいのなんのだって。

  • おもむろに支払いができなかった場合に、安藤がどうなるのかを語りだす吉田。0→1 にする想像力は無くなってしまっている安藤が、しかしとはいえ今後自分に降りかかるあれこれを脳内で生々しく想像してしまって執筆の手が止まるところはとても好き。「ぶっちゃけ安藤さん、ボスのタイプなんだと思うっす」からめっちゃ笑ってる吉田はとてもかわいいというかあれ後半に行けば行くほどめっちゃ笑うじゃんってなっててとても好きなんですよな……。それを受けてますます安藤さんも表情こわばらせるし。

  • 「とあるって書いとけばそれっぽくなると思ってるじゃないすか!」の後に、安藤がお酒飲んだりタバコ吸ったり集中しろ、落ち着けってめちゃくちゃ焦ってるところ、なんか、実際に死が数時間後に迫ってる人だよなぁって思えてとても好きです。オーバーかもしれないけど、でも、「数時間後までに話を書ききって金を手に入れないと自分は死ぬ。でもネタは降ってこないし全然書けない」って考えたら、そりゃ取り乱すよなぁって思うので、すごく生々しくて好きです。…あの、とあらない三段活用はほんと、初日以降見れると思ってなかったんで、なんていうか、ありがとうございましたの気持ちでいっぱいです……。「とあらない…とあっちゃだめだ……!!」って言いながらタイピングしようとする安藤めっちゃ好きなんですが、こう、解釈不一致とか演出指示とかも全然あると思ってたんで、ほんと、なんか、すみませんの気持ちです。

  • 「ふじわらいおりみたいで!」の時の感じではなく、なんか、多分『どっかで聞いたことあるなー、てか読んだことあるなー。なんだっけ?あ。』「ゲッタウェイすね」「えぇ!?」みたいな逡巡というか、安藤が意気揚々と語りだすバーボンで始まる物語を聞きながらなんか考えてるっぽい表情してる吉田はとても良いし、ゲッタウェイすねの後のあらすじがめっちゃ早口なのもとても好き。

  • 上の句と下の句にわかれるコンテンツのタイトルを3つずつ書いて、それをランダムに引き、該当するタイトルの映画のプレゼンをしなければいけない全公演ランダムアドリブのお時間がやってまいりました。いやーーほんとお疲れ様でした…!!!一方で、めっちゃ笑ってました。面白いしかなかったけど、シン・アンパ〇マンが白眉かなぁ。ガン〇ム引っ張り出してきたのはほんと天才だった。でもバイキ〇マンいれてほしかったなぁって思っていたとかいないとか。気になる人はあらすじをおまけでまとめているので見てください。

  • さて、この時間を経て、安藤は何か思うところがあったようです。吉田と話をしていると、何も思いつかなくなっていた自分なのに…!みたいな、ちょっと戸惑いつつも楽しそうな安藤。時間は6時を過ぎてしまい、パソコンに向き合うものの、やっぱり思い浮かばない。吉田をちらっと見て、吉田の人となりを聞き出そうとする安藤、なんか、吉田とおしゃべりしたいんだなぁって感じしてかわいいんだよなぁ。

  • 一方話し出す吉田は、ちんぴら風な話し方とは裏腹に、それなりに地位があり、なかなかの苦労をしてきているらしいこと、自分の存在が無くなっていることを平然と笑いながら話すのは、ほんとねーーありがとうございますっていう気持ちになった。あくまで飄々としたまま自分の後ろ暗い過去をオブラートに包みつつ話すっていうキャラクターも性癖なんでほんとありがとうございます。本性?演技?で銃を突きつけたり恫喝する吉田はかっこいいし、恐怖に震える安藤は一般人だし、ほんと最高です。吉田の言葉を受けて、このあたりから、死への覚悟を恐る恐る決め始めた安藤の表情が良いんだまたこれが。

  • 刻一刻と期限が迫ってきて時刻はもう十数分前。何かを決めたのかパソコンを閉じて吉田に水を向ける安藤。人生をやり直せるならどうしたいか。「この状況から抜け出したい。物書きにもあこがれている」と告げる吉田に、「自分よりも向いていると思う」って答える安藤の表情が切ないのなんのだって。想像力とか、自分にはもう無いものを持っている人物を目の前にして、憧憬とか羨望とか、とはいえ自分はもう死んでしまうからという諦観とか、なんか、複雑な感情が渦巻いている感じというか。そのあとに「もう書けない」ことを口にする安藤もしんどいんだ……。口にするってことは、自分で認めるようなものというか、目を背けてきていたものを眼前に突きつけられた感覚っていうか、自分で線を引いてしまうというか、そういう感覚があるわけで。脚本家が書けないってことを認めたっていうそのセリフは、どれだけの絶望がこもっていたのかって考えると本当にああこれ打ってる今もしんどいっす。吉田から話を振られた安藤は、人生を変えられるならと話をするわけなんですがテロパラが好きだからこそ、やはりハードボイルドがいい。でも、それを言っても自分はもう、みたいなのもーーーしんどいんだーーー!!!

  • 覚悟を決めたものの、歴戦の勇士でもなければ銃におびえる小市民でしかない安藤は、やはり恐怖に震えるし、後悔も吐露する。でもそんな安藤を他所に、何かをずーっと考えている吉田がいるんですよね。そして、吉田が閃いて、決意すると。「今日の出来事って物語になりますよね!」「ここから逃げましょう!」「俺最高のバディになれると思うんですよ!」恐怖におびえて、困惑していた安藤を奮起させる吉田っていうのが良い図ですよな……この一連の流れの吉田めっちゃ好きなんですよ……。吉田のいう「最高のバディになれると思う」の意味を理解したことで、その勢いに乗って想像力を刺激されてどんどん入力していく安藤。そしてタイトル回収。いやーほんと流れが素晴らしすぎて最高だしほんと穂科さんは天才ですありがとうございます。

  • 垣さんのお芝居を生でちゃんと見るのは実は多分初めてな気がします。配信とかではちょくちょく拝見したことあるんですが。いやーほんとありがとうございます。吉田最高でした。それまでへらへらしてたのが「最高のバディになれると思うんすよ!」って言ったときは、笑ってたけど、本気を、安藤とバディになりたいとか、ここを、この状況を抜け出したいみたいな感情が伝わってきて、いやほんと、すごくよかったです。

  • 加藤さんはもうなんか、なんですか、最近お父さんとかおじいちゃんとか熱い想いや芯がある兄貴とか、軍人とかそういう大人としての厳格で強い芝居に関してはもう素晴らしっていうイメージはある程度定着してると思うんですけど、そんな加藤さんが安藤を演じるわけですよ。一般小市民としての怯えとか恐怖の様とかええかっこしい部分とかっていうのが、ほんと最高でした。しんどくて最高っていうのはほんと最of高って感じでした。感想書くのに1週間かかったことないくらいには語彙が無かったです!!素晴らしかったです!

終わりに

  • 三作品それぞれに最高で面白かったです!!つかれた、に関しては、最初にやったときは配役が逆だったとのことで、それを聞いて、その逆のやつも見てみたい、とか、各作品での役者逆転とか、シャッフルとか、いろんな人で見てみたいなと思いました。この1回切りで終わらすにはもったいないくらいの、素晴らしいお話を穂科さん本当にありがとうございました!!!

  • また、ちゃんぽんメンバー5人の長尺のお芝居も見てみたいな…とか…思いました…。楽しそう……( ˘ω˘ )

  • ということで、結成公演、お疲れ様でした!そして、素晴らしい物語をありがとうございました!二杯目も、楽しみにしています!

おまけ:勝手にまとめたガチのあらすじ

シン・ア〇パンマン
全裸ロケット
七人の生きている
太陽にラブ
カンフー派出所
笑う奇想天外
美少女戦士今を撃ち抜こう

https://twitter.com/piss1028/status/1546092041155014658

※作品名・固有名詞については、このnoteにおいては一部伏字とさせていただいております。

シン・ア〇パンマン

突如として東京湾に現れた巨大なパン生地
そのパン生地は意志を持つのか、次第に東京へと侵入し、蒲田までその領域を広げはじめた。
時の政府は、かの高名なマッドサイエンティスト「ジャ〇おじさん」にパン生地の対応を依頼。
ジャ〇おじさんは、まず、巨大あんこを投下してパン生地を撃滅しようとする。しかし、そのあんこはパン生地に包み込まれてしまい、全く効果がない。
それを受け、ジャ〇おじさんは、パン生地というからには、焼けば撃滅できるのでは?と焼却作戦を思いつく。
超巨大なパン生地を焼くためにはどうすればいいのかと考慮の末、ジェット機の噴射口から放たれる熱を多数の方向からパン生地に向けることで、パンを焼くという作戦を思いついた。
実行されたそれにより、パン生地は焼かれ、超巨大なパン、それも、アンパンになった。
だが、ジャ〇おじさんはさらに思考する、撃滅するに至らず、むしろ頭部のような形で超巨大アンパンが生まれてしまった。
むしろ、有効活用すべきなのでは?と、考えた末、横浜に建造されていたガ〇ダムの頭部に超巨大パンを装着させ、巨大パンの体とすることを閃く。
この作戦は実行され、巨大なパンを頭部に、体は機動戦士という新たな生物が誕生した。

これが、「シン・ア〇パンマン」

全裸ロケット

とある下町、英語教材を売ることに長けている敏腕セールスマンは、その日も仕事に疲れ、愛しの妻の待つ家に帰宅する。彼が寝室に入ると、そこでは妻がロケットを作っていた。
なぜ妻がロケットを作っているのか、理由はわからないが、彼は否応無しに想像してしまう。
「彼女は自分でロケットを作り、それに乗ってそのまま自分の元を去ってしまうのでは無いか」
ショックに意気消沈した彼は、妻に声をかけることも無く、家を出ていってしまう。
彼が行き着いたのは、場末のバー。どうしてなんだと嘆きつつ、彼は酒を煽る。そんな彼の耳にこんな話が聞こえてくる。
「ロケットの開発状況はどうだ?」
「予算都合が~」
どいつもこいつもロケットロケット、と酔いが回っていたセールスマンは、勢い余ってそんな話をしていた彼らを殴ってしまう。
殴られた側は突然のことに驚きつつも、理由が気になってしまう。彼はどうして自分達を殴ったのだろうと。その怒りの理由はなんなのかと。
セールスマンは理由を語った。妻が自分の元から去ろうと思うきっかけになったロケットが憎いと。
途端、殴られた側は、その憎しみから熱いパッションを感じ取り、自分たちの立場を名乗ったあと、セールスマンに、こう依頼する「ロケットを作ってくれないか」と。
お互いに酒を飲み交わし、意気投合どころではなく熱い思いをぶつけ合った彼らは、気づけば互いに全裸になっていた。

これが、「全裸ロケット」

七人の生きている

時は時代劇
場所はニューヨーク
風をきって歩く七人の侍達
破産寸前の会社からのヘルプミーを聞きつけた侍たちは会社を助けるためにそこへ集う
受付嬢は絶対に助けねばならないと固く誓った彼らは驚愕の事実を目の当たりにする
その受付嬢は甲賀のくノ一だったのだ…!!
侍とくノ一、対立は避けられないと踏んだ彼らは、戦いを決意する

野球拳で!!!

くノ一はとてもセクシーな装い、1度負ければすぐ裸体が露になってしまう
1人、また1人と、生まれたままの姿になっていう様には、「生」を、「生きている」ということを感じずにはいられない…!!

これが!「七人の!生きている!」

太陽にラブ

舞台は北欧、白夜のただ中にあるフィンランド
とある高層ビルの中で、金髪白人にして緑色のサングラスをまとったある男性が、ブラインドに指を差し込み、そっと外を、いや空のほう、上空を覗いている。
時刻は午前四時、外にはさんさんと、そう、SUNSUNと太陽が照りつけている。
視線の先に出てきたのは、同じく金髪の美しい女性。驚くべきことにその姿は全裸。
そして、覗いていた男性のそばには、小さな男の子が。
「パパ、ぼくもママのところに行きたいよー。」
そう、彼は、この2人の息子、SONなのである。
彼の言葉を聞いた父親は、息子に、直ぐに母親の元に連れて行ってやると言う。
直後、母なる太陽から現れた竹取物語的な乗り物に乗せられ、母の元へと向かっていったのだった……。
これが、「太陽にラブ」!

カンフー派出所

葛飾区を征服してやろうと現れた、カンフーの達人風のチンピラ2人組。
葛飾区を征服するには、やはり、亀有公〇前派出所に勤務している両津〇吉を倒さなければならないと考えた彼らは、その手始めに麗子を攫ってしまう。
そして、両津に「身代金100万円を寄越さなければ麗子の命はない」と脅迫する。
100万円をかき集めるためにまずは商店街に出向くが、各店の店長たちからはまずはツケを払えと迫られてしまい、100万円を集めるどころか、100万の借金があることを改めて告げられてしまう。
そこへ現れた中川が、麗子を助けるために、両津に100万円をぽんと差し出す。
両津はその金を持ってチンピラ達のところへ向い、彼らに金を渡した。
チンピラ達は、征服はどうでも良くなったのか、金が手に入ったのをいい事に、麗子を解放し、葛飾区から逃げ出そうと試みる。
しかし、逃げ出す道は全て商店街、そして、店主達は全員がカンフーの達人だった!葛飾区から逃げ出すには、彼ら全員を倒さなければならない!
だが、チンピラ達はあくまでカンフーの達人「風」であって、本当はただの素人である。
彼らは、葛飾区から逃げ出すことができるのか!?

これが、「カンフー派出所」

笑う奇想天外

とある時代の大阪。徒競走が得意な男が居た。
その男は徒競走で日本全国を1周しようとしていた。
日本全国1周をする中、彼の後ろには奇想天外な動物たちが着いてきてしまう。
1、10、100、とその数は日増しに増えていき、とうとうテレビの取材が来るまでになった。
取材のMCはみの〇んた。彼は、徒競走をしている彼に尋ねかける。
「あなたは、何体の動物に追従してもらうつもりですか?あなたのゴールは何体なのですか?」
徒競走の彼は答える。悩みながらも。
「2億、4000万!」
「ファイナルアンサー?」
「ファイナルアンサー!」
「……残念…!!」
「残念って言われても!?」

これが、「笑う、奇想天外」

美少女戦士今を撃ち抜こう

静岡のとある田舎町、そこにある高校には、美少女がいる。彼女の名前は太陽のことり。彼女は、学友たちと共に学業に励む生活を送っていた。
そんな彼女には裏の顔がある。彼女は人間ではなく、太陽の住人、太陽族なのだ!彼女は、その力を駆使し、日々、地球の平和を守る戦士だった。
だが、彼女はある日、自分が戦士であるという記憶を無くしてしまい、紆余曲折を経て海賊船に潜り込んでしまう。無意識下に太陽族としての力を使い、大海原に潜む巨大な蛸を倒し、たこ焼きとして海賊たちに提供したことで、海賊たちから重宝されるようになる。彼女の力を利用せんと、彼女の周囲には常に海賊たちが集まるようになった。また一方で、太陽族とはいえ年頃の高校生である彼女もまた、出会いを求めていた。
そんな中、海賊であるにも関わらず、タキシードを身にまとい、仮面で顔を隠したある男性と出会う。
彼との出会い、そして、彼の言葉、「君はどうして地球を守っていないんだ!」という激により、彼女は「太陽のことりという太陽族の美少女戦士であること」を思い出した!
記憶を完全にとりもどした彼女は、まさに、今を、地球の平和を守るために、今を撃ち抜こうと決意する。

これが、「美少女戦士、今を撃ち抜こう」


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