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殺意の夏、高崎のムクドリを討つ

宮台真司をぶくぶくに太らせたみたいなジジイが電車内でマックのポテトを指3本使って食っている。駅前には推定4桁のムクドリがピーチクパーチク、日体大の集団行動みたいに飛び回るTAKASAKI CITY。パスタ屋に流れる10年代Jダサポップ。長居させないために流しているとしか思えないなどと毒づいていたら同伴者に失笑された。はっきり言ってもう夏に飽きている。何をしていても汗ばむ。イラつく。人間が臭い。ガシマンする男とされてしまう女とそれを話題にする男と女、どいつもこいつもしょうもない。早くパイプカットしてぬいぐるみになってほしいの。それがママからの一生のお願い。食い物にしか興味がない田舎のBBAはずっーーーと何か食ってる。カバンから箪笥から上着のポケットから、ありとあらゆるところから菓子が出てくる。街中でおしゃぶりを吸っててもいいので半ケツのズボンはやめてほしい。お尻を出した子一等賞。今夏は私が一番最初に出しているから、今シーズンはすでに私の勝ちなのだ。もうこれ以上脱げない身体の芯が熱い、メンヘラの熱帯夜。死にたいのに太ってしまうなんて、その逆説が切ない。死にたいなんて嘘だろ。生きてたくないだけ。それでも生きて生きて生きて夏、一番大切していたあなたのことも自分のケツで踏みつけて壊してしまった。気が遠くなるひがらしの松林。そんな自分の救い難さまで「まあ仕方ないか」と思うことでしか生きていけないのなら、そう思うことが生きていくことそのものだというのなら、やっぱり死にたい。本当は殺したい。最初から頭を取る気合がおまえにはあるか。機嫌悪いのに無理矢理笑うのは我ながら怖いのでやめようと思った。ライブ中に機材をぶっ壊すミュージシャン、檻の中で殺意の羽を広げる孔雀。発情の雄叫び。見ろ、これが俺のチンチンだ。灯油をかぶって炎上自死。私は何度か頭の中で燃え死んでいる。スカルプのディルドを片っ端から薙ぎ倒して辿り着いた一番大きなボス猿、その陰茎に私の海を捧ぐ。切り取って焼いて食って精をつける。どんな手を使ってでも、私が生きる。殺すのも殺されるのも私だ。夏はまだ続く。

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