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占星術殺人事件/島田荘司

第3回は占星術殺人事件/島田荘司です!「十角館の殺人」に引き続き本格ミステリをレビューして行きます。東西ミステリー国内版第3位の本作です。

因みに僕は本作が某有名探偵漫画がパクっている事を知ってしまった状態で読んだので、"もし、初見だったらどうか?"と言う前提での評点です。


基本データ

発行:1981年
ページ数:512P
ブクログ登録数:5,844人
ブクログ平均点:3.79
※2024年6月時点の情報です。

あらすじ

密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。彼の死後、六人の若い女性が行方不明となり肉体の一部を切り取られた姿で日本各地で発見される。事件から四十数年、未だ解かれていない猟奇殺人のトリックとは!?

魅力的な謎/意外な結末(8/10点)

"6人の処女から完璧な肉体"を造ると言う手記で語られるアゾート計画、226事件の日に起きた40年以上も未解決の雪の密室、日本全国で見つかる一部が欠損した6体の死体たち、、、などなど怪しい要素てんこ盛りの本作。

僕は島田先生の作品は本作と"奇想、天を動かす"しか読んでいないのですが、新本格作家群の中でも"唯一無二感"が突出しているのが島田先生です。小手先じゃないアクロバティックなトリックと言いまさに規格外です。

読みやすさ/のめり込み度(6/10点)

矢張り、多くのレビュアーが指摘している通り、冒頭の手記の重さはちとキツいものが有ります(裏返すとそこを乗り切るとグイグイ読める)。

あと、これは本格ミステリの弱点なのだけれど、"◯◯が犯人じゃない理由"にもきちんと言及しておかないとフェアプレーに反する、と言う制約に縛られる宿命にあるんですね。その為、(ネタバレを知ってしまった分)尚更途中の京都パートなどは惰性で読まされている感覚を持ってしまいました。

総合オススメ度:S(C~SS)

とは言え、このトリックはやっぱり凄いです。

前回書いた、十角館の殺人/綾辻行人が所謂、新本格ムーブメントの始祖との事なのですが、本作がその下地を創ったようです。

時間が無い人はむしろ某探偵漫画(占星術殺人事件 盗作でググると一番に出て来ます)を見た方が時短になるかもしれません。

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