🇮🇱の世界遺産、聖書ゆかりの遺丘:メギド国立公園に行ってきた。

🇮🇱の世界遺産の旅の第三弾はメギドです。

1.概要

・名称:「聖書ゆかりの遺丘群:メギド、ハゾル、ベエル・シェバ」
・登録年:2005年
・登録基準:(ii),(iii),(iv),(vi)
(ii)古代中近東の人類の価値観の交流を示し、エジプト、シリア、エーゲ海地域の影響が混ざり、独特な建築様式である。
(iii)現存しない文明の証拠である。青銅器時代のカナンの街と聖書に記された街に関する都市計画・要塞・宮殿・水利施設を示す。
(iv)聖書に記された街はレバントの都市開発の重要な段階を示し、この地域ののちの歴史に大きな影響を与えた。
(vi)聖書での言及を通じて、顕著な普遍的価値の宗教的かつ精神的な証拠である。

水利施設。ちょっとかび臭い。

2.メギドはなぜ我々を魅了するのか

2-1.メギドはどのような場所

🕵️‍♂️「メギドがなぜ重要かを理解するには、俯瞰して見てみる必要があるぞ。そうすることで、この場所の類稀な戦略的重要性がわかるんだ！」
👩‍💼「お手元に世界地図を用意して、イスラエル周辺を見てみよう！」
🕵️‍♂️「メギドは、南のエジプトと北東のメソポタミアおよびアナトリアを結ぶ主要な国際道路を管理していたんだ。つまり国際的なハブということだ。ナイル川の地からアッシリア、バビロニア、またはヒッタイト王国へ渡りたい人は、ここ"Via Maris（海の道）"を通らなければならなかったんだね。」

2-2.メギドの歴史

👩‍💼「実はこの渓谷で最初の戦争が起こったんだ…。3500年も遡るよ。」
🕵️‍♂️「（相撲の呼び出し風）みな〜み〜エジプト王国トトメス3世ぃ〜、き〜た〜カナーン連合軍〜……。エジプトの勝ち〜」
👩‍💼「テーベのカルナック神殿の外壁に、ヒエログリフで記録が残っているよ。メギドの魅力はこの渓谷だけではないよ。Google earthの力を借りて、メギドの丘を見て！」
🕵️‍♂️「メギドは古代の重要人物と多くの関わりがあるぞ。ソロモン王、ユダ王国ヨシア王、イスラエル王国アハブ、エジプトを統治していたトトメス3世、ネコ2世、アッシリア帝国サルゴン2世など…。そして多くの考古学者を惹きつけたんだ。なぜだと思う？？？」
👩‍💼「テル（遺丘）をまず理解しないとですね。テルは集落の上に新たな集落が立ち、そしてその上に新たな集落が立つ、というミルフィーユ状にできています。破壊と創造が繰り返されて来ました。」
🕵️‍♂️「そう、メギドに関していうと、30の都市が層となっているんだ。」

この見えている遺跡の下に何層もの遺跡があるとは凄すぎる

2-3.メギドとこれから

👩‍💼「メギドの魅力はこれで終わりではありませんよ。過去と未来を感じられるのが、メギドなの。多くの旅行者は、今後起こるであろうイベントにワクワク？そわそわ？しているのよね。」
🕵️‍♂️「新約聖書ヨハネの黙示録にそれは記されている。」
👩‍💼「ヨハネの黙示録については各自自習ということで！ちなみに黙示録のことをアポカリプスと言うよ！」
🕵️‍♂️「神の軍団と悪魔軍団が、最後の戦いを行うのだけど、その地が”アルマゲドン”だ！映画のタイトルにもなっているから、聞いたことがあるかもしれないねぇ。ギリシア語の"Har Megiddo"が由来となっているんだ。(ヨハネの黙示録16章:16節)」
👩‍💼「どうしてメギドが世界の終わりと関係しているのか、少し詳しく教えてくださる？」
🕵️‍♂️「旧約聖書ヨシュア記に答えが見つかると信じている。ヨシュアはモーセを継いで新しくイスラエルの指導者となった人物だ。紀元前609年のメギドの戦いで亡くなってしまったんだ。エジプトが北シリアに向かって行ったところ、ヨシュアは統治領域の通過を許さなかったんだ。そしたら、戦争になってしまい、悲しいことに…。そしてエルサレムの土地が崩壊した。従って、この瞬間から、終末に神の勢力と悪魔の勢力との間で戦いが起こるという伝統が生まれたんだ。そして正義が勝利した時には、救世主が現れると…。」
👩‍💼「なるほど…。メギドはまだまだ神秘のベールに包まれているようですね。今後の考古学的な解析に期待ですね！」

本棚から聖書を引っ張り出して、確認してみて下さい

3.まとめ

自分は中学・高校がカトリック系の学校であったため、宗教の授業というのがありました。当時は、まさか自分が聖書に書かれている土地を訪れるとは、つゆほども思っていませんでした。なので、とても感慨深いものがありました。

日差しを遮るものが何もないので、熱中症に気をつけて行ってらっしゃい！

この看板が見えたら、すぐ入り口です〜