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あわただしい休日

休みの日だ。

夕べ約束した義弟の家の家具移動を手伝いに行く。

朝から始めて昼には終わらせて実家に届け物を、と考えていた。

義弟が作っっている猫の額ほどの畑を見ようと裏に回って「こんにちは」ガラッ。「いる〜?」と家の中に入って呼ぶが、ウンともスンとも返事がない。

「物騒な、鍵もかけないで」と一言。

それにしても庭に草一本ない。気持ち良い。

畑も青々としてナスもキュウリも上手く育っているようだ。

ひとしきり眺めていたが帰ってこないので、実家に行くか。

心地よい風に乗って、一路西へ。約20分のドライブだ。

この時期の私の運転は危ないと自覚しているが、なかなかクセは治らないらしく、やはり木々や草草に目がいく。

今は紫陽花の季節なので、そちこちで様々な色の紫陽花が咲く。

木々の葉は青青と繁り、梅雨の恵みを受けて勢いも良い。山帽子も終わり、所々にバラが見える。

人々の庭をノゾクのは楽しみの一つで、「ははん。このようにするといいな」などと考える。オット、危ない。

くれぐれもよそ見はするなと言われている。はいはい、分かりました。

兄夫婦がコロナワクチンを打つというので、秘伝の漢方を(牛黄)を渡しに行く。

散々世話になった兄と義姉だ。久しぶりに父ちゃんと母ちゃんを拝むか、と親不孝娘は線香一本、チンとしてご無沙汰です、と。

部屋に入って「ワーっ」と叫んでしまった。

漆塗りの衣掛けに千羽以上のカラフルな折り鶴。姉らしく几帳面に一姿乱れぬ様子で吊り下げられている。

イヤーっ、これ玄関に置いた方がいいよ、と騒いでいると

義姉、「お父さん(兄)に作ってもらったの」。

まっ。商いが塗り師だ。木の扱いはお手のもの。年とってきてから仲の良い兄夫婦を見て一安心だ。

私が来るというのでわざわざ買ってきたスイカを冷やしてくれていた。

昼飯とスイカをご馳走になって、さて次は義妹の手伝いへ。

おばあちゃんの茶ダンスを整理して移動する。さすが昭和3年まれ。

ものを大事にしすぎて、包装紙から紙袋、果ては期限切れの茶まで仕舞い込んでいた。

それはポイとして、さて茶ダンスの移動だ。

重くてこの年では無理かと思っていたら、案外軽い。う〜ん、良い材料だ、桐だ。

今の人たちはニトリに行くというかもしれないが、こんな素敵な茶だんすはもうなかなか手に入らない。

ひとまず移動して、中に飾り物を納めた。いいねえ。部屋も広くなったし、飾り物も生きてきた。

おばあちゃんが帰ってきた時に淋しい思いをしないよう、ほとんどこの茶ダンスに納まった。

ア〜っ、ツカレタね。「茶飲む?」と催促。

一杯飲んで、夕方だ。今度は家で夕飯作り。なかなか慌ただしい一日だった。

程よく動いたので気持ちの良い一日でした。

娘が帰ってきた。アラっ、スイカ?をぶら下げている。

私が愛されているのか、スイカが愛されているのか。

スイカさえ預けておけばうるさくないと思うのか、

夏になると赤〜いスイカが寄ってくる。


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