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方舟/夕木春央

第4回は方舟/夕木春央です!23年のミステリランキングを席巻、ミステリにも関わらず本屋大賞にもノミネートされてる本作をレビューします。
※尚、予告後にネタバレがあります。


1.基本データとあらすじ

1-1.基本データ

1-2.あらすじ

大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族と共に9人で地下建築の中で夜を越すことになった。翌日、地震が発生し、閉じ込められてしまう。さらに地盤異変が起き、水が流入しはじめた。
脱出して救助を呼んでも浸水が迫っており、いずれ地下建築は水没する。救助到着を待つ間に溺死は確実、、、(図を参照/ダ・ヴィンチより)。
そんな矢先に殺人が起こる。生贄には、その犯人がなるべきとの結論に至る。タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。。。

2.主観的評点と向き/不向き

2-1.主観的評点

2-2.向き/不向き

本作が向ている人
・どんでん返し/最後でひっくり返される作品が好きな人
・クローズド・サークルが好きな人

本作が向いていない人
・イヤミス(イヤな気持ちになるミステリ)が苦手な人
・殺人が起こるミステリが苦手な人

3.ネタバレと感想

以下、核心の部分に触れておりますので未読の方はご注意ください。











3-1.犯人と動機

犯人はマイ。マイだけは、非常口だけが脱出口になっているといち早く分かった為、外の状況を映すモニターのケーブルを入れ替えた。

犯行動機はケーブルを入れ替えた事を気付かれる恐れがある為。外観を知る2人を殺害。非常口への脱出に必要な酸素ボンベを無駄に使用した父も殺害。自らが犯人と分かるように探偵を誘導し、巻き上げ機の担当となり助かる手段とした。

3-2.ネタバレ感想

この結末は全然予想していなかったです。最後の10ページでまんまとひっくり返されました。特殊設定ミステリでも叙述トリックでも無くテキストだけの王道ミステリでこの出来はお見事です。

文章も特に読み難いと言う事も無く、途中ちょっと淡々とする程度の印象。登場人物は9人と多くも少なくも無い方です。解決編は10ページも無く、どんでん返しの為の290ページを作業ゲーっぽく感じてしまう人もいるかもしれません。

1つ気になったのは"マイはあの後、どうする(どうなる)んだろう?"と言う事です。司法の場では状況的に許されるのか、そもそも辿り着けるのか?辿り着けたとて、結局地獄が待っているのか。

4.まとめ(ネタバレ無し)

以上が方舟/夕木春央でした。いかがでしたでしょうか。興味を持たれた方は、是非ご一読ください。

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