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ヴァネッサ・パラディ「マクスゥ」「ナチュラル・ハイ」、ていねいに生きていく、深夜書店。

 ときどき、さみしくなるのは、
 大切な場所があるからなんやろう、。

 音、や行動からも「ていねい」を感じ生きていく、
 過去も未来も超えていくものが、伝わってくる、。
 心のままに、在るがままに、。
 
 いまの時代は、
 その気持ちだけが、さまざまな生命の心のなかで、
 音になって奏(かな)でられている。

 丁寧(ていねい)とは、
 大昔、戦いのときに軍で使われた銅製の打楽器の名で、
 注意を伝え、警戒を知らせたりするためにも、
 みんなの安全に心を配り、危機が迫ると懸命に打ち鳴らされたという、。
 
 その音が全員に伝わりづらいので、念には念をいれて何度も鳴らしたことから、
 細かいところまでいきとどいていることを「丁寧」というようになったそうだ。
 
 たとえ音が聴こえなくとも、懸命に打ち鳴らしている動きを感じさせることこそも、
 生命を護(まも)る、
 想い、を伝えるためにとても大切な行為だったということ。
 
 心地好い、気候、時節、
 不穏な社会情勢も落ち着いてた。
 ってのもあったから。
 bar営む幼馴染友人の店へ久しぶりに足を運んだ。

 大人空間の本格的barの店、この日は時短営業と曜日のこともあってか、
 bar営む幼馴染友人が夕刻早くからカウンターに立っていた。
 俺(詩人)にしてみれば、頼もしくも働く麗(うるわ)しの美人娘さんこそをたっぷりと見つめにいこうと、もくろんでいたわけだったが、、。
 それがどういうわけか、ついついbar営む幼馴染友人を鑑賞しながら、話し、美酒を堪能してしまうことに、。
 ・・けして見とれてしまってたわけでもないが、。
 笑みさえこぼれてしまう。
 美人娘さんのほうへ顔をむけて目があうと、なんだか照れくさいくらいに、。

 bar営む幼馴染友人におまかせでカクテルを注文したら、
 チャーリーチャップリン、というスタンダードカクテルをつくってくれた。

 翌日、気になって由来とかをネット検索してみた。
 公式レシピではジン20ml、ブランデー20ml、 レモンジュース20mlだとか、。
 笑顔をとりもどしてほしい、そんな気持ち、。
 チャップリンの映画を見て「にんまり、」笑っているような、カクテルであるらしい。
 
 この日の美酒。
 
 ただ、ていねいに、誠実に、
 混ざりにくい材料を混ぜ合わせ、カクテルを冷やすため、酒のカドをとって飲みやすく、と。
 ただ、ていねいに、美麗に、
 シェイカーの中に材料と氷を入れて、その材料が入ったシェイカーを勢いよく振る。
 どんな由来やレシピのアレンジが、ど~のなんて会話や言葉なんてなくて、。
 bar営む幼馴染友人がシェークしてグラスに移す、ロックスタイルで、。
 
 確かに、「にんまり、」笑顔が出てしまうような豊かな味わいだった。

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 そそ、。
 bar営む幼馴染友人のいる本格的barが夕方に開店するまでのあいだ、。
 この日、テラス席のある解放的な空間カフェ&barの店にも寄った。
 昼前開店でランチ時間から営業しているからといっても、、
 訪れたのは時刻は夕方近くになってからだ。
 それからの腹ごしらえにはなったけど、。
 腕毛の濃い店長やスタッフ方々にも久しぶりに会えた。

 暮れなずむ前、天気のいい日で見晴らしのいい景色も心地よかった。

 カウンター横のテーブル席よりも外のテラス席を利用して飲食してる来客もあった。
 女性客たちの会話は聴こえてきたりはしないけど、、
 以前にテーブル席からの音がカウンターに座っていたとき、
 「ほんの小さな最大限、」そんな音。
 聴こえたことがあったことと想い出とが、かさなった。
 時短営業になる以前の話であるけど、。
 あのときは平日の昼食時だったと思う。

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 にゃー、と猫の鳴き声が小さく聴こえてきた。
 猫の声⁉、。
 反応してそっちのほうを見た。
 スマホからの音声には、ちがいない。
 会社の制服で身なりもきちんとした若い女性がひとりでテーブル席に座っていたから。
 身なりで決めつけるのも何なのだが、。
 いくらなんでも会社の制服姿で、ひとりで猫の鳴きまねをしたりして、、
 ・・ふざけないだろうとは、思ったわけだ。
 どこか近くで働いてる女性客がひとりで昼下がりに食事しながら、スマホで猫の動画を観て「にんまり、」としてる姿はとても印象的だった。

 いっしょに暮してる猫かどうかとか、わからないが、、
 心の中でともに暮らしている猫やそれにまつわる面影や、そ~いった想い出もみつめていたにちがいないと感じた。
 俺(詩人)は、たいてい、そ~やって想い馳せている。
 「にんまり、」できているかは知らんけど。
 
 bar営む幼馴染友人の店へ久しぶりに足を運んだ。
 その翌日は、詩人で恋人だった面影の誕生日だった。

 友人の歌人から、LINEがきた。
 面影の誕生日、について俺(詩人)を励ましてくれるコメントを。
 短くも丁寧(ていねい)に、くれた。
 このところは交流する機会も少なくなっているが、
 だからこそにも、
 ありがたくて、うれしかった。
 
 深夜書店、って題名、そんな小説作を残したい、との気持ちも。
 
 詩人で恋人だった面影との日々も、よみがえって、。
 
 猫はいっしょに暮らす、生命のマイナス要素を吸って生きてくれているらしい、
 だからいつも眠ってたりするのだと、、。
 みたいなことを、。
 面影がずっと昔、くそったれ野郎だった俺に話してくれたような気がする。
 気がするだけ、・・の話だが。

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 子猫を抱いて、いたからなんかな、、。
 面影がそのときに「にんまり、」として観ていたMVはヴァネッサ・パラディ
 「マクスゥ」、フランス語で歌ってる曲だったのは憶(おぼ)えている。
 デビューアルバム「マリリン&ジョン」の2曲目。
 当時ビデオクリップ集やライブ盤もいれて5、6枚は持っていたCDのライナーをよく読んでた姿は、、忘れてない。
 そそ、。
 ・・忘れへん。
 動画↓。Vanessa Paradis 「Maxou」3分43秒

【和訳抜粋「マクスゥ」】

【死よりも強い、いとおしさ
それは、本のなかにある
とても強い感情、
まるで黄金のささやかな輝きのなかにあるみたい
あたしの鏡のなかで、居眠りしてる

あたし、宝物の引き出しを持ってる
眠るときには、そこに隠れる

死よりも強い、いとおしさ
そういう、いとおしさをあたしは知っている
とても強い感情、
切り取られたイメージを
あたしの白いノートに貼りつけてあるから、

あんたはエデンの東に住んでいる
とても素敵な生涯を送っているはず、

ほんの小さな最大限、
生涯よりもずっとスケールが大きい
ほんの小さな最大限、
死、なんか超えてしまってる

そんなひといない、なんて云わないで
あんたは絶対あたしのもの
あんたのことが、いとおしい
あんたはエデンの東に住んでいる
あたしが、あんたのことを
いとおしいって気持ち、ちゃんと知ってる

あたし、宝物の引き出しを持ってる
眠るときには、そこに隠れる

ほんの小さな最大限、
生涯よりもずっとスケールが大きい
ほんの小さな最大限、
死、なんか超えてしまってる】

 
 セルジュ・ゲンズブール、プロデュースのセカンドアルバム「ヴァリアシオン」
 交際の噂があったりしていたとかの、
 レニー・クラヴィッツのプロデュースでサードアルバム「ビー・マイ・ベイビー」
 世界的にヒットさせた、フランスを代表するシンガー。
 アラン・ドロンジャン=ポール・ベルモンドと共演して女優としても活躍。
 俳優のジョニー・デップとは結婚してなくても、おしどりカップルとして知られていた。
 でも14年の歳月は超えず、破局。
 ふたりの愛娘、長女リリー=ローズ・デップは現在、女優として活躍してる。
 
 ヴァネッサ・パラディ
 15歳でデビューした彼女はロリータ的な雰囲気と舌足らずな歌唱力で人気がでてたけれど、
 あまりに蠱惑的(こわくてき)なために女性やメディアからの激しいバッシングを受けた、ってこととか、。
 他愛もなかったかのような話しの、、あれこれ、。
 
 懐かしい、未来。につながってるような、
 ほんのひとつまみの大切なことを、、。
 あの日、ていねいに「永遠の面影、」と会話したかどうかは、、
 記憶していない。
 
 「マクスゥ」の歌詞和訳にも、、
 〝死よりも強い、いとおしさ〟
 四半世紀あとの、いまになってやっとたどり着くとは、。
 詩人で恋人だった面影との日々が、ど~たらこ~たらとか、云いながら。
 まだまだ、くそったれ野郎な、俺(詩人)なのかもしれない。
 
 ていねい、に響いてくるものを感じられるのは、。
 寄り添う想いがあり、
 今現在の俺(詩人)に大切な存在たちが、いてくれてこそだ。
 
 面影が、あの日とは違って「にんまり、」ともせずに観てたMVもヴァネッサ・パラディ
 「ナチュラル・ハイ」、英語で歌ってる曲だったのも憶(おぼ)えている。
 サードアルバム「ビー・マイ・ベイビー」の1曲目。
 低音のベース音が絡む好きそうな曲、でもビデオのなかの登場人物たちの挙動(きょどう)を儚(はかな)く観てた姿は、忘れてない。
 そそ、。
 ・・忘れへん。
 動画↓。Vanessa Paradis 「 Natural High」3分40秒

【歌詞和訳「ナチュラル・ハイ」】
与えるものすべてが
自分にできる限りのこと
それが自分自身
あんたへの、いとおしさのために
うそをついたり、頼み込むつもりはない
これは、自然に気分が高まってるだけ

朝がきたら
この手をとって
あんたの心を解放してあげる
あたしの世界に導いてあげる
あんたへの、いとおしさのために
うそをついたり、頼み込むつもりはない
これは、自然に気分が高まってるだけ

とくに、かまってくれなくてもいい
深い、いとおしさをあげる
光のなかも、闇のなかも、
ずっと、あんたのために生きてるから
どうして欲しいか、教えてくれたらいい

All I give
Is all I got
And all I am
Ain't what I'm not
And I ain't gonna lie or beg
For your love
I'm on a natural high
When morning comes
Take my hand
To free your mind
Come to my land
But I ain't gonna lie or beg
For your love
I'm on a natural high
And I don't require no service
And I'll make sweet love to you
Every day and night
I live my life for you
What do you want me to do
All I give is all I got
And All I am
Ain't what I'm not
And I ain't gonna lie or beg
For your love
I'm on a natural high

 懐かしい、未来。につながってるような、
 ほんのひとつまみの大切なことを、、。
 あの日、ていねいに「永遠の面影、」と見つめあったかどうかは、、
 記憶していない。

 それでも、。

 ときどき、さみしくなるのは、
 大切な場所があるからなんやろう、。

 音、や行動からも「ていねい」を感じ生きていく、
 過去も未来も超えていくものが、伝わってくる、。
 心のままに、在るがままに、。
 
 いまの時代は、
 その気持ちだけが、さまざまな生命の心のなかで、
 音になって奏(かな)でられている。

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